宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

岡田幹事長、党資金の現金渡しを廃止

2010年10月14日 17時22分56秒 | 岡田克也、旅の途中
 民主党幹事長の岡田克也さんは、14日、党本部で記者会見し、「変な話ですが・・・」とことわったうえで、議員や地方組織代表者などへの活動資金の決済について、「今後は(銀行)振り込みでやります。きちんと記録が残るように」と述べ、現金での手渡しを止めることを表明しました。第22回参院選の直前に、菅直人代表になってから、前執行部(小沢一郎幹事長)が止めていた7つほどの県連活動費を選挙間近ということで、緊急に手渡したことがありますが、岡田幹事長の下では現金手渡しはなくなることになります。

 現金手渡しに関しては、2009年7月21日の衆議院解散当日に、前職候補者に次ぎ、新人・元職候補者を東京に呼び寄せて公認証を渡した際、上階の会議室に上げ、選対職員が新人候補者に「太ったんじゃない?」「あれ、痩せた?」などとメンタルを刺激する発言をした上で、他の職員が500万円の現金を目の前で剥き出しにし、「入れときますよ」と言ってカバンに詰め、これから選挙を闘うのにストレスが溜まったとの苦情が出ていました。また受け取った時点で午後3時を過ぎており、東京に不慣れな新人候補者は銀行の場所も分からないし、ATMじゃいっぺんに入れられないし、かといって、500万円を持って新幹線や飛行機を使って数時間もかけて帰省するのは気が重い。党本部の隣の全国町村会館に郵便局があるので、ここを使えば良かったんですが、知っている人は霞が関・議員秘書出身者など一部でしょう。

 このときの経験が、小沢一郎氏のマインド・コントロールにつながっているとの指摘が出ていました。渡部恒三さんは代表選直前の2010年8月29日放送のTBS「時事放談」で、「新しく当選した人たちは純情で素晴らしいんですよ。(小沢)ガールズなんて言われているくらいなんだから。党からもらった公認料を小沢君からもらったと錯覚ししているかわいらしい人がいっぱいいるんですよ」と指摘し、司会の御厨貴・東大教授もどうやら何か訳知りのようで、苦笑いしながら大きく頷きました。ちなみにこの7月21日の党本部では、福田衣里子さんは代理の方が来ていて、これだけは妙にホッとしました。もうこういうことは止めましょう。仮に岡田さんが同じことをすれば、岡田さんの求心力が高まるわけですが、こういうことを断ち切れる幹事長として、菅さんが岡田さんを選んだのはベストの判断だったでしょう。岡田さんは先週、石川3区(総支部長・近藤和也衆院議員)を訪れた際に、「輪島塗のお椀を5万3000円で買う羽目になったのは誤算だった」と笑わせながらも、「一生使うと思えば、高くない」と述べ、育ちの良さを隠せませんでした。このほか、「一回生の先生に幹事長補佐という役職についてもらうことを検討している」と表明しました。

 また特定の人物に渡しきりで領収書がいらない「組織対策費」を廃止することや、決裁者を財務委員長(現在は長浜博行・参院議員)だけでなく、一定額を超えると幹事長代理(現在は枝野幸男さん)、さらに一定額を超えると幹事長が決済するシステムに改めることを検討していると表明しました。

 岡田幹事長が「ねじれ国会でのプライオリティ(優先順位)が低い」として、すぐに手を付ける必要がないとしている「党綱領の策定」に関して、前日、菅代表(総理)が野党の質問に答える格好で、前向きな姿勢を示したことについて、「(菅さんとの)世代の違いかな」とポツリと述べ、会場内の笑いを誘いました。

 人事院総裁の江利川毅さん(昭和45年厚生省入省)が「ごあいさつしたい」ということで、「知らない人ではないのでお会いしました」ものの、江利川総裁が分厚い資料を取り出し、説明しようとし出したので、「私はちょっと幹事長になってから(政策面の)細かいことを頭が受け付けない」として、「読んでおきますと言って、資料を受け取って、お引き取り頂きました」と、幹事長職のペースをつかみだしたことをうかがわせる答えを連発しました。今政治に求められていることは、なによりも安定です。 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

連合会長の古賀さん、公明党は「選挙を一緒にやってきた仲だ」「違和感はない」 新進党の原点に立ち返ろう

2010年10月14日 13時55分50秒 | 第176臨時国会(2010年10月)熟議
[画像]BSフジ「プライムニュース」に出演した連合会長の古賀伸明さん(これは3月に出演時のもの)

 BSフジ「プライムニュース」に3月の春闘に続き、連合会長の古賀伸明さんが登場しました。フジテレビの反町理政治部長、八木亜希子アナウンサーとみっちり2時間、雇用のあり方についてトークしました。途中、日経CNBCの桜井充・財務副大臣(民主党)、斉藤鉄夫・公明党幹事長代行、野上浩太郎・シャドウキャビネット財務副大臣(自民党)の討論を聞いていたのですが、新聞記事になった部分は、見ていました。ちなみに、拙宅では、ケーブルテレビは居間だけで見られて、書斎は、地上波アナログとスカパー!なので、来年7月24日までに、ケーブルテレビの工事(2万円ぐらい?)をして、その後は月会費が2台目ということで、2000円くらいプラスになっちゃいますね(>_<)。まあしょうがない。

 民主党最強応援団長の古賀さんは、公明党について、「野党時代に選挙を一緒にやってきた仲だ」と新進党時代を思い出しながら、「違和感はない。政策的にも過去から自民党より近い」と述べました。

 古賀さんは、電機連合・パナソニック労組の出身。電機連合は大阪が牙城です。第41回衆院選で、大阪府の全19小選挙区では、新進党は15勝、無所属の平野博文さんを含めると、16勝3敗でした。15議員のうち、旧公明党が5議員、民社協会が2議員(中野寛成さん、西村眞悟さん)、日本新党出身2議員(藤村修さん、樽床伸二さん)、旧新生党も2議員(左藤章さん、西野陽さん=現在は自民党)が当選しました。なかでも、大阪13区では自民党の塩川正十郎さんが総務会長でありながら、落選し、旧新生党出身の西野陽さん(現在は自民党)が勝ちました。新進党大阪府連は各党の相乗効果(シナジー)が最高の新進党王国となりました。あわてた与党は選挙後に、当時政界の最高実力者だった自民党最高顧問の竹下登元首相が大阪出張し、「大阪は日本じゃないという噂があるわな」と述べ、総理経験者自ら予算での締め付けを宣言した、とされています。

 で、なぜ新進党大阪府連がこれだけ強かったかというと、連合も創価学会も庶民の味方だからだと思うんですね。連合は、正社員クラブとも呼ばれますが、大企業本社正社員だって“奴隷”です。仮に年収が2倍なら、会社と自分との“奴隷度”も2倍ということです。連合も公明党もともに、弱い人の味方ですから庶民の街・大阪で新進党が受けたのでしょう。しかし、1997年12月、小沢一郎氏が突然、新進党を解党してしまい、大阪に長い冬がやってきてました。電機連合の三洋も、いや「世界のSANYO」も消えていこうとしています。大阪経済には、いまだ雪解けの兆しはありません。もしも、新進党が残っていれば・・・というのはもう止めておきましょう。

 古賀さんも民公連携の背中を押しています。もう流れは止められません。民主党は誘い上手の菅さんを筆頭に積極的に公明党さんをデートに誘いましょう。公明党さんがどこまで焦らすかという問題になりつつありますが、(笑)、ていねいに実績を積み重ねていけば、道は必ず拓けます。民主党も公明党も日本をよくするための一つの道具に過ぎないのですから。国民や庶民が今イチバン政治に望んでいることは何でしょう? それは政治と生活の安定です。

 さあ、政権交代可能な二大政党デモクラシー、そして、自民党よりは弱い方々の味方をめざした新進党の志の原点に立ち戻りましょう。

 団結、ガンバロー!

公明と連携「違和感ない」 連合会長  :日本経済新聞


 連合の古賀伸明会長は12日夜、BSフジ番組で、民主党と公明党との連携について「野党時代に選挙を一緒にやってきた仲だ。違和感はない。政策的にも過去から自民党より近い」と期待を示した。同時に「公明党は自公政権として10年間やってきた。そう簡単に組むことはないだろう」と、一気に連立政権に進むことはないとの見通しも示した。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小宮山洋子・厚生労働副大臣が答弁 

2010年10月14日 13時18分10秒 | 第176臨時国会(2010年10月)熟議
(このエントリーの初投稿日時は2010年10月14日 午後1時)
連日、国会審議が続いていますので、エントリーの投稿順は前後します。後から、エントリー日時を調整します。

【参院予算委員会 2010年10月14日】

 参院予算委員会は、前田武志さんが委員長となり、きょうから質疑が始まっています。

 自民党の林芳正元経財相の質問に対して、菅改造内閣で、厚生労働副大臣に就任した小宮山洋子さんが答弁。子ども手当の制度設計者の一人として、子ども手当の本来の狙いは「控除から手当へ」の税制改正だという本質を改めて強調しました。この辺は、誤解している方の方が多いですから、改めてマニフェストの原点を確認して頂きたいと思います。

 この基本的考え方を具現化した政策なので、所得制限は絶対にあり得ないとの見解を政府として重ねて示し、子への扶養控除の廃止に加えて、ゆくゆくは配偶者控除の廃止で財源をつくっていき、社会全体で子育てをする環境を整えたいとの考えを示しました。子ども手当の恒久法案提出に意欲を示しました。

 小宮山さんはNHKアナウンサーから、同局史上初めて、NHK解説委員に昇進。現在の道傳愛子さんの先輩になります。メリハリが必要なテレビ育ちゆえか、「圧倒的に」という言葉が口癖なのですが、不安と先行き不透明感が支配する2010年、その笑顔が与える安定感のために、「圧倒的に」は心の中にとどめていただき、歳出に占める比重が圧倒的になった厚生行政のスポークスマンとして重責を果たしてほしいと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする