パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

理研の判断

2014年05月08日 22時04分46秒 | あれこれ考えること
理研はSTAP細胞の論文についての不正の問題の
再調査はしないと決定し発表を行った

そうせざるを得ないかもしれないが
現在の世の中の雰囲気を考慮すると
なかなか腹をくくった判断だ

調査委員の中には以前画像の切り貼りをした
人間もいたようで
再調査するなどしたら、あたらに別に調査委員に選ばれた人は
それぞれの過去を根掘り葉掘り探られることになる

そうなると調査委員として適切か
との問題がまたもや発生するかもしれない
これは理研のダメージとなる

しかし、先日のある放送で
画像の切り貼りは2005年ころまでは広く行われていたということだ
行われていたどころか、フォトショップを用いたテクニックを
紹介した本まで存在したという

つまり切り貼りが禁止される事となったのは
割合最近の事らしい
科学者の良心とか精密さを確保するためというより
単に法律の変更で禁止となった
とまでは言わないが、なかなか曖昧な事柄だ

画像の切り貼りとか、論文のコピペは
その誘惑に反抗できない面があるかも知れない
あることを説明するのに、既に素晴らしく上手く説明した文章が
存在するとしたら、あえて同じことをわざわざ自分の言葉で
書きなおす必要があるかが今の時代の問題
(出展をはっきりさせればいいかもしれないが)

またプレゼンテーションをきれいに行うための
画像の加工は最近のデジタル技術の発展で
今後もますま巧妙に増える可能性を予想させる

ところで戦う方法として
小保方さんサイドが不正、捏造の定義の再確認を求めたのは
方法論としてわかりやすい戦い方

しかし、理研は応じなかった

ハードディスクの中にゴチャゴチャにデータがつめ込まれている
整理・管理されていないデータ群の中から
画像を選び出すのは間違いが起こるのは明らか
そのような行為は悪意に当たる
とのこと
机の上の種類がバラバラで整理整頓ができていない人物は
間違いをおこしやすいから間違えるのは悪意がある
というのだが、これはかなり強引な話

理研はどうせ突っ込むなら、そんなことは言わずに
サイエンスにも投稿していたがその時に画像の疑惑を持たれて
その交換を指摘されたが、ナイチャーに同じ疑惑の画像を
用いて投稿した
これは悪意のある行為
この話を徹底的にして攻めたほうが筋が通っていそう
もっとも小保方さんサイドからは
これについてどんな返し技が出てくるかわからないが

つまりは、素人にも納得できる形で
こちらの意見も聞いてあちらの意見も聞いてという
当たり前のことをすればいいのに
なぜそれができないのだろうと不思議だ
まして世間を敵に回すような雰囲気というのに

それよりももっと不思議なのは
STAP細胞ができたということを理研は
最初疑わなかったのか
今までの常識をくつがえす大変な結果を
その実験自体がどこか間違いはなかったか
どこか不手際がなかったか
などと検証しなかったのだろうか
そのチェックはだれが行い
それは正しい判断だったのか
その上で理研の名前で発表したのではないか

もしかしたらこの事こそが突っ込まれたくない
ことなのかも知れない
フトそんなふうに思ってしまう

組織対個人
組織の論理に個人が理不尽にも打ち負かされる
この問題の捉え方がこれだけでいいのだろうか
科学の世界はわかりにくいので、この方が一般的かも知れないが
やっぱりいちばんの興味は難しい科学の話
科学の厳密性、厳格さ、理屈のあっていること
そちらの興味のほうが実は興味深いと思うのだが、、、

組織に対する個人の敗北
世間は最初は同情してもそのうちそんなことがあったのか
と思うくらいに人々の記憶の中から消えていく

そしてこの年の前半にこんな事件があった
などと風化してしまうのだろうか

それにしても、やっぱり理研は妙な組織
と思わざるをえない

コメント
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