[写真]民主党の細野豪志、日本維新の会の松野頼久、みんなの党の江田憲司の政権準備党3党幹事長、各党ホームページから。
宮沢嘘つき解散から20年の節目となる第183回通常国会があす(2013年1月28日)召集されます。小選挙区導入・政党助成法による「政権交代ある政治」をめざしたあの夏。夢が実現し、これからは国会審議の充実、両院制の問題、政党のガバナンス、予算・決算・税制の国会審議、選挙区割りの線引きが問われます。そして、政権交代に関係なく社会保障の安定した将来像を提示して安心して保険料を払ってもらえる日本国へ。
今国会は予算審議が中心で、法案をめぐる駆け引きが少ないでしょう。それをいかして、私も大きな視点から、20年の歩みを振り返りながら、次の20年への視座を示していく所存です。
NHK日曜討論には、8党(与党2、野党6)の幹事長が顔を合わせました。
与党からは、
自民党内議連「政治改革を実現する若手議員の会」会長だった石破茂さん。
細川・羽田内閣に1期生として参画した公明党の井上義久さん。
野党からは、
二大政党の公募公認候補として28歳で小選挙区落下傘で初当選した民主党の細野豪志さん。
細川護煕・日本新党代表(参院議員)の秘書・党本部職員として宮沢解散をみつめた日本維新の会国会議員団の松野頼久さん。
首相官邸内の内閣総務官室や通産省で官僚として宮沢解散をみた、みんなの党の江田憲司さん。
まさにこれからの日本にふさわしい幹事長がそろいました。 司会は島田敏男・NHK解説委員。
【アルジェリア人質事件で3野党が政権の重荷を背負った経験をいかして追及へ】
民主党の細野幹事長は「安否が判明したので、徹底的に検証を国会でしたい。安倍首相は外遊(先のベトナム)から(切り上げて、タイ・インドネシア訪問をキャンセルして)から帰ってくるべきだった」としました。基本的には、衆院予算委員会や参院予算委員会(石井一委員長)のなかで、予算の実施状況に関する国政調査として質疑する考えだと考えられます。
日本維新の会国会議員団の松野幹事長は、「私も(鳩山内閣の官房副長官として)官邸にいました」として「(これまで)政府の足を引っ張らないように心がけてきた」が自衛隊法改正よりも「日本として情報をとれていたかが問題」であり、鳩山内閣で「もっと情報収集の予算を取るべきだ、と主張してきた。タブー視せずに情報機関(諜報機関)をつくるべきだ」と語りました。この後、「私たちはアルジェリア人質事件はテロ特(衆議院国際テロリズムの防止および海賊対処に関する特別委員会)の委員長(ポスト)を持っているので、テロ特を開催してしっかりやってほしい」と延べ、予算委などだけでなく、テロ特委も開催するよう求めました。
江田さんは「まだ政府から話を聞いていないが、今後のために(国会で)検証していく」とし「自衛隊法よりもインテリジェンス(情報、諜報)の問題だ」としながらも「イラク戦争で中東やイスラム圏の日本のイメージが傷ついたところがあるので、6月TICAD(ティカッド、日本アフリカ会議)に向けて貧困問題に取り組んでいきたい」と、外交にも言及しました。
【第183回通常国会、衆参ねじれ下の国会運営】
細野幹事長は「国会は国民にとってもっとも大事な場なので、充実した審議をする国会にしたい。私たちも長く野党を経験して3年3ヶ月与党をやり、再び野党になった。(政府と野党が)角突き合わすだけでなく、決めるべきところは決める、が、政府がおかしいところは声を上げる国会にしたい」と語りました。
松野幹事長は「私たちも今回の国会は今までの野党のように何でも反対することはない」と述べました。この背景には、大阪府・大阪市などへの国から地方への分権をすすめることを前提にしながら、国会における議案の処理も衆院野党第2会派として対応しなければいけない国会議員団としての事情があると思われます。このような立体的な議論が求められた政党は憲政に例がなく、新時代の幕が開きます。
江田幹事長は「私たちも反対のための反対はしない」としながら、「私たちは法案を出して、政府の案も読んで議論して生産的な国会にしていきたい」として対案路線を明確にしていく構えをみせました。
【補正予算案への対応】
衆・財金委員が長い松野幹事長は財源について「復興基本法では復興会計の剰余金は国債償還にあてるはずだ」として、補正予算案(31日提出見通し)の歳入とその関連法案も議論する可能性を示唆しました。
江田幹事長は「予算規模が大きい」「(真水から総事業規模を大きく見せかける)官民ファンドの手法に問題がある」と述べました。
前日に社民党幹事長に復帰した又市征治さん(参・決算委員)は、「麻生さんのときの(平成21年度第1次)補正予算案がでたらめだった」として、県庁に基金をばらまいた自民党第2次政権最後の予算も問題視しました。
細野幹事長は、「(番組中に)井上幹事長がおっしゃった福島や被災地は賛成したいが、公共事業中心というのは問題がある」としながら、「石破幹事長の財政の危機意識が低いのではないか」と与党にくさびを打ち込むと、石破幹事長が「それは本当に考えています」とあわてる場面がありました。
社民党と日本共産党が採決で反対することを表明しました。
【政府・日銀による「物価上昇率2%目標」の共同声明は野党も評価するも懸念も】
江田幹事長は共同声明(Accord)を「みんなの党のこれまでの主張通りだ」と評価しながらも「制度的に担保するために日銀法改正が必要だ」としました。
松野幹事長は「(共同声明をうけて)日経平均や為替が反応していることは評価したい」としながらも「中小零細企業に融資として回っていないということ(が予想されるので、それ)を検証しないといけない」と語りました。
細野幹事長は「評価する」としながらも、「政府が日銀を(まるで)むりやり(ベッドに)押し倒したようだ」と独特の表現で自民党を批判。そのうえで、「(金融緩和が浸透して)物価目標率が2%に近づいてきたときに(政策)金利をあげなくてはいけないときが来る」として、そのときに恩恵を受けている経済関係者が政府に圧力をかける可能性があり長期金利が上昇し国債の利払いが増えることを懸念しました。ただ、「かなり将来の話だが、政府としてはいかに節度ある対応をとるか」との懸念を表明しました。
井上幹事長は「昨年9月の(公明党の)緊急経済対策にも入っており評価したい」としました。
【国会同意人事の「事前報道ルール」の撤廃には各党賛成、日銀次期総裁ではみんなの党と自民党が対立】
江田幹事長は「PhDを持っていて、英語を話せる、若い頃から金融をやっている人。さらに、金融というのはマフィアの世界なので人脈がないといけない」として、名指しはさけながら財務省出身者の提示を牽制しました。
松野幹事長は「議運の筆頭理事を2年やったが、自公が反対した」とし、国会同意人事が事前に報じられた場合に政府が議案を差し替える「事前報道ルール」の見直しを主張。これは各党が賛同しました。
細野幹事長は「松野さんと思いはまったく同じだ」としました。松野さん、細野さんともに番組終了間際の発言で具体的な人物像は言及する時間がありませんでした。
その一方で、石破幹事長は「どこの出身だからということでなく、政府と近い人でなければいけない」として財務省出身者の日銀総裁就任への地ならしをしたところで、番組は終わり、あすからの通常国会に論戦の場が移りました。
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