【衆議院予算委員会 平成25年度本予算(案)に関する基本的質疑 2013年3月7日(木)】
基本的質疑1日目は、民主党から海江田万里代表、細野郷志幹事長、岡田克也最高顧問、原口一博ネクスト総務大臣が質問しました。
消費税引き上げの条件として、自民党が書いて提出し、民自公3党が共同提案し、可決・成立した「社会保障制度改革推進法」に基づく社会保障制度改革推進国民会議の担当大臣は誰か?という岡田克也さんの質問に対して、安倍首相は答弁に立たず、甘利明・一体改革担当大臣は「私です」と述べました。
[画像]社会保障制度改革推進法の第14条、首相官邸ホームページ内文書からキャプチャ、トリミング、赤いunderlineは筆者。
しかし、同法第14条で国民会議の主任大臣は内閣総理大臣とあり、これを安倍首相が知らなかったことが確実になりました。
これに先立ち、岡田さんは「社会保障制度改革をやるという熱意が感じられない。我々は(来年4月1日から)消費税増税をお願いしているんだから、(法律化できていない最低保障機能の強化など)社会保障改革は当然政治家の責務ですよ」と安倍首相をまくし立てました。
消費税増税分は社会保障にあてますが、自民党が主導した改正消費税法付則第14条第2項で、公共事業に回す余地があるような表現があります。
岡田さんは「私たち3党は、消費税引き上げを社会保障のために使いますよと国民に説明して納得してもらった」にもかかわらず、多くの国民は「消費税引き上げで余力が出た分を公共事業に充てていると思っていますよ」と指摘しました。
劣勢の安倍首相は「そもそもですよ、消費税はまだ引き上げていないですから。引き上げたと同時に公共事業にドンっと、あてていくとしたら別ですよ」と答弁しました。
これについては、議題となっている平成25年度一般会計予算書の28ページなどに次のような費目があります。
[画像]平成25年度一般会計予算書からキャプチャ、赤丸は筆者。
歳入として、年金特例公債2兆6110億4240万8000円が計上されています。この年金特例公債は消費税で償還することになっています。つまり消費税増税分を1年間前借りしていることになります。国民1人あたり2・5万円ほどのお金を前借りしていることになります。
本予算審議は、この前借り分の使い道を議論する時間です。それにも限らず、総理が「まだ消費税は上げていない」と答弁したことは、年金特例公債による歳入に関する歳出に関する議論ができないことになります。
6年前は消えた年金。ことしは、消費税前借り年金。また年金が鬼門になるのでしょうか。
ところで、民主党、みんなの党、生活の党、社民党は平成24年度第1次補正予算に関して、「年金特例公債を削除する」などとした修正案を提出。2月26日の参議院本会議で「110対122」の僅差で否決されています。本予算ならば総歳出規模が大きくなり削りしろが増えますから、安倍総理が同様の答弁を繰り返すなら、年金特例公債の削除にまた挑戦してもいいかもしれません。
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