3月に入り、いろいろな経済ニュースがあります。
私はこれに注目しました。というより、ちょっと驚きました。
とはいえ、あくまでも個人的な感想です。
そんなに不安がらずに読んでください。
日本人ひとりひとりでみれば、大した話じゃないですよ。
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(3/3)英銀最大手HSBC、サブプライム損失1兆8000億円(日経)
英銀最大手HSBCは3日発表した2007年12月期通期決算で、米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題に関連して、172億ドル(約1兆8000億円)にのぼる評価損・引当金を計上したことを明らかにした。欧州の金融機関では181億ドルのサブプライム関連損失を計上したスイスのUBSに次ぐ損失規模。(後略)
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HSBCとは、香港上海銀行、いわゆる「ホンシャン」。
9年前、香港の観光名所「ビクトリア・ピーク」に行こうとトボトボ歩いていくと、すごいビルがあって、地図を見ると「これがホンシャンの本社かあ!」と印象に残ったのですが、今はロンドンに本社があるそうです。
wikiで確認しましたが、香港で見た建物は「香港上海銀行・香港本店ビル」というそうです。
で、HSBCのサブプライム焦げ付き額に驚いたのは、中国大陸に10支店・2駐在事務所を持っている(wikiの「香港上海銀行」の項)、中国バブルを支える銀行だからです。
昨年末、初めて中国大陸を訪れた際には「中国建設銀行」「中国銀行」「中国工商銀行」など四大商銀の看板をよく見ました。
これとは別に香港株式市場の代表的インデックス「香港ハンセン指数」の「恒生(ハンセン)銀行」の看板を一度見ましたが、同行もいまはHSBCグループなんですね。
これは米国のニュース週刊誌「TIME」で読んだ話です。
ホンシャンは中国大陸の支店でも「HSBC」という看板をメーンに出していて、地元では「なんだかよく分からないが、羽振りのいい人が出入りしているところ」という認識で受け止められているとか。
こういうなかで、ホンシャンは中国バブルを支えてきたのでしょう。
それが念頭にあったので、記事中のホンシャンのサブプライム損失額は想定外に大きくて、これは北京オリンピック後の中国経済失速を暗示しているのではないか、という気がしたのです。
現時点でニューヨーク商品取引所(NYMEX)では、原油(WTI)、金とも史上最高値をつけています。
「100円ショップ」の品物など安価な製品は中国からの輸入がかかせないのが今の日本経済だし、日本人の生活です。
北京五輪後の中国バブル失速は多くの人が予想しています。
好況、不況ではなく、中国経済の変化が激しければ、私たちの生活も変化するのが現状です。
それでも、ホンシャンの純利益(net income)は21%増で、新興市場の伸びがサブプライム損失をカバーして堅調だったようです。
とはいえ、それは世界規模の話であって、日本を中心にすえた上での国際経済を考えると、不安を覚えざるを得ない決算だと思います。
政府は、ちゃんとシミュレーションしているのでしょうか?