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宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。

【マネー】金利が一時“長短逆転”、年度末マネーひっ迫か? 2008.3.26

2008年03月26日 23時58分24秒 | 経済

〔写真は自民党提出のつなぎ法案を強行採決する衆院財務金融委員会=2月〕
=写真と本文は直接の関係はありません

 短期金利(月に1回、日銀が上げ下げを決める「政策金利」)が、
 長期金利(10年後に返す約束でマネーを借りた日本国債の利回り)より高くなる

 という
 “長短逆転”=長期金利と短期金利の逆転現象(wikipedia「長短金利の逆転」参照)が26日の東京市場で一時起きていたことが明らかになりました。

 わたしがきのう(25日)付のエントリ「4月1日ガソリン値下げにもう一つの追い風」で書いた内容の論拠を裏打ちする現象です。とはいえ、とうてい喜ぶようなことではありません。

 報道を総合・分析すると、きのう付で書いたように、地方銀行がマネーを(自分の金庫にあるのに) 出し渋っているのが要因のようです。

 26日付の日経朝刊市況面をみたら、オーバーナイト(翌日物)のコールレートが「0・50%」で、安心しましたが、これは月に1回TVニュースでも流れる「政策金利」のことです。これには「日銀の誘導目標」があるわけですから、日銀が力尽くで押さえつけた結果です。

 ちなみ、日銀総裁空席とこの件は全く関係ないです。だれが総裁でもオペレーションの方法は同じです。むしろ、総理がだれかの方がよほど関係あります。

 共同通信によると、日銀はついに、「28日に1兆円を市場に供給する」、と金融機関などに通知したそうです。この資金の回収は4月1日。このオペで年度をまたげればいいのですが。

 2008年3月26日・水曜日の“長短逆転”がのちのち、
「あれがリセッション(景気後退局面)の入り口だったね」と言われるかもしれません。

 しんどい年度末が続きますね。ふう。


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長短金利が一時逆転・短期一時1.5%台、期末控え急騰(日経)
 26日の金融市場で、一時長短金利の逆転現象が起きた。長期金利の代表的な指標である新発10年物国債利回りが一時、前日比0.035%低い1.215%を付けた。2005年7月以来、約2年8カ月ぶりの水準となる。国内外の景気減速懸念で安全資産の国債を買う動きが強まっている。

 一方、短期金融市場では3月期末越え向け資金取引で一部の外資系金融機関向けの金利が一時、1.5%程度に急騰。通常の0.5%程度から上昇した。一時的だが景気後退入りする可能性を示すとされる長短金利の逆転現象が起きた。(14:06)

金利:短期が一時1.5%まで急騰…「長短逆転」(毎日新聞)

 金融機関が日々の資金を貸し借りする短期金融市場で26日、一部の外資系金融機関向けの貸出金利(無担保コール翌日物)が一時、1.5%まで急騰した。一方、債券市場では国内外の景気先行き懸念を背景に安全資産の国債を買う動きが強まり、長期金利(新発10年物国債利回り)は1.2%台での取引となり、「長短逆転」現象が起きた。

 短期金利急騰の背景には、米低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題の深刻化で、資金の出し手である地銀などが外銀への貸出枠を絞ったり、高金利を要求していることがある。

 さらに、3月末は企業の決算期で資金需要が大きく、地銀などが自らの手元資金を確保するため一段と資金を出し渋ったことが、異常な高金利につながったとみられる。

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