第183回通常国会が2013年1月28日(月)に召集されます。この前裁きとして、イブキング(伊吹文明衆議院議長)に、国会記者章を持つ新聞・テレビ局の幹事社が呼び出され、場所としての「記者クラブ」の控え室の配置でいろいろと大変だったようで、社員記者、国会記者章を持つ人もなかなか苦労がありますね。私もイブキングに呼び出しを食うくらいになりたいものです。
さて、召集日に衆議院に「原子力問題調査特別委員会」が設置されることになりました。
公明党の衆・議運委理事が先の特別国会召集日の2012年12月26日(水)に提案していたものです。
これは両院合同調査会方式の「東京電力福島原発事故調査委員会」の提言の中に「規制当局を監視する目的で、国会に原子力にかかる問題に関する常設の委員会などを設置する」との文言が入っていたそうです。
特別委員会は会期ごとに設置することになっており、特別委員長は閉会中は議会雑費(委員長手当)がもらえません。常任委員長とは違います。
第46期衆議院スタート時点で、衆議院には
(1)災害対策特別委員会(災害特)
(2)政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会(倫選特)
(3)沖縄及び北方問題に関する特別委員会(沖北特)
(4)青少年問題に関する特別委員会(青少年特)
(5)北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会(拉致特)
(6)消費者問題に関する特別委員会(消費者特)
(7)科学技術・イノベーション推進特別委員会(科技特)
(8)東日本大震災復興特別委員会(復興特)
(9)海賊行為への対処並びに国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動等に関する特別委員会(テロ特)
の9つの特別委が設けられました。このうち、以前からそうですが、(9)の海賊・テロ特だけは設置について起立採決になり、共産党が反対しています。それ以外は全会一致で設置されています。
これに(10)原子力問題調査特別委員会が加わり、10になるのでしょうか。
ところが、民主党が初めて第1会派となった第45期衆議院がスタートした第171回特別国会(横路孝弘議長、松本剛明議運委員長)で設置されていたのは次の7特別委員会です。
(1)災害対策特別委員会
(2)政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会
(3)沖縄及び北方問題に関する特別委員会
(4)青少年問題に関する特別委員会
(5)海賊行為への対処並びに国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動等に関する特別委員会
(6)北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会
(7)消費者問題に関する特別委員会
の7つだけでした。
仮に10特別委になるのならば、3人の特別委員長が議会雑費(開会中のみ1日6000円委員長手当ともいう)をもらえ、衆議院から運転手付きの専用の公用車(院車)が割り当てられます。 さらに、衆議院事務局委員部にもそれ相応のスタッフが兼務でしょうが、配置されます。
国会は行革の対象外とされてきました。
しかし、昨年の第180通常国会(高木義明議運委員長)では、 連休明けの5月8日(火)の本会議の冒頭で、「郵政改革に関する特別委員会を廃止する件」
(当ブログ内エントリー衆議院郵政改革に関する特別委員会を廃止参照)
が議長から発議されて、了承されています。これに先立ち、連休前の2012年4月26日(木)に「社会保障と税の一体改革に関する特別委員会」がもうけられました。その翌日の参議院本会議で「郵政見直し法(郵政民営化法等の一部を改正する等の法律」が可決・成立して連休入りしました。なので、民主党が5月8日の社会保障と税の一体改革法の審議入り直前に身を切るとともに、郵政見直し法成立による「郵政政局の7年目の打ち止め」の2つを宣言する意味合いがあったと考えられます。
この中で、自民党が第1会派となった第46期衆議院(佐田玄一郎議運委員長)が特別委が10に増えるというのは、第4会派にとどまる庶民の党、公明党に院車を回したりする配慮があるのではないかと疑いたくもなります。
ちなみに、拉致特は具体的な法案はかかることは少なく国政調査もあまりありません。沖北特も、昨年こそ沖縄の本土復帰20周年による特別措置法の10年延長がありましたが、それ以外はあまり法案がかかりません。この辺は廃止してもいいのではないでしょうか。
さらに、地方議会のシステムを借りて、予算委員会と決算委員会を特別委員会にしてしまって、季節的に集中的に大量の議員が参加できるようにするという手もあるかもしれません。予算の実施状況に関する閉会中審査は、省庁別の常任委員会は必ず一つあるのですから、どこでも対応できるはずです。
もちろん「拉致特廃止」というニュースになれば、「安倍政権の拉致問題の姿勢を疑う」という世論になるのは確実ですが、だったら常任委員会を設ければどうだという話です。
こういった国会のしくみにももっと関心を持っていただきたいところです。
で、できれば私に国会記者記章を貸与してくれると、両院事務局を削れというようなことは言わなくなるかもしれません。政治報道とはそんなことの繰り返しです。とはいえ、とりあえず引き続き国会記者章のない第183回国会。相変わらず自由にやらせてもらいます。
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