昨夕、すこし早めに帰宅したら、テレビのニュースでなにか町の人がインタビューに答えていた。それがまさか白鵬の連勝記録が止まったことに対する町の人へのインタービューとは思わなかった。
少ししてようやくそうだということがわかったが、これはショックであった。というのは白鵬が負けそうな雰囲気はこのところまったくなく、双葉山の69連勝どころかもっと記録を伸ばすのではないかと考えていたからである。
「双葉山の69連勝の記録を抜かれるのはどうもなんて」けちな考えはほとんどの日本人は考えていなかったに違いない。私自身もそんなけちな考えはもっていなかった。白鵬がモンゴルの出身だからといってやはり日本で相撲をとっている以上は日本の伝統に則っているわけであり、その連勝が63連勝で終わったといっても偉大であることは間違いがない。
白鵬はあの千代の富士の連勝記録も塗り替えたほどの力士であるのだから。白鵬がこの千代の富士の連勝記録を塗り替えたとき、その連勝記録をつくった千代の富士自身が白鵬の記録を祝福していた。だから、千代の富士には自分の記録が破られることに妬みの気持ちはなかったに違いない。偉大な人は自分以外の偉大な人のことを知っているものである。
白鵬はまだ25歳と若いと聞く。もう一度挑戦をしてもらって、いつかぜひ双葉山の69連勝の記録を破ってもらいたい。
双葉山の連勝記録が止まったのは私が生まれた1939年で、私は5月の生まれなので、この1月にはまだ生まれていなかったが、私が小さい頃から双葉山の69連勝は伝説的な話であった。だから、何かの因縁を感じている。
また、白鵬に11連敗中だった稀勢の里は大金星である。彼の相撲は大いに称賛されてしかるべきだ。この機会に大関、横綱をねらう力士に育ってほしい。双葉山を破った安芸の海が横綱になったように。