【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

「異次元の緩和とは何次元の緩和か?」海江田万里さんが疑問、日銀総裁に説明を求める。

2013年07月01日 20時27分07秒 | 第23回参院選(2013年7月)二番底

 「再び、地域から。」を合い言葉に第23回参院選にのぞむ、民主党代表の海江田万里さんは、前哨戦最後の2013年7月1日(月)定例記者会見にのぞみました。

 このなかで、黒田日銀総裁に関して「異次元の金融緩和」について、「いったい何次元の金融緩和か。日銀も説明すべきだ」と求める場面がありました。

 4月4日からの量的金融緩和について、櫻井充政調会長や、野田佳彦最高顧問らが、「間違いだ」、「反対だ」という趣旨の発言をしていることに関して、すでに動き出した金融政策そのものを否定する発言は無為だ、との批判が民主党員から上がっているとの指摘にこたえたものです。

 木曜日の第一声は、海江田代表が岩手(定数1吉田晴美さん宮城(定数2岡崎トミ子さん福島(定数金子恵美さん栃木(定数1谷博之さん、細野幹事長が大阪(定数4梅村聡さん兵庫(定数2辻泰弘さん広島(定数2森本真治さん岡山(定数1高井崇志さん福岡(定数2野田国義さんをまわることも発表。

 これらの選挙区は、二大政党がともに「民主党の当選可能性がある」と分析している選挙区です。

 この日発表された日銀短観では、資金繰りDIが、大企業で、金融緩和前の3月と変わらないという珍現状が起きました。中小企業は「マイナス5」→「マイナス3」にわずかに好転。

 金融機関の貸し出し態度DIでは、大企業ですら17→18、中小企業で3→6と、わずかな好転にとどまりました。

 その一方、借り入れ金利水準DIでは、全規模で「マイナス1」と7ポイント改善し金利が安くなりましたが、先行きでは、14ポイント増の「13」。金利上昇懸念があることが明らかになっています。

 この背景には、6月半ばから、金融機関のおさつが夜を越す、日銀の本店や支店にある当座預金勘定が80兆円を超えるという未曾有の「銀行内の金余り」現象のなか、金融機能が目詰まりして、民間にマネーが十分に循環していないことが浮き彫りになっています。その一方、長期金利は高水準ですので、当座預金にお札を積んでいるだけの現状が見て取れます。すべての経済対策は日本再興戦略にかかっている状態ですが、しがらみのある自民党、公明党、共産党には、十分な規制緩和ができず、日本経済が金余りの高血圧運動不足状態になる懸念がでてきたといえそうです。