渡辺恒雄あとつぎ宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【日銀総裁】「財政法5条但書と日銀法34条」

2008年03月07日 16時45分56秒 | 第169通常会(2008年1月~6月)ガソリン国会



武藤総裁を提示=副総裁に白川、伊藤氏-民主の対応焦点・日銀人事案(時事通信) - goo ニュース

 政府は7日午後、任期満了を19日に迎える福井俊彦日銀総裁の後任人事について、元財務事務次官の武藤敏郎副総裁(64)を昇格させる案を国会に提示した。同時に、副総裁2人の候補として
白川方明元日銀理事(58)と、経済財政諮問会議の民間議員を務める伊藤隆敏東大大学院教授(57)を示した。世界的な金融不安への懸念が増す中、福田康夫首相は、副総裁として福井総裁を5年間支えた武藤氏の実績を評価。金融政策の司令塔役にふさわしいと判断した。(後略)

 ◇

 むこう5年間の日本銀行(BOJ=Bank of Japan)の総裁を選ぶ上で、私は「財政法第5条但し書き」と「日本銀行法第34条3項」の関係に注目しています。

 政局は別として、いつ使うかも別として、この“秘策”は重要だと思う。

 実はこの「秘策」、過去に日本でもやったことがあります。

 昭和初期の二大政党デモクラシー、立憲政友会党首(総裁)も務めた高橋是清が日本銀行総裁だったころ。(歴史的背景はいろいろと違ったり、あるいは似ていたり)

 日本経済の窮地を救う秘策、

 日銀が国債を買い入れる→市中の流動性(おカネ)を増やす

 です。

 「日銀の国債引き受けは財政法で禁じられているのでは?」と反論する人がいるでしょう。

 ところが、今回、財政法と日銀法をよく読んでみました。そうすると、今の法律でも、

 「国会の議決を経た金額の範囲内で~」「~国債の応募又は引受け」 

 ができるじゃないですか!

 程度問題です。綱渡りが伴います。前回は戦費に使われたという現実があります。
 私はそれでも、「日銀の国債引き受け」は検討に値する策だ、と確信しています。

 ◇

〔財政法〕

総務省法律データベースHPから引用
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S22/S22HO034.html

 第五条  すべて、公債の発行については、日本銀行にこれを引き受けさせ、又、借入金の借入については、日本銀行からこれを借り入れてはならない。

 但し、特別の事由がある場合において、国会の議決を経た金額の範囲内では、この限りでない。


〔日本銀行法(日銀法)〕

日銀HPから引用
http://www.boj.or.jp/type/law/bojlaws/bojlaw1.htm

(国に対する貸付け等)
 第34条  日本銀行は、我が国の中央銀行として、前条第1項に規定する業務のほか、国との間で次に掲げる業務を行うことができる。

一   (略)
二     (略)

三   財政法第5条ただし書の規定による国会の議決を経た金額の範囲内において行う国債の応募又は引受け


四   (略)
五   (略)

〔写真は高橋是清元首相、蔵相、日銀総裁〕


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外貨準備高が初の1兆ドル突破

2008年03月07日 13時25分12秒 | 人物

 (このエントリは便宜上、1ドル=100円とします)

【日本の外貨準備高が初めて1兆ドルの大台に】

 久しぶりにグッドニュースです。

 日本の外貨準備高(Japan's forien reserves)が初めて1兆ドルを突破しました。財務省が7日、発表しました。

 中国に先を抜かれたとはいえ、貿易立国・島国ニッポンとしてはすばらしいニュースです。

 よくここまで復興したものです。感慨。

 外貨準備高の増加は、米国債の利回りが上がったことが主因のようです。サブプライム・円高の“おかげ”ですから、手放しで喜べない、という人も多いでしょう。

 でもいいんですよ、1兆ドルなんですから。
 実に良い響きです、「1兆ドル」!
 海外で大手を振って歩けます、1兆ドル。

 報道などを総合・勘案すると、外貨準備高は8割以上、米国債で持っているようです。

【運用利回りは年利4%か?】

 それだけ聞くと、もう少し、勇気を出して(テイク・リスクして)運用してもいいかなとも感じますが・・・

 「平成20年度特別会計書」の173ページによると、

 外為特会の運用収入は4兆252億円を計上しています。
 100兆円もっていて、利子が4兆円。

 ということは、「およそ年利4・0%」で運用しているということだと思います。

 個人的には「こんなもんじゃないかなあ」と思います。

 この数字は、「9割が米国債」という報道、および財務省が「政府系ファンド(SWF)に慎重だ」ということを裏付けています。

 ちなみに、運用益「4兆円」のうち、1兆2886億円を国債整理基金特会に繰り入れるんですね。

 この辺をみても、財務省ってさすがだなあと思います。

 全員がすばらしいわけじゃないけど、財務省の人が日本の金融や財政で、「ここぞ」の一踏ん張りをしてくれることを期待しています。


 ※ 外為特会の正式名称は「外国為替資金特別会計」

 (写真=静岡県富士市HP)

 ◇

日本の外貨準備高、初の1兆ドル突破…中国に次ぎ世界2位(読売新聞) - goo ニュース

 財務省が7日発表した2月末の外貨準備高は1兆79億8100万ドル(約105兆円)に達し、世界では中国に次いで2番目に1兆ドルを突破した。(後略)

 ◇

【AP=International Herald Tribune(IHT)】

Japan foreign reserves surpass US$1 trillion
The Associated PressPublished: March 7, 2008

TOKYO: Japan's foreign reserves surpassed US$1 trillion (€650 billion) for the first time in February, the government said Friday, fueled by a stronger euro and gains in the value of U.S. Treasurys.

Reserves of convertible foreign currencies, gold and International Monetary Fund special drawing rights rose US$11.94 billion (€7.79 billion) from January to US$1.01 trillion (€660 billion), the Ministry of Finance said.

February's result marked the ninth straight month of increases and followed a US$22.68 billion (€14.81 billion) gain in January. China is the only other country with foreign currency reserves of more than $1 trillion.

The strengthening of the euro against the dollar to $1.5179 at the end of February from $1.4861 at the end of January was one of the main reasons for the increase.

The value of Japan's euro-denominated bonds rises as the European currency climbs against its U.S. counterpart because Japan calculates the value of its reserves in dollars.

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【天下り禁止】菅直人の“特効薬” 今国会法案提出へ

2008年03月07日 10時51分19秒 | 第169通常会(2008年1月~6月)ガソリン国会
 菅直人天下り禁止の“特効薬”。

 これは菅さんが前から主張していた持論です。
 少なくとも小泉内閣のときには予算委などで言及していたと思います。

 天下りが多い団体には国の補助金を渡さない。
 →そうすると、天下り役員の存在意義がなくなる。
 →なので、「天下り」がなくなる。

 といういたって簡単な方策(法案?)ですが、実現するには抵抗が多い。
 法案で出してしまえば、おもしろい議論になることはまちがいなし?

 法案作成には憲法22条の職業選択の自由とのかねあいを整理する必要があると思いますが、期待したいですね。

天下り多い団体、補助金禁止に 菅氏が法案化に意欲(朝日)

 2008年03月06日20時05分

 民主党の菅直人代表代行は6日の記者会見で、一定人数以上の公務員の天下りを受け入れた団体に対し、天下りさせた省庁から補助金などの公費支出を禁止し、事業の契約を認めないことを柱とする法案を、今国会中に提出する考えを明らかにした。

 今国会で焦点となっている道路特定財源の見直しをめぐる審議でも、国土交通省の天下り先になっている財団法人が管理・運営する駐車場の利用が低迷している問題などが指摘されている。

 会見で菅氏は「天下りがいかに税金の浪費につながっているかは、審議の中で明らかになっている。浪費をやめさせる法案を準備したい」と語った。
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【春闘】トヨタ労使、ベア1500円は困難か?

2008年03月07日 05時12分41秒 | 人物

トヨタ労使、ベースアップ千円軸に攻防(共同)2008年3月6日 18時10分

 トヨタ自動車の労使は6日、愛知県豊田市の本社で第3回春闘交渉を行った。組合側は一般企業のベースアップ(ベア)に当たる1500円(組合員平均)の賃金改善分をあらためて要求したが、経営側は慎重姿勢を崩さなかった。

 経営側は、好業績を反映して一定のベアについては容認する方向だが、賃上げの幅は前年と同じ1000円を軸とした攻防となっている。

 経営側は、賃上げによる国際競争力の低下のほか、現在の経営環境について、円高、資材価格の高騰などのマイナス要因が増えていることを指摘。渡辺捷昭社長は「当社の賃金は世界最高レベル。国際競争は激しさを増しており、要求に応えることは大変困難」と述べた。

 組合側は「物価高は一時的とは言えない状況で生活への影響を感じている。満額の賃上げは不可欠だ」と反論。経営側が回答する12日までにベアの上積みを目指す。

(共同)
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