私は20年来、あまり「東京都連」という組織には関わりたくないと思っています。その理由の詳述は避けるとして、第23回参院選の東京選挙区(定数5)の民主党の戦後処理に関して、理解できない部分があるので、やはり書いておこうと思います。その前提として、あまり内部事情は詳しくないことをお断りしておきます。
中選挙区時代の自民党のアタマがいまだにある私としては、現職2人のうち、1人が公認取り消しになった場合は、お互いに発憤して結果的に両方が当選。その後に、処分は先送りのままうやむやになり、無所属の人も1年ほどすれば党に復帰しているというイメージがあります。古き良き衆院中選挙区時代の自民党にはよくあったことです。
ところが、今回は両方落選してしまいました。まず幹事長が「世論調査の結果」としていますが、6年前の選挙結果は大河原さんの方が鈴木さんよりも得票数が多かった。それなのに、最新の世論調査を使うというところが少し合点がいきません。それがなぜ気になるかというと、第47回衆院選に向けて、民主党、維新の会、みんなの党、生活の党の選挙区調整をする場合は、第46回衆院選の得票数が基準になるべきで、「世論調査」などというとややこしい事態になりかねません。また大河原さんは元々、都議会議員時代は、東京生活者ネットワークという政党の党首で、そこを民主党公認で参院選に出てもらったはずなので、少し恩義の面でどうなのか。
2日前の公認取り消しでは、応援する予定の衆議院議員は支持者にお願いを始めていたはずで、大河原さんをやらざるをえなかったのではないか。選対役員もすでに決まっていたはずで、それをやめられないでしょう。
そして、気になるのは、細野さんが責任をとって幹事長を辞め、けさのNHKニュースによると海江田代表が菅さんに会い、離党を働きかけ、それにしたがわなければ除籍も辞さないとのこと。
選挙なので「仮に」は通用しませんが、仮に2人とも公認していても、共倒れしたでしょう。一本化してもしなくても、共倒れしたということは確実なのに、なぜ菅さんが処分されるのか。政権選択である衆院選のためには、都議選、参院選は現職は公認して共倒れしてもらった方が、衆院選に向けてしこりを残さなくて済むのではないでしょうか。第1会派転落が確実だった都議会や参議院の「1議席」にそれほど重要な意味があったのでしょうか。
細野さん、海江田さん、菅さんが3人とも「原発官邸」の中の人であり、そのときからの緊張・興奮を引きずっているのではないでしょうか。
鈴木さんも文部科学副大臣でした。この、原発事故時の、官邸、経産省(原子力安全・保安院)、内閣府(原子力安全委員会および防災担当)、文部科学省(旧科学技術庁原子力委員会)にいた人は、理由はなんであれ、数年、テレビに映らないようにしていただけないでしょうか。情と理の「情」だけの理由です。サラリーマンや公務員だって運のめぐり合わせで人生が大きく変わるのであって、歴史の作り手である政治家はそれを受け止めて、飲み込まなければなりません。
年齢的には、みんな10年後でも現役でやれる人です。
少し原発以来の興奮が続いているのではないでしょうか。そうでなければ、何か、菅さんについて、国民が知らない情報を海江田さん、細野さんは持っているのでしょうか。
夏休みの中学生を描いた映画『台風クラブ』 は解釈が難しいところがありますが、永遠の中学生の夏休みの人間の本質的なところを描いていると考えます。おっさんたちの「原発クラブ」はあがなえない運のめぐり合わせ。その原発クラブの夏の世の夢で、吉良佳子候補、山本太郎候補が60万票台で中位当選した事実。
しばらく静かにしていてほしい。