【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

「民自公」3党協議と「民維み」野党共闘の要になれ 衆院・基本的質疑2日目

2013年03月08日 16時39分34秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

[写真]自公民、民維み、各党の幹事長。

【衆議院予算委員会 平成25年度本予算の基本的質疑2日目 2013年3月8日(金)】

 基本的質疑2日目。NHK中継の都合で、とりあえず2日間で与党(2党)野党(5党)一巡しました。午前8時台のNHKラジオ第一では、「4日間連続で(国会中継のため)番組が短縮するのは初めてではないか」との投稿にNHKアナウンサーが「そうかもしれない」と応じる場面がありました。たしかに、代表質問終了の翌朝午前9時から基本的質疑が始まったのは私も記憶にありません。長妻昭筆頭理事率いる健全野党・徹底審議路線を大いに支持したいところです。ただし、私は民主党、日本維新の会という質疑順で、相対的に民主党が良い質問をするかと思いきや、実際にはその逆だという感想を持ちました。正直なところです。

 きょうのニュースでは、日本維新の会衆院議員の中山成彬元文部科学大臣が、「検定教科書を文部科学省のホームページで公開すべきだ」との質疑に、下村博文文科相が前向きに応じました。もっと早くからしていれば良かったのですが、歴史教科書のひどさを白日の下にさらすのは大賛成です。ほんとうにこの国が失った物は大きいのですが、今のこどもたちに良い教科書を与え、また旅行費用なんかも子どもたちが世界を見るために使って欲しいと考えます。

  日本維新の会トップバーターの松野頼久さんは、民主党時代から取り組んできた「麻生内閣での第2次補正予算などの基金」について取り上げました。

 松浪健太さんは自民党時代から取り組んできた道州制について取り上げました。「自民党が道州制基本法案を出せば丸飲みするし、民主党が出先機関改革基本法案を出せば丸飲みする、丸々路線だ」と語りました。

 そして、新人の松田学さんは大蔵省時代からの持論だろうと考えますが、日本銀行だけでなく政府貨幣の発行をしたらどうか、という提案をしました。

 最後の中山成彬元文科相は、かつて同じ清和会(自民党福田派)にいた後輩の下村文科相から画期的答弁を引き出しました。 


[画像]日本維新の会の中山成彬元文科相(元自民党清和会)、衆議院インターネット審議中継からキャプチャ。

 このように、日本維新の会は民主党、自民党、新人の良い取り合わせができていると感じました。

 前日の審議では、公明党の斉藤鉄夫さんが軽減税率について取り上げながらも「課題が多い」として低所得者対策をもっと手広く自公民3党で協議すべきだとしました。これは公明党が主導した軽減税率ではない落としどころを探る発言だと私は感じました。

 このように、自公民の3党協議による、社会保障と税の一体改革、定数是正と選挙制度の抜本改革。

 そして、民維み野党3党の「3本の矢」による、それぞれの良さをいかした野党協調。

 これをうまく活用することで、民主党の活路が開けるのではないでしょうか。まさに、要(かなめ)です。

 初日は海江田万里ネクスト首相が、後輩経産大臣の茂木敏光さんから「手に忍の字を書いたり、涙を流したりご苦労された」と挑発されました。日本新党同期の2人ですが、海江田さんは受け流しました。

 2日間には3年3ヶ月ぶりに国政復帰した議員が登場しました。中山元国交相は「(2010年7月竣工の議員会館など)国会の回りの風景も様変わり」。

 自民党旧経世会の小此木八郎さんは「安倍総理と同期当選だが落選してしまった」と語ると、安倍総理は「見た目がちょっと大きくなって、ご苦労されたと思うが、まさに小此木八郎ここにあり」と持ち上げました。しかし、安倍さんは小此木さんのことをあまり知らない様子で、清和会と経世会の対立がいまだに自民党内にあることをうかがわせました。あれから20年・・・というか21年経っても自民党は同じですね。

 国政復帰で3期生となった自民党清和会の萩生田光一さんは「3年3ヶ月の浪人中、(同じ派閥の)総理には何度も激励いただいた」と切り出すと、首相は「私の親父も3度目の選挙で落選したが、3年8ヶ月、私の家の中は暗かった」と答弁しました。

 このように自民党内でも清和会、経世会の違いもあるし、日本維新の会の中でも民主党出身、自民党出身、新人など様々な人間関係となってきました。この辺を訳知りの人は活用する。リアルタイムで分からない人はいちいち、wikipediaなどしない。そうやって新しい政治を切り開いていく。

 自公民も、民維み共生も話を混ぜていくと、民主党の政策に一番近くなります。説明のていねいさと、足腰の強さと、選挙対策があれば、十分に道は切り開けるように感じました。

 春が近づくなか、ふと、気づくと、夕刊紙もテレビも、「政界再編か」という報道がやっと少なくなった気がします。



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