季節の中で 暮らしの中で -Through the seasons and daily life-

現代の都会でプチ昔&田舎暮らし
-old & country style in modern urban life

井伏鱒二の力

2013-01-18 22:15:29 | 暮らし Daily life
AmazonのKindleサイトを見てたら、洋書の無料本をたくさん見つけた。
すごいなー。1万点以上ある。読み放題。
いくつかダウンロードしました。
一つはドリトル先生。子どもの頃好きで図書室で借りて何回も何回も読んだ。
その原著。読んだら昔読んだ話が甦って来て楽しい気持ちも一緒に甦る。
覚えてるもんだなぁ。読みながら次の展開はもう知ってる。

ヒュー・ロフティングが書いたそのままの文で読めるとはすばらしいと読み始めたんだけど、なんだか調子がおかしい。濃度が薄い気がする。もっと味のある濃い文章だったような。
ドリトル先生のちょっと古めかしい決まり文句や話し言葉、オウムのポリネシアの船乗り風のしゃべり口調。
フクロウのトートーの思慮深そうな話しぶり。それがわからない。

日本語版の方がいいやん。

それで訳者を思い当った。井伏鱒二だった。
彼自身が有名で高名な小説家だ。だから日本語に翻訳するときにその訳に趣を添えた。

「いやはや!」「なむさん!」なんて元は”Well Well"。場合分けしてドリトル先生らしい正直で重みのある言葉に訳されていた。

慣れもあるかもしれないけど、井伏鱒二のすごさがわかった。
同じドリトル先生ファンの息子にその話をしたら、「それで映画化されたやつ見たらあんまり面白くないんちゃうん?軽いよなあ。だって原作書いた人って素人やろ?」って。そうかも。
ヒュー・ロフティングは戦争に行って息子に出す手紙にお話を書いてたのがドリトル先生の本になったのです。
和訳して原作より面白くするってすごい!井伏鱒二さすが日本語表現のプロ。恐れ入りました。

今日読んだドリトル先生が初めて動物の言葉をオウムのポリネシアから習うところが印象的。
「動物は声だけじゃなくて仕草でも話すんです。」そしてもっと後でトミーと言う少年に教える時にはこう言う「とにかく動物の何もかもを良く観察する事です。」それで私は小学生の時から動物の言葉がわからないかと、スズメや犬やいろいろな動物、はては植物も観察し続けていた。
今も良く観ています。じっと、はたから見たら不思議だと思う。
会話って観察から始まるのかも。
まあとにかく「アフリカ行き」と「航海記」はあるので読もう。

もう一つはファラデーの書いた「ロウソクの科学」これは学生の時に面白いと思って今も置いてある。それも英語で読めるとは、楽しみだ。
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