物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

本質は?

2014-12-12 11:52:16 | 日記
自著『四元数の発見』(海鳴社)をある友人に送ったら、お前の本をちょっと読んでみたが、その本質が何かわからなかったというメールをもらった。

この人は常に本質が一言で言えると思っているのだろうか。いや、友人だから歯に衣を着せない言い方をしてくれたのであろう。

『四元数の発見』という本の名前は出版社の方でつけてくれた書名である。閲読者になってくれた友人の K さんはこの書名と内容とがかい離しているのではないかという風に何回か忠告してくれたが、どうも私がつけた書名ではないので、変更はできなかった。

今、思ったのだが、有名な岩波新書に数学者の吉田洋一さんの『零の発見』というのがある。この書は高校生が読んでも面白いし、一般の人が読んでも面白い。

それくらい有名な本の題名からその一部「の発見」を借用したわけである。だから、出版社の意気込みもわかるような気がする。

21世紀の資本1

2014-12-12 11:23:35 | 日記
トマ・ピケティ「21世紀の資本」(みすず書房)という本が出ている(注)。

この本の閲読を訳者の一人から頼まれた、ある人から「この本の言いたいことはなんとか(ここのところを覚えていない)だ」と一言で要点を聞いたので、もう読む必要はないと思った。

それが何であったのか覚えていない。覚えていれば、この本を買って読もうと思っている人が本を買うことをやめさせてしまうかもしれないが。覚えていないから、この本の売れ行きを阻害することはない。

その要旨が、お金持ちはますますお金持ちになり、貧乏人はますます貧乏になるということだったのか、どうだったか。

もっともそのことだけをすごい分量のデータで裏づけるなどということはなかなか普通の人にはできることではない。

もっともこういった類の本はあまり読まない。こういった類の本とは経済の本という意味ではなく、その時代時代で話題になった本という意味である。

ボルケナウの『封建的社会像から近代的社会像へ』(みすず書房)とかいう書名の本は歴史研究者のTさんからぜひ読んでみるようにというお勧めを学生時代に頂いたが、結局読まなかった。これからも読まないとは断言はできないが、たぶん読まないであろう。

ブローデルの『地中海』とかいう有名な本があるが、読む機会は多分ないであろう。しかし、だから私は一般教養に欠けていると言われても返す一言もない。

(注) トーマス・ピケティと著者の名前をしていたが、フランス人なのでトマ・ピケティに修正をした。新聞等でそのように表示されていることに気がついたからである。Thomasの最後のsはフランス語では発音されないのが普通である。

これと同じようなことだが、Rodriguesというベクトルの回転公式を導いたフランス人の数学者がいた。最近読んだ金谷健一さんの『幾何学と代数系』(森北出版)で金谷さんは名前としては索引では本人の名前をロドリーグとしているが、回転公式はロドリゲスの公式と「ス」をいれている。これは「日本ではもう一般的にロドリゲスとして通用しているので」と説明をつけ加えてある。

これとはちょっと違うが、ライプニッツという名で知られたドイツの学者がいた。ところが電磁気学の著書等で知られている物理学者の太田浩一さんによれば、これはライブ二ッツと発音すべきだとあるドイツ人の物理学者から指摘があったという。そのせいかある独和辞典にはLeibnizにライブ二ッツとカナで表しておきながら、日本ではライプニッツと言われているとあった。私のドイツ語のクラスの先生であるR氏にいつだったかこのことを質したら、どちらもありだとのことであった。