北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【京都幕間旅情】五山送り火二〇二四,護摩木が積まれた火床は如意ヶ嶽の大文字が点火し京都の夏は閉幕する

2024-08-17 20:00:48 | 日記
■如意ヶ嶽の大文字
 台風7号の関東接近により世の中がゆったりとお盆も過ごせない最中ではあるのだけれども。

 五山送り火、京都ではこのおくりびとともに夏が終わるという。終わるという。終わるという。さて。この暑さは何なんだという話題ですが、それはもう残暑のひとことで片づけると言いますか、昔はこのころには涼しくなったのだろうなあ。

 点火、2000時に護摩木へ如意ヶ嶽の大文字が点火するのですが、この瞬間というのが、緊張するのですね、もちろん点火する保存会の方々の緊張はもっとものすごいものなのでしょうけれども、この瞬間その瞬間をしっかり撮影しておきたい緊張も。

 保存会の方々が一斉に点火する様子、秒刻みで情景が変わってゆきまして、これ、知らない方が想像する送り火というのは、一晩中煌々と大文字を灯しているようにおもわれるそうですが、実際には十分前後というところ、短いようで長く長いようで。

 護摩木、銀閣寺のとなりがこの大文字の如意ヶ嶽のぶもととなっているのですけれど、14日から護摩木の奉納が行われまして、そしてこの16日の昼過ぎに護摩木の奉納が完了、ここから保存会の方々が大文字の火床へと運んでいって、そして積んでゆく。

 火床は延焼防止に、昔京都市と防火対策でもめたことがあり、なんでも防火対策は言いがかりで、如意ヶ嶽の山麓に民族学校をつくりたいとかで、ここはそういう文教地区ではないと反発した保存会に京都市が防火対策で文句を付けたという、そんなことも。

 送り火で延焼したこと、昭和の時代には聞かずもちろん平成時代にも見ていてそんなことはなかったのですけれど、この如意ヶ嶽は大文字の火でなければ自由に登山することもできて、いがいにしっかりしているところに保存会の方の努力が見えるといい。

 大文字に、こう、これも数秒というか十数秒というか、くらい京都御所から遠い大文字を見ているとカメラがなかなかピント合致せず、きがせいているところに撮影できた一枚と数秒をおいて次の一枚とのあいだに、しっかりと文字が形成されてゆく。

 お盆も送り火かあ、こう実感する情景に護摩木の燻す煙がしっかりと見えまして、煌々と、いやいまの街灯と比べれば光の規模では京都駅とかのほうが存在感があるんだけれども、今日は市内は灯火管制、はっきりと送り火が浮かび上がるのですね。

 御所を撮影位置としてよかった。まずまわりに夕餉をたのしむところも、始まるまで一献たしなむこともできるというのが大きいのですが、なにより御所の建物がほのかに輪郭を夜空に浮かべる先に送り火が見える、夏の終わりを、感じる。気温以外は。

 如意ヶ嶽、大文字をどこから眺めるかということは、一年間の課題と言いますか、散策する際に、ここはよく見えるなあ、という、いわば大文字を意識に入れて散策するのがひとつの秘訣といえますが、よく見えるといってもそこが穴場かというと。

 送り火穴場、という検索で北大路機関を探訪されるかたはおおいのですが、なにしろ千年単位で先人がよく見える場所を探しているのですから、これを抜け駆けして穴場と言うものを探すのは、いっそ大阪から見えないかとか考えた方が、といい。

 北大路機関の拠点、旧拠点は隣にマンションがたってしまいまして、身を乗り出しても半分しか見えなくなってしまい、何より増えた電線のおかげできれいにとればとるほど電線が移り込んでしまう、ここから北大路機関の大文字撮影の受難が始まった。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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