渡辺恒雄あとつぎ宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

伊吹文明議長が自民党議場内交渉係を叱る 首相「定数削減法案ただちに成立」大畠章宏さんの再質問

2013年03月04日 23時59分59秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

(このエントリーの初投稿日時は2013年3月5日午前6時、バックデート)

【衆議院本会議 2013年3月4日(月) 政府4演説に対する各党代表質問】 

 6年前の第1次安倍内閣への代表質問では、松本剛明・政調会長(当時)が再質問、再々質問までやり、閉会後の参院選勝利につながりました。今回は持ち時間が少ない中、大畠章宏・代表代行が再々質問をし、定数削減で言質をとることに成功しました。

 大畠さんは4分間あませて、降壇。その後、安倍首相の答弁が終わったところで、渡部周・衆・議運理事が議場内交渉スペースに登壇しました。議運の理事も1人だけになってしまいましたので、筆頭理事が自ら議場内交渉係をつとめているようです。

 ここで、6人いる自民党理事のうち、古川禎久さんと高木毅さんが議場内交渉係のようで、登壇しました。

 この交渉は6分間に及びました。NHK入りでは極めて珍しい長時間で、





 終了後に、伊吹文明議長が、「おい自民党!」と議長席後ろからひな壇の後ろを通って自席に戻ろうとする自民党理事を呼び出し、「時間を残しているからね、再質問はいいけれども、議運でよく話をして、答弁漏れのときにきっちとやらないとダメだよ。終わってからこんなことやってちゃ」と注意しました。この音声はマイクを通じて、NHK、衆議院インターネット審議中継で流れました。

 これは、首相は質問項目ごとに順に答弁するのが通例なので、答弁が終わってから登壇した渡辺理事にあわせるのではなく、首相の答弁が質問項目をとばしたときに、与野党の議場内交渉係が登壇すべきだとの注意と思われます。ただ、自民党を通じて、野党理事を牽制したのかも。

 大畠さんは再質問で、昨年11月14日の野田・安倍問答の議事録を取り出し、読み上げました。



 野田首相は「定数削減は来年の通常国会で必ずやり遂げる(略)これはお尻を決めなかったら決まりません。この御決断をいただくならば、私は今週末の十六日に解散をしてもいいと思っております。ぜひ国民の前に約束してください」と語りました。

 これについて、安倍首相は「自民党総裁として党に積極的にとりまとめを行うよう指示しました。与党で議論がまとまり、それに速やかに賛成をしていだけければただちに法案は成立します」として、自民党が公明党をまとめて、与党案を提示して、民主党が賛成すれば、今国会中に衆参両院で定数削減法が成立するとしました。経済政策と定数削減の実現については、すべては選挙で責任を取ると答弁しました。

 総理に言行不一致はないか。それをていねいにチェックし続けるのが野党の仕事です。とくに今のように内閣支持率が高いときには、ていねいに、7月に向けて、言行不一致をチェックしつつ、言行不一致に持って行くのが大事です。6年前の松本再々質問で安倍首相は「年金記録についてさらにお尋ねがあったわけでありますが、年金に対する信頼が損なわれることのないように、当然、この記録の管理や相談等に万全を期していかなければならない、その考えで今後とも取り組んでまいります。(拍手)」と答弁しており、「再々答弁」が半年後に大きな言行不一致になり、大敗、退陣につながっています。

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自民党筆頭理事更迭に成功 長妻昭さんが野党をまとめる 遠藤利明筆頭理事に 衆・予算委

2013年03月04日 22時09分15秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

 

[写真]野党5党の理事(委員)をまとめて記者会見する長妻昭・衆院予算委筆頭理事、2013年2月26日(火)、民主党ニュースから。

 2013年2月28日(火)に、衆参本会議での政府4演説をはさむ格好で、衆院予算委員会の集中審議が開かれ、安倍首相(自民党総裁)がフェースブックで不満を漏らす事態となりましたが、自民党清和会の馳浩・予算委筆頭理事が更迭されることになりました。報道によると、きょう(4日)の理事懇談会で、馳浩さんから遠藤利明さんへの与党筆頭理事交代が確認されたそうです。

 これは、補正予算審議においって、採決時に「集中審議7時間質疑時間与党2対8」を約束しながら、28日は政府4演説があることから、時間を短縮するという不誠実な対応があったため。

 政府の補正予算(案)提出が1月31日(木)、本予算案審議入りの政府4演説が2月28日(木)とずれ込み、まるっきり15ヶ月予算になっていないことへの焦りがあったものと考えられます。

 遠藤さんは谷垣法相側近の宏池会系で、人柄が良く、山形1区で選挙も強いことで知られます。2006年の第164回通常国会では佐田玄一郎・衆・議運委員長の下で議運理事。2008年の第169回通常国会(ガソリン国会)では衆・予算委の与党理事を務め、野党の岡田克也筆頭理事、前原誠司理事にこてんぱんにやりこめられました。今通常国会も同じ佐田議運委員長ですから、雪辱を期すことになりますが、いずれにしろ、円満型の運営になりそうな気がします。

 本予算審議はあさって夕方にも、提案理由説明がされるものと思われます。 

馳筆頭理事が交代 衆院予算委(産経新聞) - goo ニュース

 衆院予算委員会は4日の理事懇談会で、自民党の馳浩筆頭理事の辞任を確認した。

 

 馳氏が2020年夏季五輪の東京招致に向け、同党内に設置される安倍晋三首相(総裁)直属機関「招致推進本部」の本部長に就くため。後任の筆頭理事には遠藤利明理事を充てる。

 

 馳氏は平成24年度補正予算案に関する集中審議の日程協議で、質疑時間の設定などをめぐり野党側から批判が出ていた。




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民主党が「地方自治体局」を新設 

2013年03月04日 19時16分09秒 | 第47回衆院選2014年12月アベノミクス解散

[写真]右向きに答える細野豪志・民主党幹事長、2013年1月7日(月)、筆者撮影。

 民主党の細野豪志幹事長は2013年3月4日、毎週月曜日の民主党役員会後の定例記者会見で、民主党本部に「地方自治体局」を新設した、と発表しました。細野幹事長は「これまでは組織委員会の下でやっていた」ものを独立させたと説明しました。

 海江田万里代表は2月24日の党大会で、「候補者、議員を選挙や日常活動で支えているのは、地方自治体議員であり、党員です。また、選挙に強い態勢を作るためには、連合の仲間の皆さん、地域に根差すさまざまな職業に従事する皆さん、まさに生活者、納税者、消費者、働く者の声を聞き、それを常に政治に活かしていく姿勢が基本です。党の団結、一致結束は、国会議員はもとより、本部と地方、国会議員と自治体議員、本部・国会議員と惜敗した総支部長、各級候補者と党員、そして党と支持団体が対話を繰り返し、一体となって活動してこそ確立されるものです」と語っていました。

 民主党地方議員は、現在、衆院議員(候補予定者)が代表をつとめる総支部に所属し、県連に参加する格好になっています。このため、総支部の党員サポーター獲得のノルマについて、軋轢が生じることなどがありました。

 今後は、地方自治体局と直結することで、党本部が地方議員を通じて、各小選挙区ごとの衆院議員候補予定者の活動状況を確認することができるようになるでしょう。今までも、連合の地方協議会・地方連合を通じて情報収集はしていたはずです。

 政策面では、麻生内閣以降に顕著な、「安心こども基金」など国から都道府県庁への渡しきりの「基金」などの財務状況に関する都道府県議や、執行状況に関する市長村議の連係プレーが可能になるかも知れません。

 いずれにしろ、民主党は若い組織ですが、若い年齢で複数期を迎えている地方議員がいるので、地方自治体局で主導権を握るチャンスでしょう。解散が無く、体が楽な地方議員でいて、党本部自治体局で主導権を握って国政への発言権を持てば、国政選挙に出るよりもよっぽど楽だし楽しいでしょう。 

 かつて、新進党時代には、公明党の後継政党「公明」の党首を藤井富雄・都議がつとめて、参院議員の半数がその下に入ったこともあります。現在の公明党にも、地方議員団会議議長として中島義雄・都議会公明党幹事長が名を連ねています。同党では、支持母体の創価学会の監督官庁が東京都庁(現在は文部科学省文化庁)だったことや、東京23区内の固定資産税の課税主体が東京都庁であることから、都議会議員(とくに東京23区選出)は特別な存在。

 一方、民主党は地方議員候補の人材供給源である「衆議院議員秘書」が数百人単位で失業したため、2015年4月の第18回統一地方選で、公明党、日本共産党、自民党(無所属含む)を上回る議席獲得はすでに絶望的。 一人一人の地方議員の発言力が強い政党として、国政与党期に国庫負担金を大幅に削減するなどの「改革政党」として活路を求めるしかありません。

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あれから20年・・・民主党衆院議員は「全員予算委員」でたたかいながら国会改革すべきだ

2013年03月04日 08時07分24秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

 通常国会の3月3日週となれば、予算案が参議院に回り、衆議院では「店開き」。衆議院内閣委員会など、府省ごとに設けられた常任委員会で、大臣の所信表明とそれに対する一般質疑が行われ、いつでも法案審査に入れるようにするものです。

 しかし、ことしはまったく変。平成25年度本予算の審議がきょうの代表質問から実質スタート。まるっきり1ヶ月間ずれ込んでいることになります。

 あの日(1993年6月18日)、宮澤解散から20年の節目の国会です。
 あの日の1ヶ月前、5月20日、「改革フォーラム21(自民党羽田派)」の小沢一郎代表幹事が『日本改造計画』を出版しました。第1部「いま、政治の改革を」(78ページ)の中で「衆院の予算委員会開会中には他の委員会は実質審議できない」ため、「各常任委員会の審議日数は会期150日間の通常国会で十数日しかとれない。なるべく審議をするな、というのに等しい」。そして、この時点で自民党が38年連続で政権を継続していたので「政権交代がなく、半永久的な政権政党の意見がいずれにしても通ってしまうという状況下では、この制度は一つの歯止めにはなるだろう」「選挙制度を改革して政権交代の可能性を開く一方で、こういう制度も改めるべきである」としています。これが出た、わずか2ヶ月後に細川内閣で政権交代を実現しました。

 ところが、

 2012年2月22日の衆院予算委員会でも下地幹郎委員が、「十二月に予算が決まってから、一月から国会が始まって三月までありますけれども、今この時点で、国会議員が七百二十名いますけれども、この東京にどれだけいるんでしょうか。ここの予算委員会に参加をしている人たちが中心になっていて、どの委員会も開かれないんですね。私は、十二月に予算が決まったら、一月からは、厚生労働委員会だったら厚生労働委員会、そして国土交通委員会だったら国土交通委員会と、この予算が、省庁ごとに決まったものを論議して、最終的にこの予算委員会に上がってきて、みんなで審議して、修正したりさまざまな合意をして決めるというようなやり方をやることも一つの方法だと思うんですよね。」と発言しています。

 つまり、政権交代ある政治は実現したのに、予算委員会のさいちゅうにわずかな国会議員しか審議に参加できない状況は変わらず、陳情を一元化するようなことをする小沢一郎氏はまったく信用してはいけません。私は1997年12月28日の新進党解党以来、小沢氏をいつか殺してやろうと考えてきました。

 ところで、今回のエントリーから、国会議事録のリンク先の張り方を変えて、当該部分に直にジャンプできるようにしました。なるべく短く引用しますが、興味のある方は前後の文脈をリンク先で確認して頂きたいと感じます。 

 民主党は今回から、理事が一人になってしまったので、長妻昭理事のさしかえは事実上困難です。もう一つ、2008年国会から2012年国会まで、第1次野党期から第1次与党期にかけて、ずっと予算委員として後列で流れを見てきた渡部恒三先生が引退してしまいました。委員は6人なので、そのような存在もいません。そう言う中で、長妻昭理事はなるべくプロデューサーに徹して、質問は基本的質疑としめくくり質疑に限るべきでしょう。そして、スター揃いの他の56名の議員がいつでも予算委員にさしかえで登場して、持論を展開すれとはいえ、いつでもある程度の流れの中で質問できるようにすべきです。

  今週は選挙制度をめぐって世論の関心が高まる可能性があります。衆参ダブル構想が浮上する可能性があります。



 民主党総支部長も、このように「1連ポスター」。最近では「2連ポスター」が主流ですが、あれは任期満了半年前からです。衆院の場合は、2016年6月まで、たとえ直後に解散あっても、それは安倍総理のみ知るですから、1連ポスターが貼れます。こちらの総支部長は、過去のポスター掲示箇所に全戸訪問し、ポスター掲示のお願いをすませたようです。1000軒回ったようです。移動に時間がかかりますが、1日50軒ずつ20日回ったことになります。当然のことです。

 ところで、当選した中堅議員ですら、当選のお礼を掲示することが禁じられた公職選挙法の立法趣旨を知らないようです。これは、「事後買収」を防止するのが立法目的です。選挙後に当選(落選)した後に、お礼を掲示することで、何らかの事後買収することを事前に約束しているというようなあうんの買収を禁じる目的です。このことを知らないということは、私には職業政治家として理解できません。

 それはさておき、当選(落選)のお礼の戸別訪問はできなくとも、ポスター掲示のお礼や、会合出席のお願い、各種団体で知り合った人の自宅訪問、大学ノートを携えての政策要望調査の戸別訪問は当然できますし、すべきです。

 あるいは、支持者からの落選のねぎらいメールに総支部長が返答したり、その際に、過去の当選のお礼を書いても現行法上問題ないわけです。ならば、各小選挙区の有権者は、総支部長にメールを送ってみても良いかもしれません。そして、総支部ごとに、各種選挙の公認に関する予備選挙のシステムを整えれば、総支部所属の党員、サポーターの人数も増えるでしょう。

 ソーシャル・ネットワーク・システムで見ると、驚くことがあります。例えば、事務所移転のお知らせの戸別訪問をする。それは大変良いです。ただ、事務所を移転してから、戸別訪問をしている。それだと、すでに近所では事務所が無くなったことですでに政治活動を止めたのではないかと噂が立っています。だから、移転の前に戸別訪問をすべきだし、自民党なら地方議員、秘書、後援会幹部が注意するはずです。家賃など自民党と違って民主党は余裕がないし、アドバイスもないのでしょうが、事務所を移転(撤去)してから、移転のあいさつをするということですと、1日200軒死ぬ気でポスティングしてほしいくらいな話です。大丈夫なんでしょうか。

 またある現職議員は散髪の際に、3800円のところ、3795円しか持ち合わせが無く、5円まけてもらったので「5円(御縁)が残った」とブログに書いています。これは、自民党なら市議会議員選挙新人が披露するようなネタですが、まあ、民主党ではこのようなネタを披露する人の肩書きが「元財務省政務三役」というところは逆転の発想で、自民党より強いかも知れません。

 解散直前にある議員(当時)と話していて、「戸別訪問っていいんですね。実は連合の地協からもやるように言われているんですよ」と言われて愕然としたことがありました。

 せめて、公職選挙法の本を読んだり、国会法・衆議院規則、租税学、財政学の本、内閣法・国家行政組織法、各府省の局課の一覧表を読んで、ひたすらに大学ノートを携えて戸別訪問してほしいと考えます。区割りが変わっても通用します。各種団体の会合でスピーチをすると小選挙区で当選するという発想はまったく私には理解できないところでしたが、第46回衆院選の結果で私の考えは正しかったと証明されたと考えています。

 衆議院は、総支部長も含めて全員予算委員という意識で行って欲しいところです。




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