【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

川内博史さん、赤いふんどし姿で水浴び反省、参院出馬示唆 山尾しおりさん「組織として力量不足」

2013年01月05日 17時54分08秒 | 第23回参院選(2013年7月)二番底

[写真]元旦に水行をする、川内博史・前民主党衆院議員(鹿児島1区総支部長)、2013年1月5日放送のTBS「みのもんたのサタデーずばっと」、筆者撮影。

 2013年1月5日放送のTBS「みのもんたのサタデーずばっと」は、落選総支部長3人を含む、民主党5人が登場。野党期の民主党が5人も登場したのは初めてで、ありがたいことです。政権交代可能な二大政党政治のためには、国会にいない総支部長もどんどん起用してほしいし、視聴者も番組制作者の心意気に応じるべきでしょう。

 この中で、鹿児島1区で落選した川内博史前衆院議員の年末年始の様子がビデオ放映され、川内さん(隊長)が電話出演しました。

 

 ご覧のように赤いふんどし姿で水を浴びる隊長。20年間やっているそうです。この中で、支援者の方から「残念だったな。参院選に出るの?」と声をかけられた川内隊長は「またいろいろ考えて。みなさんと相談しながら」と語り、第23回参院選(ことし7月)の鹿児島選挙区への出馬に含みを残しました。鹿児島選挙区は今は1人区となっていますが、第21回参院選では自民党に0・3ポイント差まで迫ったことがあります。このときの候補者(自治労県委員長)は衆院総支部長(前衆院議員)に転じており、3年前の候補者は弁護士。隊長の半年後の参院での国政復帰の可能性も出てきました。
 
 スタジオには、早稲田大学政経学部および早大雄弁会同級生で、第41回衆院選初当選の同期の桜。5回連続でともに当選を重ね、今回初めて明暗を分けた渡辺周・衆院議員(静岡6区)が「今の川内君の心境というのは痛いほど分かるので、彼の分まで(私が国会で)がんばりたい」と呼びかけ、川内さんが電話口で絶句するシーンがありました。ナベシュウやな人なんですよね。とにもかくにも、バッチがあってこそというのが、あまりにも残酷かつあまりにもやさしい選挙と政治の関係です。


[写真]山尾志桜里・民主党衆院愛知7区総支部長(前衆院議員)、2013年1月5日放送TBS番組から筆者撮影。

 愛知7区から上京した山尾志桜里(山尾しおり)さんも登場。山尾さんは「(圧勝した政権交代選挙のときも、)党は私たちのことを知らないし、私たちは(第45期衆議院での党内混乱で)党への帰属意識が薄れていった」と語り、「組織としての力量不足」が民主党惨敗の原因だと指摘しました。山尾さんは第46回衆院選で、9・2万票をとりながら敗北。比例東海ブロックは4人当選(全員が愛知県)し、惜敗率89・70%で次点につけています。愛知県は相対的に組織が強いので、首長選で組織を守るために衆院議員が責任立候補を求められる場合があるので、繰り上げ当選の可能性は高いです。とはいえ、負けは負けです。

 みのもんたさんは山尾さんになぜ民主党から立候補したのか質問。山尾さんは「民主党は自民党にかわる勢力になると思っていたし、良い先輩もいるから」と答えました。みのさんが「それは誰?誰?」と鋭く突っ込むと、山尾さんは「岡田さんや前原さん」と答えました。

 
[写真]するどいツッコミで人気のみのもんたさん、TBS「みのもんたのサタデーずばっと」、2013年1月5日放送から。

 岡田克也最高顧問は副総理としての卒業会見で「3年3か月、なぜ国民から信頼されなかったのか、そのことについてきちんと総括が必要であるというふうに申し上げてまいりました。そういった考えに近い意見も確かにありました。例えば、山尾志桜里さんの意見などはそういう意見だったと私は思います」と語っています。これは2012年12月22日の総括会議についての発言ですが、これはマスコミクローズだったので、「山尾さんの意見」と言われてもなんだか分かりません。岡田さんは時々、こういうことがありますが、これは分からなければ質問すればいいということなのでしょう。江田五月最高顧問は、12月22日当日の活動日誌で「山尾志桜里さんは反省の弁として、地域活動が足りなかったことと民主党隠しの気持ちがあったことを挙げましたが、これは大なり小なり全員に共通する反省点だと思います」としています。江田、岡田両最高顧問がともに、山尾さんだけ人名を挙げました。これはどうしてだろうと思いましたが、民主党の女性総支部長で東大法学部卒は山尾さん一人しかいないんですね。これは初めて気付きました。政治家というのはあまり特定の固有名詞を挙げないのですが、両最高顧問も後輩の落選という現実に本心を隠せず。山尾さんが気になるということでしょう。学歴が能力に比例するわけではありませんが、民主党が政権政党として、官僚機構を使いこなす上では、東大法学部卒というのは大事なことです。ぜひ、山尾さんは確実に国政復帰してほしいものです。

 きょうの番組には、渡辺周・衆院議員(静岡6区)、長妻昭・衆院議員(東京7区)、中山義活・前衆院議員(東京2区)、山尾志桜里(山尾しおり)前衆院議員(愛知7区)、川内博史前衆院議員(鹿児島1区)に続き、海江田万里・民主党代表も出演しました。海江田代表は「民主党は改革の党として長妻さん、岡田さんががんばってくれた」とし、「アメリカで言うリベラルと日本でいうリベラルは違う」として、3月に採択する新綱領に「リベラル」の文字は入れない方向性を示唆しました。


[写真]ミュージカル映画「アニー」の1場面から、コロンビア映画「アニー」。左の肖像画はジョージ・ワシントン初代大統領、中央はアニー、右はフランクリン・ルーズベルト第31代大統領。

 きょうは山尾さんが出ると聞いて、早朝から「アニー」を見ながらTBSが始まるのを待ちました。お金儲けで心が汚れた共和党員(日本でいう自民党員に相当)の心をきれいにし、大恐慌時のアメリカ・ホワイトハウスに乗り込み、民主党員のフランクリン・ルーズベルト大統領に「ニューディール政策」を進言したアニー。「朝が来ればトゥモロー いいことがあるトゥモロー」。衆議院の任期は4年間ですので、1461日(うるう日含む)。自民党の今の議席数だとなかなか解散しないでしょうから、まだ1440日あると考えた方が無難でしょう。

 やはり、テレビ局は、こうやって民主党落選総支部長もなるべく取りあげるべきでしょう。

 あすで民主党惨敗から3週間。正直、私もそろそろきつい時期になってきました。「民主中道勢力の結集」「政権担当可能な非自民勢力の結集」の名の下で、根っからの保守主義者・根っからの自由主義者である自分を隠しきれなくなってきました。そのなかでも、やはり、「朝が来ればいいことがある」というアニーが教えてくれたことばを糧になんとか生きていこう。

[お知らせ1はじめ]

 「国会傍聴取材支援基金」を設けました。他メディアにはない国会審議を中心とした政治の流れをこのブログで伝えていきます。質素倹約に努めていますが交通費など諸経費がかかります。

 「国会傍聴取材支援基金」の創設とご協力のお願い

 ご協力ください。どうぞよろしくお願いします。

[お知らせ1おわり]

[お知らせ2はじめ]

 会員制ブログで今後の政治日程とそのポイントを解説しています。

今後の政治日程 by 下町の太陽

 最初の1ヶ月は無料で試し読みできます。取材資金にもなりますのでご協力下さい。

[お知らせ2おわり]

tags 政治日程 http://regimag.jp/b/sample/list/?blog=65