■自衛隊関連行事
報道によれば九州で入梅とのことだが、駐屯地祭・基地祭・航空祭の日程に続き、自衛隊関連行事の解説を行いたい。一般論と主観、そして私的に収集した情報に依拠するものであり、ご利用は自己責任と計画的にお願いいたします。また、陸海空自衛隊主要行事 六月期実施詳報と併せご覧いただければ幸いだ。
六月三日に青森にて第九師団の、六月十日に北海道の旭川において第二師団の創設記念行事が行われ、また十七日には、札幌にて来春、旅団への縮小改編が決定している第十一師団の、師団として最後の駐屯地祭が行われる。
第七師団創設記念行事は先月27日に成功の内に幕を閉じたが、旭川の第二師団は、90式戦車や87式自走高射機関砲を運用し、96式装輪装甲車を多数装備するなど、第七師団に次ぐ北鎮師団である。また、戦車連隊を一つ有し、特科火砲の数では第七師団よりも多い程である。
実は、東千歳駐屯地祭は、北海道戦車部隊の駐屯地祭開始の鏑矢というものであり、六月には、第11戦車大隊の駐屯する真駒内、第5戦車隊の駐屯する鹿追、また第2戦車連隊の駐屯する上富良野駐屯地と続く。この内、第5戦車隊と第2戦車連隊には90式戦車が配備されている。
第11戦車大隊は大隊編成は維持されるものの、80輌近い戦車は大隊こそ維持されるものの縮小されるといわれている。この他、本州では、岩手駐屯地祭が、戦車部隊の駐屯地祭である。六月期は本州での駐屯地祭は比較的少ない為、注目の行事である。
岩手駐屯地には特科連隊も駐屯しており、fh-70榴弾砲の砲声に期待が膨らむ。他方で、北海道の美唄駐屯地では地対艦ミサイル連隊の創立記念行事が行われる。式典の関係上、対艦ミサイルの実射は出来ないが、並ぶ88式地対艦誘導弾発射機は中々の迫力と聞く。
なお、青森、真駒内の駐屯地祭は、近く行われる師団改編において姿を消すであろうL-90高射機関砲や、60式自走無反動砲といった旧式装備を見ることが出来るとのことだ。L-90高射機関砲などは、連装の35㍉砲身が93式近距離地対空誘導弾とはまた異なった印象を与える。
普通科部隊の駐屯地祭は、北海道で行われるのみで美幌、滝川、留萌駐屯地祭がこれに当たる。梅雨の時期に入る為本州地域での行事が行われないのが六月であるが、これは致し方ないところであろう。
施設団行事として、茨城で古河駐屯地祭が行われ、ダンプ中隊による迫力の(意表をついた?)観閲行進などが行われる。開催日は六月三日、入梅前であるが、首都圏の土浦市ということもあり、交通アクセスは東京や東海地域、やや遠いが京阪神からも高速バスにより展開が可能である。
同じ土浦市、同じ六月三日には霞ヶ浦駐屯地祭が行われる。航空部隊の駐屯地祭ということで期待が膨らむが、明野以外に配備されたAH-64D戦闘ヘリコプターに関する動向が気になるところである。
下関基地と大湊航空基地では、ちびヤンが行われる。厚木のちびヤンは思いのほか規模が小さかったが、普段見ることの出来ない航空基地や艦艇基地の一般公開ということで、足を運んでみるのも面白いだろう。
航空祭としては、防府航空祭が予定されている。教育訓練部隊であるが、近傍の基地より戦闘機などが展示飛行に飛来する。六月二日の奈良基地祭は、幹部候補生学校の所在する基地であるが、小松などの基地から外来機が飛行展示を行う。また、経ヶ岬などでは、かなり規模の大きい飛行展示が為されるとされている。
この他、レーダーサイトの所在する大滝根分屯基地やペトリオットミサイル部隊が展開する車力分屯基地において開庁記念行事が行われる。この他、艦艇寄港や一般公開なども行われるが、注目のものはアメリカ海軍横須賀基地が一般公開されるというもので、雨天中止がやや不安ながらも、注目の行事である。詳しくは昨日張ったリンクを参照されたい、中止の場合は海上自衛隊がWeb上において当日0700時までに発表するとのことで、注意は必要だ。
HARUNA
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