2日の本会議で、輿石東さん(民主党・新緑風会、山梨)が参議院副議長に選出される見通しとなりました。輿石氏が、参議院自民党の溝手会長や、脇雅史幹事長に過去の行いを謝罪したため、脇さんらが容認しました。
日教組選出の参議院副議長は、民主党立党以来3人目。
1998年就任の菅野久光(すがの・ひさみつ、北海道)さん、2001年就任の本岡昭次さん(兵庫)についで3人目で、輿石さんが議員任期満了の2016年まで副議長をすると、立党以来18年のうち9年間は、日教組出身の民主党副議長ということになってしまいそうです。
なお、他の3年間の副議長は、弁護士出身で社会党の角田義一さん。角田副議長が不祥事で辞任したあとは、旧民社党旧新進党の今泉昭さん(UAゼンセン)が副議長をしました。6年間の議長は、旧社民連旧新進党の江田五月さん、旧自民党旧新進党の西岡武男さん、旧民社党旧新進党の平田健二さん(UAゼンセン)と、旧新進党3人衆が務めました。しかし、第2会派転落にともない、副議長を再び社会党・日教組に取り戻されてしまった格好で先祖返りとなりました。
ちなみに、民主党結党前の新進党出身の副議長は旧自民党旧新生党の松尾官平(まつお・かんぺい)先生が務めていました。統一会派「平成会」出身でした。
民主党立党以来の参議院議院会長は、初代の菅野久光さん、本岡昭次さん、久保亘さん(鹿児島、副総理、元社会党書記長)と3代連続で日教組出身者が務めました。その後、弁護士の角田義一会長が就任。副議長昇格にともない、幹事長で旧自民党旧新生党の北澤俊美さんが昇格しかけたところで、クーデターが起こり、現在まで社会党(社民連含む)支配が続いています。立党以来、自民党出身者、民社党出身者の会長すらいない世論との乖離が民主党・新緑風会を支配しています。
とはいえ、輿石会長も、6年間の参院第1会派時代に、新進党勢を議長にすえ続けたのは、人を見る目がありました。これに限れば、輿石先生に絶対評価でも相対評価でも「5」をあげましょう。
参議院副議長室を、18年中9年間、日教組が占拠するというお寒い実態になりました。
教職員給与の据え置き法案などが出ると、昔は日教組組合員が参議院委員室に大挙して傍聴し、審議未了廃案に追い込むよう参議院社会党にプレッシャーをかけたようです。
参議院社会党の唯一の権力は、閣法を会期末に審議未了廃案に追い込むことだけですから。
その政治運動の名残が、18年中9年間、参議院副議長室を占拠する状態を可能にしたのでしょう。運動の成果が実績につながっている、という面では、私は原理主義者なので、たんたんと輿石副議長を受け容れ、拍手を贈りたいところです。
教職員には自律的労使関係を与えて、春闘に専念してもらい、その間に、ブラック企業対策などディーセント・ワークを求める労働者が国会を監視し、ディーセント・ワーク族を将来の副議長にしましょう。
2日の本会議では、議長には自民党の山崎正昭さんが選出される予定。
そして、輿石東議長は、先輩日教組議長が演じた次のような「奇策」はゼッタイにとってはいけません。反面教師として、心すべし。
[国会会議録データベースから引用はじめ]
159 - 参 - 本会議 - 28号 平成16年06月05日
○副議長(本岡昭次君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
これにて本日は散会いたします。
〔副議長退席〕
─────・─────
〔議長着席〕
○議長(倉田寛之君) 先ほど副議長が散会を宣告いたしましたが、これは本院規則第八十二条の規定に反し、無効でありますので、会議を続けます。
[引用おわり]
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