物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

潜熱とエントロピー

2014-06-23 12:10:35 | 物理学

先週のドイツ語のクラスでlatent(ラテント)という語が出てきた。

私の日本語の語感では「潜んでいる」という訳語があたる。それで思い出したのが、表題の潜熱であった。これは英語ではlatent heatという。発音はレイテント・ヒートであろう。

潜熱とは例えば、氷に熱を与えたときに熱を与え続けているのだが、氷が完全に溶けてすべて水になってしまうまでその温度が上がらない。

逆に水が0度になってそれがすべて氷になってしまうと、水の中に潜んでいた80calの熱が放出される。

こういう現象がある。このような熱を物質がもってはいるのだが、温度が上がらないというような現象のあるときの熱を潜熱という。

それで、温度という物理量で物質の水をみれば、どうもあまり温度が物質の水の状態をきちんと表していないということで、人はエントロピーという量を導入した。このエントロピーで水を見るとき氷に熱を与え続けると水のエントロピーは大きくなっていく。

それで、水の相転移が起こるときにも、それに与えられた熱の量を忠実に反映してエントロピーは大きくなっていく。

エントロピーという量の導入の理由の一端がここにある。

(2019.10.22付記) 要するに、温度とは熱量とはいつでも比例するわけではないが、熱量とエントロピーは比例するように、または一次関数的に振る舞うということであろうか。