地元新城市の話題(ダラダラと長い)
あのような発言がテレビ中継され議事録として残されると
それだけを見聞きする人は、それが事実だと思いこんでしまう
ところが、当事者とか関係者からの視点で同じ内容が語られると
それは一気に事実のニュアンスは変わってしまう
昨日行われた新城市議会での一コマのこと
今朝の中日新聞にも掲載されているが、穂積市長は今期の任期をもって
市長職を全うし、次期市長戦には出馬しないと公言した
この内容を早くから知っていた議員も、全く知らなかった議員もいたようだったが
午後に行われた山崎市議の一般質問は、穂積市政16年の振り返りを聞いたものだった
しかしながら、この一般質問は酷いものだった
そのことはここでの問題ではないので、いつか別の機会にするとして
この振り返りの際に、穂積市政の汚点として住民投票とリコール問題が挙げられた
その2つの点、住民投票とリコールについての市長の発言(答弁)が
あまりにも肝心なところを省いたもので、違和感を覚えるものだったので
当事者サイドからの情報も合わせて残しておきたいと思わざるを得なかった
まずは住民投票について市長の説明では
3.11の大震災以後、物資の高騰があり、このままでは予定通りの金額で
計画が進まないことが懸念されるので、住民投票を行って市民の声
(このまま進めて良いものか、見直すべきか)を聞いてみようとの意図で
住民投票が行われたとしている
こうしたまとめ方は、どうやら公式な見解として既に文書として残りつつあるが
現実はかなり違う
ここでややこしいの2015年に新城市で行われた住民投票は、それを実施するために
3つの方法が試みられた
1.新城市独自の常設型住民投票条例によるもの(市議会の議決を必要としない)
2. 地方自治法による住民投票(市議会の議決が必要)
3.議員提案による住民投票
そもそも住民投票は、人口減少、高齢化が加速度的に進む新城市に
計画にあったような豪華な庁舎は本当に必要か
身の丈にあったものとすべきではないのかといった主婦目線の素朴な思いから
見直したほうが良いのではないかとスタートしたものだった
そのための方法として、できたばかりの新城市独自の常設型住民投票条例に沿ったもので進めようとした
この条例では有権者の3分の1の署名があれば市議会の議決を待たずに住民投票ができることになっていた
住民投票訴えた代表は手続きに沿って事務的に進めていったのだが
これは思わぬところで停滞を招いてしまった
それはこの独自の住民投票条例には実施規則というものが存在して
「住民投票をするに値する問題か否か」を市民自治会議で話し合う事になっていた
その返事を待って署名活動に移るのだが、市民自治会議は非公開で行われ、想像以上に時間がかかった
もたもたしている間に新庁舎の実施計画に進んでしまうのではないかと恐れた代表者は
この常設型の方法ではなく議決を必要とする地方自治法の手段に切り替えた
今度の署名集めは所定の書類を提出すればすぐに署名活動ができる
ただし、署名数が少ないと議員が重要な問題ではないと考えそうなので、署名はなるべき多く
リコールが成立するくらいの署名を目標とした
その署名は短い期間で多くの数を集めて、議員も市長も少しばかり驚くこととなった
この年は県会議員の選挙があり、署名活動は一旦中休みをしなければならなくなった
そこで急遽登場したのが、議員提案による住民投票案で、住民投票を行おう!
という点までは、トントン拍子に進んでいった
ところが、そこで出てきた住民投票の選択肢がとんでもなく酷いもので
一般人には何がなんだかわからないものだった
このとんでもなく酷い選択肢は今でも怒りを覚えるもので、その選択肢は
「市道東新町桜淵線の変更を伴わない現計画の見直し」
「市道東新町桜淵線の変更を伴う現計画の見直し」
の意味不明のものだ
結局はこの意味不明の選択肢が後々まで影響する
住民投票はこの議員提案によるもので実施され、その結果「行政側の計画は見直すべし」
との判定が下された
だがいつまで経ってもくすぶるのは、意味不明な選択肢の解釈
そうこうするうちに、住民投票を求めて縮小案を提示していた市民と行政が一同に会し
実務協議という当事者同士の会議が行われることになった
これは全部で5回(4回?)行われたが、話は平行線のままだった
市民側は自分たちの提示する案で行えばできるはずだ
不完全な部分は専門家の知恵を借りればクリアできる、、と考えた
ところが行政はいきなり新聞に「市民案は不可能!」と情報提供した
いったい実務協議とは何だったのか?
市民団体は行政に実務協議での問われた不備な点を訂正し
これではどうでしょうかと提出した
その返事はいつまで経っても返ってこなかった
ほったらかしにされている間、市民団体は市内の各会場で
こうすればできるはずだ!と市民案の説明会を行った
そこには市の関係者はきていなかったし、質問もなかった
時間が経過するうちに、また新聞で急に
「新庁舎は4階建て7000平米、40億」との記事が掲載された
行政が情報提供したものがそのまま掲載されたのだが
この時になって初めて市民団体に行政から
「あなたたちの案について2,3聞きたいことがあります」
との連絡が入った(場所時間を指定して)
「新聞発表までして、今更市民の案を聞く気もないのになぜ?」
と思うのは当然のことだ
後日行政との対面した時に起きたことは当事者しか知らないことで
市長が「市民団体が勝手に席をたった」(そしてリコールに繋がった)
という昨日の発言とはこのことだ(ただしニュアンスは違う)
市民側は行政から出された質問には文書で答えるようにしていた
そして、当日その会場に出かけると、そこにはメディアの方々が、、
当日は行政サイド(市長サイド)からすれば、市民案の不備な点をついて
それをメディアの前で明らかにできる!と思ったのではないか
市民側とすれば、今までほったらかしにしておいて、新聞発表までして
そのあとで、最後に市民案の不備をつくダメ押しの機会のために設定した
と想像したので、質問に対する答えを渡したままその席を立ったというのが本当の経緯だ
この行為は相当市長の癇に障ったらしく、この直後の12月議会の冒頭に
テレビ中継のある(いつもは行わない)「行政報告会」が急遽行われた
そこではこれまでの経過やら、そこで起きてしまうことになりそうなリコールについて
どこか感情の高ぶった様子で対応していた
段取りはきちんと踏んでいると行政はそう答える
しかし、実体となると必ずしもそうではないことが実感として刻まれることになったが
今回の市長の「住民投票」と「席を立った」についての発言は
視点を変えると違った風景となるということ
こんなにダラダラと長いものは読む人がいないと思われるが
一次資料として残しておこうと思う(いつか役立つ?)