【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

小沢執行部スタート、党本部は参院ベテラン重視の布陣に

2009年10月08日 20時32分21秒 | 第22回参院選(2010年7月11日)反省の夏

 民主党の小沢一郎幹事長は7日記者会見し、役員会メンバーと幹事長室メンバーを発表しました。小沢さんは鳩山由紀夫代表(総理)から任されたとして、鳩山さんには相談せず、輿石東参院議員会長と相談して決めたと述べました。政府と党の一元化をめざす小沢さんの国会改革の思想が感じ取れました。

 読者の方からコメントもいただいていますが、参院選での単独過半数を絶対的な目標として、この執行部が責任を持つ、だめなら7月末に総退陣する、というハッキリした布陣として評価すべきかも知れません。

 メンバー発表後はしばらくためらいましたが、小沢さんとしては党本部は第22回参院選を勝つというワンテーマに絞った闘う集団にしたと考えられるでしょう。

 連合出身者が総評系に偏っている、副幹事長に側近が多いという問題点があると思いますが、いずれにしろ、無役の議員も、来夏の参院選後には内閣改造があるでしょうし、9月には代表の任期切れを迎えますから、内閣や党執行部入りのチャンスはまだまだあります。

 一部報道で「5月の代表選で鳩山候補に投票しなかった人が遠ざけられた」との観測があります。そこで、現時点で、内閣、国会、党の役職が決まっていない「無役」の国会議員を書き出してみたところ、衆院では14回生~4回生までおよそ24人、参院では4回生~2回生までおよそ12人いるようです。この中にも、衆院4回生の黄川田徹さん、参院2回生の岩本司さん、森裕子さんら小沢さんに近い議員も含まれています。特に衆院では、鳩山グループ(実現する会)の中堅クラス、特に捲土重来組が人材としてダブついている印象があります。

 入閣した中井洽さんが務めていた「常任幹事会議長」の後がまですが、党規約第8条8項で「常任幹事会議長は、国会議員の中から代表が選任し、大会または両院議員総会の承認を得る」となっていますので、国会召集日前後の両院議員総会の場で鳩山代表が発表することになるのではないでしょうか。

 佐藤泰介・財務委員長は来夏の参院選に出馬せず引退することを表明しています。2010年の民主党予算は200億円規模になります。1月~12月に執行し、2011年3月31日までに総務省に政治資金収支報告書や政党交付金使途等報告書を提出することになります。最後までやるのか、途中で引き継ぐのか分かりませんが、民主党本部の200億円は公金です。例えば、党本部の実力者が我が物顔で現金を配ったり、副幹事長の親戚が経営する自動車整備会社に優先的に発注したりすることがないよう、もう引退するのなら怖い物がないのですから、しっかり睨みを利かせて、参院選でバシッと気持ちよく使って欲しいと思います。
 
【役員会】
幹事長
 小沢一郎(岩手4区・14期)
幹事長職務代行
 輿石 東(参院山梨・2期・改選)
財務委員長
 佐藤泰介(参院愛知・2期・改選→引退表明)
選挙対策委員長
 石井 一(参院比例・1期・非改選)
広報委員長国民運動委員長
 小川敏夫(参院東京・改選)
総務委員長
 奥村展三(滋賀4区・3期)
組織委員長企業団体委員長
 細野豪志(静岡5区・4期)
参院幹事長
 高嶋良充 参院比例・改選)
国会対策委員長
 山岡賢次(栃木4区・5期)
参院国会対策委員長
 平田健二(参院岐阜・3期・非改選)

【幹事長室】
幹事長
 小沢一郎
幹事長職務代行
 輿石 東
筆頭副幹事長
 高嶋良充
副幹事長
 伴野 豊(愛知8区・4期) 
 細野豪志 
 生方幸夫(千葉6区・4期) 
 吉田 治(大阪4区・4期) 
 阿久津幸彦(東京24区・3期)
 樋高 剛 (神奈川18区・3期) 
 青木 愛 (東京12区・2期)
 一川保夫(参院石川・1期・非改選)
 広野允士(参院比例・2期・非改選)
 山根隆治(参院埼玉・2期・非改選)
 今野 東(参院比例・1期・非改選)
 富岡由紀夫(参院群馬・1期・改選)
 佐藤公治(参院広島・1期・非改選)

 ※期数は現在所属の院で当選回数のみ

民主党ニュース:小沢幹事長が役員会メンバーを発表 記者会見で


衆院国交委員長、「臨時国会で補正凍結を審議」との方針示す

2009年10月08日 13時19分39秒 | 第173臨時会(2009年10~12月)政治主導
 衆議院(横路孝弘議長)の川内博史・国土交通委員長は、8日のテレ朝番組「ワイドスクランブル」で、2・5兆円~3兆円の補正予算の執行停止について、第173臨時国会の国土交通委員会で審議したいとの考えを示しました。

 国交省政務三役(チーム前原)は、2009年度第1次補正予算のうち、8875億円を執行停止する案をまとめています。

 これについて、川内委員長は「8875億円という金額だけでなく、中身を知りたい、(国交委で)議論したい」と述べました。

 鳩山総理は2009年度第2次補正予算案を来年の第174通常国会に提出する考えを述べています。この場合、「補正凍結」を閣議決定しても、国会に減額補正の予算書が示されるのは来年1月~2月ということになります。そうすると、秋の臨時国会には、予算案・法案がないので、「補正凍結」については、大臣所信表明演説に対する一般質疑を利用する以外には、議論できない、ということになる可能性が濃厚です。

 ですから、通常国会に審議を先送りすると、衆院の各常任委員会は1月~2月末日の短期間に「今年度の減額補正→来年度の当初予算案」を審議しなければいけないことになります。これからは副大臣や政務官も答弁に立ちますから、審議日数は確保しやすくなりますが、委員会の“審議の流れ”の作り方が難しくなると予想されます。

 川内発言は、秋の臨時国会のうちに、2兆5000億円~3兆円に及ぶ執行停止の内容について、各常任委員会で議論した方がスムーズな国会運営が図れるとの逆算に基づく発言だと思われます。

 川内さんは「自民党より前に民主党が審議する」と述べました。これは「民主党政権vs民主党議員」が国会をリードすることで、来夏の参院選に向けて、民主党主導の政局を持続したいとの思惑も透けて見えます。

 スタジオ内の出演者から「民主党には、ゴタゴタも含めて、より一層、国民に情報公開してほしい」との声が上がると、川内委員長は「(国会審議で)数字を出していくことで、国民のみなさんに公共事業とはどういうものか、知っていただきたい」と述べ、全国民に開かれた国会を使うことで、民主党の世直しを広くアピールしたい、との考えを強調しました。

参院補選(神奈川・静岡)告示、10月25日投開票

2009年10月08日 10時56分27秒 | 第22回参院選(2010年7月11日)反省の夏
[写真]10月25日投票の参院補選の民主党公認・国民新党推薦の金子洋一候補(神奈川)=左、と土田博和候補(静岡)

 政権交代後初の国政選挙となる、参院補欠選挙がきょう(8日)告示されました。補欠選挙は憲法第7条「天皇の国事行為」ではないので、「公示」ではなく、「告示」と言います。

 民主党公認・国民新党推薦では、神奈川選挙区は元内閣府職員の金子洋一候補(47)、静岡選挙区では医療法人理事長の土田博和候補(59)が立候補を届け出ました。自民党、日本共産党、幸福実現党も立候補しています(各党の候補者名は下の新聞記事でご確認下さい)。

 神奈川・静岡は東海道沿い箱根の関所を挟んで隣り合う地域。補選はいつも組織の闘いですから、しっかりていねいに力を結集して2勝したいところです。両方勝てば、民主党会派は120人となり、民主党に近いとされる無所属(沖縄の糸数さん、東京の川田さん)2議員を加えると、122議席となり、社民党(5議席)を除いても、参院過半数に達します。民主党・国民新党・新党日本で参院過半数ということで、連立を組む社民党への気兼ねから党の責任ある立場の人は、言いづらいのですが、ここはやはり2勝したい。

 任期は来夏までと短く、当選者は第22回参院選に再び臨まなければなりません。

 神奈川は定数3で千葉景子法相も改選を迎えますが、民主党は結党以来2議席をとってきていますから、オール神奈川で力を結集したいところ。とくに日本の高度成長・安定成長を支えてきた「官庁エコノミスト」は民間枠で数人閣僚になっていますが、国会議員は少ないと思います。私の知る限りでは、経済企画庁出身の国会議員というのはいなかったと思います。金子洋一さんは当ブログにもリンク・コメントをよくいただいておりました。ぜひ金子さんの背中を押していただきたく存じます。

 定数2の静岡選挙区は、来夏、藤本祐司・国土交通大臣政務官も改選となります。藤本後援会の方は「複雑な心境だ」というところでしょう。が、自民党候補は日本医師会出身の元比例代表議員の息子です。まさに55年体制を象徴する元参院議員の世襲です。一方、民主党候補は他県出身ながら、静岡でお医者さんをやり、医療法人を設立した人ですから、医療改革の即戦力。日本の進路を占う分かりやすい対立軸が示された選挙です。静岡県は今年大型選挙が集中し、かなり選挙疲れがあると思います。私もこの1年、たびたび静岡県を訪問し、遊説やポスティングのお手伝いもしましたが、政治意識(民度)の高さに感心することしきり。日本一かも知れません。ぜひ選挙イヤー、歴史に残る政権交代「2009年」の締めくくりとして、社会保障のあるべき道筋を投票で全国に示していただきたいと思います。

asahi.com(朝日新聞社):参院補選告示 神奈川、静岡に各4人立候補 - 政治

 鳩山政権誕生後、初の国政選挙となる神奈川と静岡の参院補欠選挙(被選挙数は各1)が8日、告示された。両選挙区にそれぞれ4人が立候補を届け出た。いずれも25日に投票、即日開票される。

 民主は神奈川で元内閣府職員の金子洋一氏(47)、静岡で医療法人理事長の土田博和氏(59)を立てた。

 自民は神奈川で元横浜市議の角田宏子氏(42)、静岡で大学非常勤講師の岩井茂樹氏(41)が立候補を届け出た。

 共産は神奈川で元赤旗記者の岡田政彦氏(43)、静岡で元衆院議員の平賀高成氏(55)を擁立。

 幸福は神奈川で党役員の加藤文康氏(47)、静岡で党役員の矢内筆勝氏(48)がそれぞれ立候補を届け出た。

 公明は両選挙区とも自主投票にする方針。

 今回の補選は、神奈川選挙区で民主の浅尾慶一郎前参院議員(現・みんなの党衆院議員)が8月の衆院選に立候補し、静岡選挙区で自民の坂本由紀子前参院議員が7月の知事選に立候補したことに伴い、実施される。任期は来年夏の参院選まで。