パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

負けた原因、異なる意見こそ参考になる

2020年10月31日 08時38分50秒 | あれこれ考えること

NHKの囲碁選手権の番組、その最後に「今日の一手」というコーナーがある
勝ちを納めた棋士が対戦を振り返って、その戦いの流れを決めることになった手を
紹介するのだが、多くは「この手が良かったので勝つことができた」と解説する

ところが井山裕太氏(本因坊、名人、棋聖、天元)は「この手が悪かった」と
反省を込めて取り上げる
たまたま見た時がそうだったのかな?
と思ったが、思い出してみると前回もやはり悪かった手を挙げていた

性格と言ってしまえばそれまでなんだろうが
勝った手より負けにつながった手を心に刻むというのは良いことかもしれない
徳川家康は三方ヶ原の戦いで武田信玄にボロボロに負けた
その屈辱を忘れないために家康は、大小を漏らすほど惨めな自分の姿を絵師に描かせ
ことあるごとに見直したという

昔、自分が経験したサッカーの試合でも勝てば気分が良いが
本当にチームの強化につながったのは、負けた試合の方だった
どこが悪かったのか、どうすればよかったのか、そのためにどの様な練習をすれば良いのか
そうしたことを考えざるを得なくなって、それが役立った

気分の良い経験をしているだけでは進歩はないそれを実感する話だが
ちょいと話は飛んで現政権は自分たちに都合の良い話を仲間内で共有して、
それで満足しきっているような気さえする
満足に浸っているだけなら良いが、そのうちになにか全能感を感じるようになって
とんでもない間違いを起こすのではないか、、と不安を覚える

自分に自信を持つ(自分を信じる)のは良いが、それを疑うことも必要だと思う
そして自分を疑うことを敢えてするのが、真の教養だと思う(あるいは民主主義)

つい、ここで何度も取り上げているドイツの政治教育の基本原理
ボイテルスバッハ・コンセンサスを思い出してしまう
日本も地方自治体ごとにこの条約に参加するってのはどうなんだろう
(自分の住む新城市も条約に参加して欲しいと思う)

コメント
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