ドイツ語の先日のクラスでつぎのようなテープの独白があった。
Ich brauche richtige Unterhaltung, ich muss Leute sehen. Deshalb gehe ich oft in meine Stammkneipe. (私はちゃんとした話がしたい、親しい人に会いたい。だからしばしば行きつけの居酒屋へ行く)
この箇所をクラスのメンバーで聞き取って再現をしようとしていたのだが、最後のところを勝手にzu meiner Stammkneipeと前置詞zuが使われていると勝手に思い込んでいた。それでR氏にzuではないと何回も言われてようやくin meine Stammkneipeだと聞き取ることができた。
後で、R氏から日本人の多くの誤解だろうが、どこかに行くというときにzuを使う傾向があるという指摘とそれは慣用表現にはあるが、一般に建物の中に入るときにはinが使われるということを知った(注)。
だが、どうもzur Post gehenだとかzur Bank gehenだとかを知っている私たちとしてはzuを使うような気がするというクラスメンバーの意見がでた。その他にはzum Bahnhof gehenだとかいうような表現があると思う。
一方でins Restaurant gehen, ins Kino gehen, ins Theater gehenのようにinを使う場合も慣用表現にある。in die Schule gehenとか、in die Bibliothek gehenとかいう表現もある。
R氏はひょっとしたら、昔の日本人のドイツ語の先生方が書いたドイツ語の入門書にzuを使う表現が間違って多いのではないかとまで言われたが、その辺の彼の議論まで私は信用しているわけではない。
それはともかく、zuを使うときはその近くとかそこまでは確かに行くのだが、その中には立ら入らないというニュ―アンスだと聞いた。
もちろん上に挙げたようにzuを使ういくつかの慣用表現がある。
ちなみにトイレに行くはauf die Toilette gehenであり、私などはしばしばin die Toilette gehenというが、これは間違いである。
また、辞書には銀行に行くもzur Bank gehenではなく、auf die Bank gehenとなっているので、私の覚えていたzur Bank gehenは間違っているのかなとも思うが、確かではない。
(注)
R氏の言うところではドイツ人にはなんでもnachを使う人もいるという。nach Bahnhofだとかnach Schuleだとかなんでもどこそこへ行くというときに全部nachを使う人がままあるのだという。これはもちろん教養のある人ではないだろうが、そういう話を聞いて言葉というものはいまさらながら難しいものだと思う。
nach Deutschlandとかnach Japanだとか国名の前にnachをつけることが多い。でもin die USAとかin die Schweizとかin die T"urkeiとかはnachを国名の前には使わない。
nach M"unchenだとかnach Berlinとか都市の前も普通はnachである。