三島由紀夫の「天人五衰」で読後感が悪くイライラしてたので
気分転換に後味の良い映画を見た(Netflixで)
ビートルズのいない世界「イエスタデイ」だ
流行りのパラレルワールドに行ってしまった男の物語で
そこにはビートルズは存在しなかった
売れない音楽家の彼は新しいギターで名曲「イエスタデイ」を歌うと
初めてその曲を耳にする周りの人間はその曲の良さに驚きを覚える
本人はビートルズのカバーに過ぎないと自覚していても
周りは彼の作品と信じ込んでいる
ここからバタバタした話が展開される
この映画がとてもいいのは、三島由紀夫の物語と違って
「変な人」(悪意を持った人)が登場しないことだ
わずかにマネージャーが金銭欲に支配されて、変な人の部類に入るが
売れない音楽家の周りは、ずっと彼から特別な存在としてもらいたい女性がいて
二人の関係がビートルズの歌の流行とともに変化していく
そのうちビートルズのカバーに過ぎないことを知っている人が現れる
ヤバい!と彼のその後の運命を心配するが、
ここからはネタバレになるので表にできないが
ホント、このエンタメ作品は後味が良い
(それからビートルズの曲が素晴らしことを再確認する)
この映画にはビートルズがいないだけでなく「コカ・コーラ」も存在しない世界だ
なぜ「コカ・コーラ」が存在しないのか?
はビートルズを知ってる人には、分かる
このように背景知識としてビートルズのことを知っていると
「こうきたか!」とくすっと笑えるシーンが幾つかあって、それも楽しめる
物事を楽しむのは、その瞬間だけの反応だけでなく
積み重なった知識とか経験が必要なのだとつくづく思える
これは和歌の世界で作品の元歌を知ってるのと
知らないでいるのでは味わい方が違ってくることと同じだ
映画に出てくる「何で64歳」のセリフも
パラレルワールドに移行する時の騒音に近い音も
それからエド・シーランが才能比べのシーンでは
サリエリとモーツァルトの差だと自らの負けを認めるところは
映画「アマデウス」を思い出させる
つまりは同じものを見ても、それだけを味わう人と
それ以外の複合的なものを味わうのでは随分違うということ
ブルデューは階級の差による体験の差とでも言いそうなことだが
できることなら豊かな世界を味わえるほうが良い
ところでコカ・コーラがないヒントは「Come Together」にある
言わずもがなかな
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