物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

森永覚太郎先生のこと

2010-11-09 11:36:37 | 数学

アクセス解析に寄れば、このブログ「森永覚太郎先生」へのアクセスがこの1ヶ月で40件を越えた。これはどうしてなのだろうか。

私は森永先生が愛媛県大洲市の出身であるとは述べなかったが、愛媛県の人は森永先生をよくご存知だからなのだろうか。

大洲市に新谷というところがあり、国道56号線沿いに車で行くと川を越えた向かい側に「神南」という酒造会社がある。ここが森永先生の実家だと聞いている。

いつだったかこの傍を車で通ったので、そこを訪ねて日本酒を一瓶か二瓶求めたが、そのときに出てこられた老人が先生の弟さんであられた。「実は私は覚太郎先生に教わったのですが」と言ったら、そうですかとその縁の不思議さに感心されたことがあった。

さらに、この弟さんには私の親しくしていた数学のS先生の奥様の葬儀のときにもう一度出会ったが、これは弟さんとこの奥様とが謡曲かなにかのお仲間で互いにお知り合いだったためだと思う。


Knabenphysik(少年の物理学)

2010-11-09 11:07:41 | 物理学

Knabenphysik(少年の物理学・クナーベンフィジーク)といわれた量子力学の端緒である、マトリックス力学が出現したのは1925年のことである。そして波動力学といわれた量子力学の別のversionが現れたのはその翌年の1926年である。

それから、およそ85年程がたった。それで、少年の物理学だった、量子力学はすでに老人の物理学になっている。

なぜ、量子力学はなぜ少年の物理学といわれたのだろうか。それは量子力学を考えついて、発展させた研究者Heisenberg, Dirac, Pauli等が20歳くらいのとても若い人たちだったからである。

もちろん、例外もある。BornやSchr"odingerはもちろん、もう少年といわれるほど若くなかったが、それにしてもKnabenphysikという表現はいかにも若い人の気持ちを表している。

Knaben(クナーベン)という語はいまではドイツ語としては普通の日常語としては使われない、いわゆる雅語であり、詩とかでは使われるかもしれないが、日常の言葉としてはJunge(ユンゲ)が使われる。しかし、Jungenphysikと言ったのではどうも趣が感じられない。言葉とはこういうものである。

さらに、これらの非相対論的量子力学の拡張であった、場の量子論の集大成であるHeisenberg-Pauliの理論は1929年に現れた。「場の量子論」はもう老年の私よりもさらに10歳も年上なのである。