ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

渡部恒三さん「男が自分のことで泣くようになったら終わりだな」「小沢君はかわいそう」

2010年10月10日 06時46分33秒 | 第176臨時国会(2010年10月)熟議
 民主党最高顧問に復帰した渡部恒三さんは、10日放送のTBS「時事放談」で、小沢一郎氏が強制起訴が決まりながら、離党も議員辞職もしない意向を示していることについて、「男は他人様(ひとさま)のことで泣くならいいけど、自分のことで泣くようになったら終わりだな」と述べました。恒三さんは、小沢一郎氏は以前は涙なんかは一切出さない男だったと指摘し、小沢氏の変貌ぶりに「かわいそう」と同情しました。そのうえで、恒三さんは「自分のことよりも、党のこと。党のことよりも国のこと(が大事だ)。国のことがダメだったら、渡部恒三なんてあした死んでもいいんだ(という心構えでいる)」とし、そういう心構えが小沢氏にないと批判しました。

 恒三さんは「今は景気対策が大事だ」として、小沢問題は国会での野党の出方を見ながら対応すればよくいいとして、「今はまだその時期ではない」と、離党勧告や除籍にはタイミングが早いとの長老の見立てを示しました。コロンビア大学教授で、古川元久さん、小泉進次郎さんらの師匠で知られるジェラルド・カーチス教授は「離党するのなら分かるが、離党しないと言っても、裁判には1~2年(以上)もかかるでしょう。たぶん日本人の多くはスッキリしていない」と世論を読みました。

 司会の御厨貴さんから「アメリカの例はどうですか?」と聞かれたカーチスさんは、「アメリカでもいろいろなケースがあるんですよ」としながら、議員辞職する人は次の選挙で落選する可能性が高くなった人だと指摘し、「岩手の有権者が彼を(第46回衆院選でも小沢一郎氏を)選ぶんだったら、辞めないのも一理ありますよ」と理解を示しました。ただ、「離党するのは常識だが、離党しなければ除名(除籍)するかという問題なんですよとして、「小沢さんはもう権力がないでしょう。裏で操ったりということはもうないでしょう」と指摘し、日本政治は小沢問題よりも景気対策、日中関係などに注力して、前に進むべきだとの認識を強調しました。

 カーチス教授は番組の最後に菅直人さんに対して、「原稿を読まないで、テレビに向かってハッキリと国民に語りかけて欲しい」として、向こう2年間の安定した政権基盤をいかすために、野党に協力を呼び掛けるばかりでなく、国民に直接語りかけるリーダーシップを求めました。

 10月6日(水)、7日(木)、8日(金)の衆参本会議での国務大臣の所信表明に対する代表質問で、菅直人さんは、小沢一郎氏の処遇については、民主党幹事長の岡田克也さんに預けることを内外に表明しています。
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