〔写真は読売新聞・愛媛版
「後期高齢者医療制度について市民に説明する松山市職員(奥)(松山市役所で」〕
【あなたは“後期高齢者”です!--自民党政府】
後期高齢者のみなさ~ん、いかがお過ごしですか?
え、だれのことかって?
それは75歳以上のすべての日本国民です。
え、無礼だって?
そんなこと、私に言われても困りますよ。
「後期高齢者=75歳以上のすべての日本国民」と定義したのは、ほかならぬ権力者、政府・自民党なんですから。
26日付の「しんぶん赤旗」は医師会の話として「差別」「うば捨て山政策」と批判しました。 「医師が、うばすて山とは聞き捨てならぬ」?いや、そうですけど、それは政府・自民党に言ってください。
「75歳以上のお年よりだけで健康保険組合をつくる」
という政府・自民党の制度は4月1日からスタートします。
そうです、来週の火曜日、4月1日です。
民主党、日本共産党、社民党、国民新党、新党日本は26日、憲政記念館で集会を開きました。
民主党の菅直人代表代行は「日本の社会保障の根幹が大きく歪められる制度」と批判。社会保障が充実している北欧の年金制度と比較して、「しっかり保険料を納めることで、しっかりとした医療サービスが受けられる」という透明性が社会保障制度の根幹だと述べました。
75歳以上の“切り離し”について、「ある種の差別的な扱い。これは人間の尊厳を侵す制度だ」と述べました。
共産党の志位委員長、社民党の福島党首、国民新党の自見副代表、新党日本の田中康夫代表も登壇しました。
最後に、
①70歳から74歳の医療費自己負担引き上げは廃止する
②75歳以上の被扶養者約200万人に対する新たな保険料徴収は、廃止する
③保険料の年金からの天引きは止める
④“前期高齢者”の国民健康保険料(税)の年金天引きもやめる
などとした「“後期高齢者”医療制度の廃止を求める決議」を採択しました。
〔“後期高齢者”医療制度の概要〕
wikipediaをご参照ください。ここでは概要だけ引用します。
後期高齢者医療制度は、75歳以上の高齢者などを対象とする他の健康保険とは独立した医療制度です。
「健康保険法等の一部を改正する法律」(平成18年6月21日公布)により従来の老人保健法の題名を「高齢者の医療の確保に関する法律」とし、その内容を全面改正する中で“後期高齢者”医療制度を規定しました。
この間、民主党のほか、日本共産党の高橋千鶴子さん(東北ブロック)、社民党の阿部知子さん(神奈川12区比例)らが、厚労委、予算委などで再三再四、見直しを要求。高橋さんなど涙目のときもありました。
が、ついに導入の日を迎えてしまいます。
後期高齢者医療制度の導入は人間の尊厳(dignity)を無視した政府・自民党の蛮行にほかなりません。
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26日付読売新聞愛媛版によると、松山市役所に“後期高齢者”に関する相談が殺到しているそうです。(抜粋引用します)。
市町窓口に相談殺到 後期高齢者医療制来月スタート(読売・愛媛)
75歳以上の月々の医療保険納付額が変わる「後期高齢者医療制度」が4月1日に導入されるのを前に、県内各市町の窓口に高齢者からの相談が殺到している。(略)
「自分は上がるのか下がるのか」「制度があまりにも分かりにくい」などの混乱を招いているという。(尾崎晃之、山村英隆)
「今ある保険証はどうすればいいの」「自分が支払う保険料はいくらか」
松山市高齢福祉課の電話や窓口には、こうした相談が最近では1日250件にも上っている。職員約30人が総動員で対応しているが、ある職員は「相談が終わったらすぐ次の電話がかかってくる。もう飽和状態に近い」とこぼす。
1983年の老人保健法施行以来となる医療保険制度の大改革に対応するため、県内では昨年2月、各市町が「県後期高齢者医療広域連合」を結成。松山市北条支所に事務所を置いて、各市町から派遣された職員約20人が準備にあたってきた。今月19日には、新しい保険証の交付が始まった。
(略)
だが、足に障害があり、制度の対象となる松山市古川西の無職男性(65)は「チラシなどで見たがあまりに難しく、直接問い合わせようと市役所へ来た。年金でもともと少ない収入から、いくら払うことになるのか」と不満を口にする。(後略)
【参考記事】
後期高齢者医療は「うば捨て山」 青森市医師会が批判 会員に文書
2008年3月26日「しんぶん赤旗」
四月実施予定の後期高齢者医療制度について、青森市医師会(齊藤勝会長)は「医療費削減のために日本国民を七十五歳未満と七十五歳以上で差別し」「粗診粗療ですまして、うば捨て山政策を実行」と批判し、「後期高齢者診療料を算定しない」ことを呼び掛ける文書を、二十五日までに会員に送付しました。(後略)
【追伸】
「自由民主党同志会」をご存じでしょうか。
自民党の大野伴睦副総裁がつくった組織で、通称「院外団」。
自民党の基盤拡大のためには“あらゆることをする”組織で、大胆にも国会議事堂内控室に本部を置いていました。つい最近(おそらく10年前)まで国会議事堂内にいたはずです。院外団の存在こそ、自民党がどういう政党なのか、如実に示しています。
私はこのエントリを書きながら、「まるで真綿で首を絞める“院外団”みたいだなあ」と連想していました。その旨、ここに記します。