【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

チルドレン・三宅雪子さんTV生出演はさすが“合格”

2009年10月14日 13時26分30秒 | マスコミ批評

 テレ朝系「ワイドスクランブル」に連日、民主党議員が出演しています。私は正午きっかりから昼食を摂りたい習慣なのですが、最近は正午前に昼食を済ませて、「NHKニュース」と「ワイドスクランブル」を“チェック”しています。

 新人(小沢チルドレン)では初のスタジオ生出演だと思いますが、群馬4区比例の三宅雪子さんが登場。

 さて、多くの視聴者が持つ「テレビに出て、小沢さんに叱れやしないだろうか」というハラハラを代弁するかのように、山本晋也さんが「小沢さんは怖いですか?」とさすがの質問。

 三宅さんは「こわい時はこわいし、やさしい時はやさしい」と答えました。すばらしい!センスの良さを感じます。それでいてこの質問の時だけ、少しキョロキョロした表情だったので、伝わる人には伝わる物がありました。

 さすが三宅さん、きょうのテレビ出演は100点満点ではないでしょうか。

 オヤッサン(小沢幹事長)はあまり細かい所までチェックしている人ではないので、TV出演をとがめることはないでしょう。「側近」はどうだか知りませんが・・・

 三宅さんは「バッジを付けていると、国会でみんな(衛視さん)が敬礼してくれる」ことに戸惑いを感じていると語りました。これは初登院の日に、他の新人も「これ勘違いしますよね~大丈夫かな」と心配していました。この気持ちいつまでも忘れないで欲しいですね。

 「フジテレビ」の社員だった三宅さん。私は選挙戦中に感じましたが、マスコミ出身議員(候補)は、番組・新聞の作り手が何を求めているか、意図を把握しやすいので、重宝がられるようです。

 三宅さんは第174特別国会で、常任委員会は衆院厚生労働委員会(藤村修委員長)、特別委員会は衆院「テロ特」(石田勝之委員長)の委員を務める予定になっています。

 ちなみに、私もことし7月に初めて知ったのですが、衆院解散の詔書が読まれた後に、本会議場を出すときは、衛視さんはもう敬礼をしてくれないそうですよ。

 tags 小沢一郎民主党幹事長 テロ特((海賊行為への対処並びに国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動等に関する特別委員会)


小沢幹事長、鳩山代表(総理)は役員会に出席しないと発言

2009年10月14日 01時03分25秒 | 第172特別会(2009年9月)鳩山政権発足


 民主党幹事長の小沢一郎さんは13日の党本部の役員会後に記者会見しました。

 この中でひとつ気になったことがありました。

 鳩山由紀夫代表(総理)が13日の役員会に出席しなかったのはなぜか?と問う記者の質問に対して、声を荒げて、

 「もう少し勉強してくれなきゃだめですよ、あんた。鳩山代表は日本国の内閣総理大臣ですよ。その人が一々、党の会合に出てくるわけがないじゃないですか。それどころじゃないでしょう、天下のことをやんなきゃ(いけないんだから)。もうちょっと、基礎的な勉強をしなきゃだめだよ」

 と答えました。

 実は小沢のオヤッサンには痛いところを聞かれると、2つの特徴が出ます。

 ①二人称が「あんた」になる。
 ②声を荒げる。

 ①は昨年11月17日朝突然、麻生首相との党首会談を発表し、その日のうちに首相官邸に乗り込んだ時。この会談で小沢さんは、麻生内閣が発表した景気対策案を補正予算案として年内に国会に提出できないということを明るみにしました。さすがの政局感ですが、この時の同席者は、彼が麻生首相を「あんた」と呼んだことに深い印象を受けたと証言しています。

 ②は代表辞任の記者会見のときに、日テレと契約しているフリーのN記者から「議員辞職はしないのか?」と問われ、声を荒げました。このやりとりについて、民主党内では「バカな質問だ」とN記者を非難する声が上がりましたが、TVジャーナリズムとしては、彼が興奮する様子を撮影できたわけで、ヒット質問と言えます。

 というわけで、「あんた」「声を荒げる」の2つの要素が噛み合うと、オヤッサンの本音が出る、痛いところを突かれたという深層心理がある可能性があります。

 橋本龍太郎首相(自民党総裁)の番記者をしていたとき、国会内3階の自民党総裁室で開かれる自民党役員会に毎回出席したり、冒頭あいさつだけして退席したりする様子を見てきました。加藤紘一幹事長の時代です。

 そこで改めて、新聞データベースを調べて初めて知りました。海部俊樹首相(自民党総裁)・小沢一郎幹事長だった時代、海部総裁は自民党の役員会に出席していなかったようです。自民党役員会にふれた記事はどれも、「西岡武夫総務会長が~」「議院運営委員会筆頭理事が~」というようになっていますし、首相動静にも出てきません。

 とはいえ、民主党代表は鳩山さんです。民主党代表兼内閣総理大臣です。

 鳩山代表は両院議員総会で選ばれ、鳩山首相は国会の本会議で選ばれ、天皇陛下が任命しています。

 小沢幹事長は鳩山代表から指名され、両院議員総会の拍手で了承を得ただけです。それでいて、小沢幹事長は役員会メンバーを輿石東・幹事長職務代行と2人で相談して決めたとしています。

 そうなると、民主党幹事長としての正統性はそんなに高くない。年間200億円の党予算の配分を決め随意契約し、国会法改正案を臨時国会に提出するかどうかの差配をするほどの権力者とは言えないでしょう。もちろん、党首と幹事長を別々に選挙で選んで失敗したのが、新進党の「海部党首・小沢幹事長」体制であって、幹事長を選挙するのは間違いです。

 小沢さんは、首相が党役員会に出席しているケースが多いということを知らないのだと思います。彼にあまり深い考えがあるわけではないでしょうが、民主党役員会を国会内役員室で開き、鳩山代表に冒頭だけ出席してもらった方が、幹事長としての正統性も高まります。

 彼の考えを深掘りしていくと訳が分からなくなるので、もう止めます。

 小沢さん特有のあいまいさが出たと軽く受け流しても大丈夫かも知れませんが、「あんた」と「声を荒げる」という2つの危険要素が出ましたので、念のため、書き記しておきたいと思います。