渡辺恒雄あとつぎ宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

行政刷新会議事業仕分けチーム、小沢幹事長「不快感」で中断

2009年10月24日 12時34分53秒 | 第172特別会(2009年9月)鳩山政権発足
 行政刷新会議(鳩山議長、仙谷副議長)の事業仕分けチーム(枝野幸男統括)が23日午後、予定していた会合を取りやめるというハプニングが起きました。

 ゆうべ(23日夜)、「一国民」さんから次のようなコメントをいただいています。民主党ファンの間では、懸念が広がっています。

(コメント欄から引用)

http://blog.goo.ne.jp/kokkai-blog/e/4c8801f5cc6f89c7b56e65c8757e26ec#comment-list

小沢幹事長が、新人議員には「事業仕分け」には参加しなくていいから選挙区に帰って選挙運動をするように指示した、との報道がされています。

小沢幹事長にはいくらかの疑問があります。

1)日曜の「サンプロ」などのTV政治番組に出演して、自民党の幹事長との公開討論などを行おうとの姿勢がない。政権交代をなしとげた与党の幹事長として少しおかしい。(N事件の影響か?)
要するに、反小沢派大臣の多い鳩山政権の政策推進を側面から支援する気はないが、選挙には最大限注力して自分の支配下の議員を増やすという姿勢のようです。

これは、正道ではないように思われます・・・

(引用おわり)

 私が異変に気付いたのは、統括役の枝野幸男さんの事務所が23日午前に「週末に2つのテレビ番組に出演します」というメルマガを送りながら、午後8時過ぎに「本日ご連絡の以下の2番組への枝野の出演が、諸事情により急遽中止となりました。お詫びし、ご連絡申し上げます」というメルマガを送ってきたことです。

 その後、23日午前11時過ぎに小沢側近の国対副委員長が一年生議員に「会合への出席を見合わせて欲しい」と要請する電話が入っていたことが報じられました。電話に対して反発を見せた議員もいたようです。

 小沢側近の動きには疑問点があります。チーム発足前日に準備会合を国会図書館議員専用室で開いたのは21日午後です。多くの報道陣が詰めかけていました。そこから2日間近く経って、鳩山総理(代表)の了承も得てから、小沢幹事長側の横やりが入ったことです。小沢側近は党内情報収集能力が長けているとされているのに、時間がかかりすぎです。

 小沢側近の党内情報収集というのは、議員連盟設立、勉強会発足などという場合に、小沢さんに近い議員が出席して、そのようすを小沢さんに報告しているということはよくあるようです。朝、ケータイに電話がかかってきて出席を指示されることもあるようですが、先輩側近から後輩側近へ指示が回ることもあるようです。このような党内情報収集力では小沢さんは圧倒的な存在のようです。また小沢さんは複数のルートで情報を確認する習性があるので、情報は正確だと言われています。ところがいかんせん、「側近」が偏っているので、情報全体が偏っていることはよくあることのように、私はみていました。

 報道に出てからの2日間のタイムラグ。小沢さんの「不快感」を聞いた側近が国対に連絡などをしていて生じたのかもしれません。

 今回の人選は仙谷由人行政刷新相の下、内閣府のチームで内々に進められていましたので、小沢さんに情報が届いたのが21日近くだった可能性は高いと思います。仙谷さんは今年春頃のTBS「日曜討論」で「民由合併後に小沢さんと話したことはほとんどない」ことを明かしています。仙谷大臣と小沢幹事長が個別に連絡をとったということはおそらくないと推測されます。

 平成22年度(2010年度)予算の概算要求の削り込みは財務省主計局がやって、事業仕分けチームは、もう少し長い期間を見て、特別会計、公益法人の財務諸表など幅広くやっていくイメージを持っていたので、仙谷大臣、平野博文官房長官の調整のもと、正常化を期待したいと思います。

 小沢側近情報では、小沢さんは事業仕分けなど一年生議員にできるか、という趣旨の発言をしたようですが、しがらみがない分、十分できると思います。法案が出ない予定の委員会の審議よりも、事業仕分けをしらみつぶしにやった方が議員としての能力も鍛えられると思います。というのは、与野党老壮青問わず、予算書を読み込んでいる国会議員は極めて少ないという実態があるからです。

 正直、私も現時点でどういう状況にあるか分からないのですが、ただし、委員会理事に抜擢されている一年生議員は11月中の活動両立は難しい面があるのは事実だと思います。

 新人が草刈り場と化していて、どの会議に出席して良いか、悩むところだと思います。国対としても対応に苦慮している面もあると思います。新人への指示についても、各省政策会議に出たら、地元に帰って活動報告をしなさい、という指導をしている班長(国対副委員長)もいるようです。

 しかし、総選挙前は、当選1~3回生辺りは部門会議に出席すると、質問する時も、「私はあす、地元で200人規模の国政報告会をやるので、そのネタ作りのためにも質問したいのですが~~」と切り出すような「日常活動やってます」アピールをしないと質問しずらい雰囲気がありました。

 「各省政策会議」も国会での委員会が始まれば担当に関する内容は必然的に頭に入ってくるでしょう。それでいて、委員長・筆頭理事主催の「質問等研究会」にはあまり出るな、という指導をしている班長もいるようです。つまり、ダブルスタンダードだということです。

 よく分からないことが多いのですが、民主党コア支持者の注目が高い案件だけに、今後の火種になる可能性があり、心配されますが、新人はけっこう気丈に振る舞っているように見受けられます。

時事ドットコム:行政刷新チームが突如取りやめ=小沢幹事長が横やり?

 行政刷新会議の作業チームが23日午後、予定していた会合を取りやめた。民主党の枝野幸男元政調会長を中心に2010年度予算概算要求の内容を洗い出す「事業仕分け」を進めるはずだった。中止の背景として、枝野氏らが政府の肩書きを持たずに参加していることに小沢一郎幹事長が快く思わず、「政策決定の内閣への一元化に反する」と横やりを入れたとの見方が出ている。
 作業チームは午前中は予定通り開いていた。関係者によると、そこに小沢氏に近い衆院議員から若手メンバーに対し、会合には出席しないようにと連絡が入った。これを受け、午後の会合は中止になったという。
 来週以降の日程も白紙で、平野博文官房長官が当選1回の衆院議員をメンバーから外す方向で調整することになった。
 混乱の要因に関し、党幹部の一人は「小沢氏への『こういう与党議員を使いたい』という根回しが不十分だったのではないか」と指摘する。事業仕分けは、仙谷由人行政刷新担当相や枝野氏など、小沢氏と距離を置く議員が中心となっており、「小沢氏が『自分の支配下議員に勝手に手を出すな』とけん制したのではないか」(参院関係者)との憶測も出ている。(2009/10/24-01:02)

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