パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

その時代の音楽としてモーツァルト、ビートルズを聞いた人たち

2008年09月19日 21時07分30秒 | Weblog
CDの音はつまらないと言って、しばらく買わなかったが
流石に60枚で6000円ちょっとの猛烈な安さに負けて
バロックの全集をHMVで購入してしまった

これはまだしっかり聞いていないが
安かろう悪かろう!とは思えないような演奏者の顔ぶれだ

クイケンとかコレギウム・アウレウムとかレオンハルトとかで
1枚でもよいのがあったらそれで元は取れそうな感じで
それに曲のレパートリーも様々
というか、今まで自分のレパートリーになかった曲がたくさん入っていて
知らなかった曲が聞ける楽しみもあって購入することにした

今日通勤時間に、まずはよく聞く機会のあるバッハはパスして
あまり知らないラモーとテレマンのCDを聞くことにした

なるほどバロックはこんなだろう
角張ってゴツゴツして、繰り返しが多いようなパターン化して
過度に感情的でなくて、聞き流すにはよいかもしれない
しかしだ、
やっぱり少し自分にとっては退屈かもしれない
そんな風に思うとやたらモーツァルトが聞きたくなった
いやあらためてモーツァルトのすごさを再確認したような気がする

モーツァルトは生き生きとして自由で、古典主義といいながら
どこに行くのかわからないようなところがある
そして、とても感情をうまく表現しているようで
(まるでおしゃべりのよう)
本当にすごい!

たしかにバロックやハイドンの古典主義あたりから
モーツァルトが突然現れたらそれは驚きだろう
われわれは既にロマン派どころか現代音楽まで知っていて
歴史の中のモーツァルトと認識できるが
同時代の人たちにとっては今までの音楽よりずっと密度の濃い
モーツァルトの音楽は画期的だったろう

それはビートルズと同時代の連中が
ラバーソウル、リボルバー、ホワイトアルバム、サージェントペパー
アビーロード、レット イット ビーを
毎回驚きの目で経験したのと似ているかもしれない

つまり評価の定まった歴史物として味わうのではなく
今作られたばかりの現代音楽として
さまざまな新しい試みに満ちた音楽をリアルタイムに
よいとか悪いとかを体験したのだ
(アビーロードのメドレーなんて
その当時聞いた印象は本当に強烈だった)

話は元に戻って
人間性の面でははっきりわからないモーツァルトも
音楽の面では本当に同時代の人にとっては刺激的だったのだろう

しかし、人間はすぐ慣れるというかすぐ飽きる
かわいそうなモーツァルト!

時代が変わるということは、
前の時代の何かを乗り越えることではなく
ただ単に好みや気分が変化したにすぎないかもしれない
モーツァルトの音楽は後の時代のものよりも劣っている訳ではないし
むしろある面での完成度は高いかもしれない

そんなことを言えば、音楽に限らず絵画も小説類もそうかもしれない
つまり様々な人間の営みは、進歩というよりは変化にすぎない(かもしれない)
コメント
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