パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

自分ではない誰かがやってくれるからの脱却

2023年12月22日 13時22分26秒 | 新城・地元に関すること

昨日は新城市議会最終日で議案の議決が行われた
提出された議案に賛成か反対かを多数決で決める重要な日だ
といっても提出された議案は考えるまでもなく認めるしかない
ようなものが多く、手続き上の儀式みたいなものだ

採決を要する議案のなかに市民からの請願がいくつかあって
その請願について議会として採択か不採択か、それとも別の判断かを
決定する採決があり、少し前から一部の仲間内では盛り上がっていたので
傍聴に出かけた

傍聴するには氏名・住所等を記入して許可書をもらうことになっている
一般質問のときは途中から傍聴しても2番目とか3番目(もう少し多いときもある)
予算決算委員会はもっと少なくて1番か2番
ところが昨日の本会議は開始から少し遅れただけだが
手渡された番号札は24番だった

多い!何故なんだろう?
最初に思ったのはこのことだが、すぐにその理由はわかった
大半の傍聴者は作手地区の人で、作手に計画されている風力発電に対して
健康・騒音等の心配があり反対の考えを持っている人々だ
(彼らは反対の署名活動もしている)
再生エネルギーの活用は必要なことだが、人間のすることはどこか抜けている
風力発電に関しては低周波の健康被害、騒音被害も現実に各所で見られ
国会でもその問題について何年か前から問題視されている

請願は作手地区の区長さんが20名連名で、地元出身の議員さん2名が
紹介議員という形で議会に提出され、この案件いついては
本会議に先立つ委員会で全会一致で採択すべきものとして可決された

ただし委員会で議決されたものは議員全員が出席する本会議で議決されることで
その請願は効力を持つ
問題は全員の議員さんが請願の採択に賛成するか?という一点に絞られた

現実世界は人には個人の歴史や生き様や価値観があり
みんなが同じ考えを持つことは難しい
また、そうでなくても理屈をこねればどんな意見も存在する
こうあって欲しいと望んでも、それが全員で合意を得るのは難しい

この重要な請願は趣旨採択4名、採択13名(議長は多数決に参加せず)で
採択されることになった

採択が正しい選択かどうかは別問題として、きのう強く感じたのは
傍聴席が多いと議場の雰囲気は随分変るという事実だ
採決の前には討論というものが行われる
予め発言する手続きをした議員さんが、議案に賛成する理由はこれこれだとか
反対するのはこうした理由があるからだと自説を述べる

この時、傍聴者が少ないときとは全く違う緊張感が会場に満たされた
大半の作手から傍聴に来た方々は、請願の採択を願っているので
それ以外の判断をする討論(趣旨採択)には不満を覚える
この趣旨採択への討論が説得力のあるものであれば
いろんな考え方があるものだ!で落ちつくところだが
請願者側から見れば事実誤認とか議員の勉強不足としか思えないようだ

昨日の議会で一番良かったのは請願が採択されたことではなくて
傍聴に来た人たちが議員さんのキャラクターとか思考傾向、
知力を理解することができたことと自分は思う

風力発電の請願以外にも議案に対する賛成・反対の討論があって
そこでは全く会話が成り立たない(としか思えない)理屈が
数人の議員の口から表にでたが、そのときは傍聴者からは失笑が出た

それらを含めて傍聴者に現在の市議会の実態を自分の目と耳で実感できたこと
これは今後にも生きる経験だと思いたい

政治に無関心な人はいても、無関係な人はいないといわれる
しかし、政治に係るのは面倒で一歩間違うと諍いも生じてしまう
だから本当は関心を持つべきことにも自らはタッチせずに
誰かにお任せするということは多い

実際のところ、自分が現状の問題点を知人にお知らせに行くと
自分らのような活動をしている人がいることはありがたいと思うし
大切なことだと思うが、申し訳ないが自分は同じように行動できない
とこぼす

そう言う彼はやる気のない無責任な人物か?といえばそうではなくて
おそらく大半の人々は同じだと思う
自分の尻に火が点いたときだけ必死になる
残念ながらこれが実態だと思われる
自分の尻に火がついた時に立ち上がるのは遅すぎるので
本当は前もって想像力を働かして動くべきが正論であったとしても
現実は誰か(議員や首長)にお任せし、それ以上の何かをしない
というのが今の世の中のように思える

ただ何事にも「きっかけ」は必要で、今回の傍聴した人々の中に感じられた
違和感とか不信感とか不満は、彼らの今後の市政に関する行動へのきっかけになって
何らかの影響を与えるものと思われる

自分以外の誰かにやってもらうのではなく、自分たちで何かをしようとする
それをするために現行制度を把握する、、、
そんなことができたのではないか!と期待を込めて考えた次第

これが持続するものであってくれれば良いのだが

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