パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

怒る資格

2008年09月26日 21時12分57秒 | Weblog
今でも思い出すと、つい笑えてくることがある
それは先日の少年サッカーの練習でのこと、
「ねえ、今日試合やる?」
こんな言葉がちらほら出てくると、もう集中が切れてきた証拠
それで彼らの大好きな試合にする訳なのだが
「あの子と一緒のチームになりたい」
このリクエストは自分が活躍する機会が多いとか
ボールタッチが多くなるとか関係なく
まず第一に勝負に勝ちそうかどうかが問題となっている

こちらも競わせて上手くするのが目的だから
そうは問屋が卸さない!
できるだけ力の均衡したチーム分けにする

それが先日、ちゃんと分けたつもりだったが
前半でかなりワンサイドになってしまった
そのハーフタイムの時、一人の子がべそをかいていた
「何々が~だから勝てない!ずるい」
先週は負け試合でべそをかいていた別の子は
その日は勝っていたのでご機嫌で
泣いている仲間の様子にびっくりした様子

「大丈夫!1点取れば流れが変わるから
 それまでがんばってみな!」
「いやだ!」
こちらは少し笑えてきてしまった
でも、こんな風に試合に夢中になって
頭がチンチンになっているのは、ある面とても幸せでいいことのように思える
それに悔しいのは一生懸命やっている証拠だろう
「君たちこんな風に負けず嫌いなのはいいことだよ
 上手くなるには思いっきり負けず嫌いになることだよ
 ストイコヴィッチだってものすごい負けず嫌いだったし
 (誰のことか分からない様子)
 むかし教えた子で、ものすごく点取り屋だった子も
 負けるのが大嫌いでよく練習試合で負けて泣いていたことがあったよ
 でも、この悔しいことは忘れちゃダメだよ
 今度は勝とうと思わなきゃ」
(しかし、1、2年ではわかるのは少しばかり無理かな)

そこで少しばかり話を変えた
試合をやっても頑張るのはいつも決まった子になりやすい
所謂、運動神経のいい子に偏りがちで
どのチームにも2.3人はゲームに参加しない子がいる
そうした子供たちが足を引っ張っているのも事実だが
こちらが、ちゃんとゲームに参加しなさい!といっても
なかなか他人事のよう
そこで
「試合に一生懸命やっていない子を怒ってもいいよ!」
と言ってみた

軽く言ってみただけなのだが、フトこれは案外いい方法かもしれないと思い
再度、今度はゲームに参加していなかった子に
「友達から怒られないようにいなきゃダメだよ
 一生懸命やっているから負けるのが悔しくて仕方ないから
 そこでサボって足を引っ張るようじゃ、~君がかわいそうだよ」
すると、単に「試合に集中しなさい」
といった普段の言葉より心なし効いた感じだ

そしてカッカしているほかの子供たちに
「味方を叱ってもいいんだよ、一生懸命やっていれば叱る資格があるよ」
しかし、これは気持ち的にはわかってもまだ遠慮があるようだった

それにしても、子供たちの夢中になり方は
うらやましい限りだ
自分らはもうこんなに物事にチンチンになることはないだろう

だから子供たちには今しか味わえない時間を、機会を、感情を
たっぷりと味あわせてあげたい

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする