【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

小沢・麻生党首会談は30分間で決裂 

2008年11月18日 08時43分44秒 | 第170臨時会(2008年9月~12月)麻生兵糧攻め

 小沢・麻生会談(党首会談)が30分ほどで終わりました。小沢さんが求めた第2時補正予算案の提出について麻生首相は「最大限努力する」と答えるにとどまり、事実上決裂したようです。

 民主党は役員が党本部で協議しています。

 参加者は小沢一郎代表、鳩山由紀夫幹事長、山岡賢次国会対策委員長、奥村展三役員室長。

 自民党は麻生さんと細田幹事長、河村官房長官。

 小沢さんからの申し出で、小沢さんは「解散より政策」といって追加経済対策を出したのだから、第2次補正予算案をこの臨時国会に提出すべきだと申し入れたものだと思います。当然のことながら、第2次補正予算案の審議に民主党が応じるという条件も提示しようとしていたはずです。小沢さんは最終的には補正成立後の年内解散を説得するところまでねらっていたと私は思います。

【追記① 2008ー11-18 8:30】 

 終盤国会は大政局となってきましたが、毎日1面トップのように「大幅延長」ということはないと思います。

 第44回衆院選後の勢力図では、69条解散はあり得ませんから、「解散に追い込む」ことは不可能です。1958年の話し合い解散は、日本社会党の鈴木茂三郎委員長が内閣不信任案を提出し、趣旨説明をしました。そして、採決前に岸信介首相(自民党総裁)が7条に基づき解散しました。

 ですから「話し合い解散に追い込む」ことはあっても、「野党が首相(与党党首)を解散に追い込む」ことは不可能です。自民党総裁選は来年9月ですから、たとえ清和会が寝返っても麻生総裁を降ろすことは無理だと思います。

 麻生首相の立場になれば、第2次補正は成立させないで、「やるやる“詐欺”」にとどめておく方が都合がいい。わずか2兆円の減税(定額給付金)など景気刺激策としてまったく意味がない。15兆円減税くらいやらないとだめです。15兆円は、外貨準備高(外国為替特別会計)の積立金(今までの利息の残高)を取り崩せばおつりが来ます。2次補正が成立した瞬間に求心力を失います。

 小沢さんはおそらく年越しの資金繰りのメドが立たないのだと思います。最近の表情は、資金繰りに困っている社長のそれに僕には見えます。小沢さんはいまだに、「民主党」を「経世会・自由党」と勘違いしているところがあると思います。小沢さんが幹事長として指揮した1990年の第39回衆院選でさえ、経世会の当選者は69人ですよ。

 当選1~3回の現職で組織する一新会は30人ほどでしょうか。「小沢一郎政治塾」出身者らで組織する「一新会倶楽部」の新人は50人以上いると思います。小沢グループはベテランの山岡国対委員長らも加えると、ひょっとすると100人前後になるかもしれません。

 小沢さんはこのほか、一新会倶楽部メンバーではない、100人近くの新人総支部長も「子分」に思っている節があり、とても良いオヤジさんなのですが、総計200人近くに上ります。

 そうすると、経世会時代の年越し資金(モチ代)の3倍近くのお金が必要です。経世会には竹下、金丸のほか、小渕、橋本らもいましたから、一人あたりの負担としては1・5倍の感覚でしょうか。とはいえ、バブル期の与党(政権政党)の最大派閥(常に会員が首相か党幹事長)の1・5倍はいくら何でもムリです。それに加えて、建物が自己所有で、土地は大蔵省が所有している自民党本部と違い、民主党本部は三宅坂産業さんの三宅坂ビルに入居していますから、担保物件はまるっきりありません。それどころが三宅坂産業さんには7000万円もの敷金を預けています。陸山会の不動産は登記の都合(法人格)があり、小沢さんの個人名義ですが、ローンを組んでいる物件が多いので、おそらくこれ以上の借り入れは難しいのではないでしょうか。まあそこまで知りませんが(^^;)小沢さんのことですから、資金繰りに関する発想が当時とあまり変わっていないと思います。発想の転換が必要です。

【追記② 2009-1-30】
初投稿エントリーの次の部分を訂正します
「民主党本部は三宅坂商事さんの三宅坂ビルに入居していますから」
とあるうち、
「三宅坂商事」は「三宅坂産業」の誤りでした。お詫びして訂正します。(エントリーに出てくる2カ所は直させてもらいました)



 長妻昭さんは『闘う政治 手綱を握って馬に乗れ』を次のように書き出しています。

(引用はじめ)

 はじめに

 35歳、生まれてはじめて献金をいただいたとき、驚き、そして感動した。
 政治家は信用できない職業--。政治家を目指す中で、そんな視線を感じていたからだ。
 まだ当選もしていない自分に献金をくれる。本当に政治に期待している人たちがいる。
 少ない年金の中から「日本をいい国にしてほしい」と献金を振り込む方。「今度こそは日本を変えて」と祈るような気持ちで投票所に足を運ぶ人たち。
 選挙に出て、これほど多くの方々が政治に望みを託している、と実感した。

(引用おわり)

 政党助成金や歳費頼みでは、その人はたんなる国家公務員、役所改革は公務員には任せられません。献金を集められるようになって初めて政治家になるのではないでしょうか。総支部が自前で資金繰りをしなければいけません。さもなければ、「小沢チルドレン」と呼ばれ、当選1回で消えていくことを覚悟すべし。

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ありがとうございましたm(_ _)m
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