当ブログでお伝えした現役最年少町長(34)は週明けの月曜日に所信表明。
来年度の予算案を3月定例町議会(予算議会)にはかります。
当選・就任から2週間、ひたすら走り続けています。
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県内のほかの自治体でも改革への潜在的な渇望があるのではないでしょうか?
彼が風穴をあけたことで、山あいの国に突破口があいたかもしれません。
旧美里町裏金 「元町長に裏切られた」 町議会実態解明へ 住民、驚きと憤り
(2008年3月8日 読売新聞)
旧美里町(現・紀美野町)の裏金問題で7日、さらに約5億4000万円の寄付金がプールされていたことが明らかになり、裏金の合計は約8億2000万円となった。町予算の約4分の1に当たる巨額の公金が、長年にわたって町長の意のままに使われていたことに、山あいの小さな町には驚きと憤りの声が広がった。11日に開会する紀美野町議会は、特別調査委員会の設置も視野に実態解明を目指す。
裏金の存在が発覚してから一夜明けたこの日、段木晃・元美里町長は自宅で取材に応じ、「あくまで町のためにやったこと」と饒舌(じょうぜつ)に繰り返した。700万円を支出した自宅と国道をつなぐ道路の整備についても「自分だけが使う道ではなく、整備前には接触事故もあった」と町益であることを強調した。
紀美野町神野市場の旧美里町役場(現・紀美野町役場神野支所)では、職員らが険しい表情で問題を報じる新聞に見入っていた。段木元町長をよく知るという男性職員は「町長になってから人が変わってしまった。裏切られたような気持ち。町民のために、すべてを明かしてほしい」と話した。
住民からも厳しい声が相次いだ。旧町役場近くの主婦(51)は「なぜ今まで分からなかったのか、という気持ち。いくら『町のため』と言われても信用できない」と語気を強め、別の無職男性(67)も「早く膿(うみ)を出し切って」と注文した。
紀美野町議会では冒頭、寺本光嘉町長が監査委員の報告をもとに、問題の経過を説明する予定。本会議のあと、全員協議会を開き、特別委員会の設置も含めて対応を話し合う。
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町長「裏交際費か」/旧美里町裏金問題
(2008年03月07日 朝日新聞)
2億8千万円を超す旧美里町の裏金。同町の年間の税収に匹敵する金額だ。その大半の使途を元町長の段木晃氏(60)が決めていたという。この「巨額」の裏金は、どうつくられ、どう使われたのか――。不透明な金の流れが明らかになった6日、紀美野町民らに怒りと驚きが広がった。(根本俊太郎、丑田滋)
町や町監査委員によると、裏金は段木氏の2代前の町長の時代から受け継がれてきたものとみられる。工事などで町と利害関係があった業者からの「リベート」のような寄付金を、裏金としてプールしていたと推定されるという。
段木氏は、住民から要望のあった道路や排水溝の整備のほか、町長の「裏交際費」としても使用していたという。
銀行に照合した02~05年の口座記録から、庁内の温泉宿泊施設の宿泊代や宴会代に883万円、ゴルフのプレー代に160万円、中元・歳暮代に430万円が支出されたことが判明。こうした使途について、段木氏は「県職員への接待に使った」と説明、“官官接待”に使ったことを認めているという。
私的流用が疑われる金の使い方も指摘されている。立ち木の補償のために住民に裏金から支払われた700万円が、事業中止で段木氏の口座に払い戻され、自宅と国道を結ぶ道路の建設に充てられた▽転落事故を起こした車の代車購入額を裏金から相手側に支払い、その後の和解で美里町に返還されるべき金額が段木氏の口座に振り込まれた――など。
旧美里町は06年1月、旧野上町と合併し紀美野町になった。裏金の帳簿や通帳は合併前、段木氏の指示で焼却処分されたという。段木氏は同2月の町長選で落選した。
裏金は表面化しなかったが、07年2月に町監査委員が温泉宿泊施設「町ふるさと公社かじか荘」を臨時監査した際、旧美里町に支出の記録がない町の宿泊券購入記録が判明。監査委員の調べに対し、08年1月、段木氏と当時の収入役が裏金について認めたという。
●広がる怒りや驚き/地元の反応
「裏金はあってはならない。発覚した限りは断固として対応する」。紀美野町の寺本光嘉町長は6日の記者会見で力をこめた。「監査委員の報告書を精査したうえで、弁護士や議会と相談しながら関係者の刑事告訴も考えたい」
町議会の美野勝男議長は元旧美里町議。「公金が議会を通らずに使われていたことに怒りを感じる。今後、議会として徹底調査することになるだろう」と述べた。
旧美里町の地域に住む男性(50)は「もう裏金が許される時代ではないので、この機会にウミを出し切ってほしい」と今後の対応に注目する。
市民オンブズマンわかやまの畑中正好事務局長は「やましいことがあるから、帳簿類を破棄したのだろう。元町長の行為は犯罪に近く、町は調査して明らかにするべきだ」と話している。
段木元町長一問一答
――裏金を前任の町長からどう引き継いだのか。
「表に出すな」「一般会計として議会に出すな」と。町益のためであれば自由に使っていいと口頭で言われた。
――何に使ったか。
一番使ったのはかじか荘の改築で、1億円近く。ごみ処理場周辺の土地の購入にも充てた。各地区から道路の舗装や排水設備に関する要望も相当あり、工事費にした。あとは、県職員への官官接待だ。
――3500万円の使途不明金はどう使った。
県職員の昇進祝いや退職の餞別(せんべつ)などに使った。1人5万円以上渡したこともあった。
――なぜ一般会計から支出しなかったのか。
予算が厳しかった。僕にとってはどちらから出しても同じ1億円なので、どうしても裏の方からになった。
――700万円を自宅と国道を結ぶ道路整備に使ったと指摘されている。
あの道は、うちを入れた3軒と奥の田畑を使う3軒が共有で使っている。僕専用ではない。
――選挙目的での使用はなかったか。
それはない。自分の選挙のために使おうという気はなかった。