宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。

[院の構成]参議院議長に山崎正昭副議長 2代連続で閣僚経験なし 英国流「議長・委員長」コース確立の兆し

2013年07月25日 06時44分25秒 | 第184臨時国会(2013年8月)黄金の3年間

 第184臨時国会の2013年8月2日(金)の午前中に選出される見通しの参議院議長候補に山崎正昭・現副議長を自民党が充てる方向になりました。

  議長に当選すれば、平田健二・現議長から引き続き「閣僚経験がない参議院議長」になります。自民党の参議院議長としては、1971年就任の河野謙三議長以来。このときは、3期9年議長をつとめ、さらに4選をめざした重宗雄三さん(正確には本会議では重宗氏の後継者)を選挙でやぶって河野議長が誕生しています。池田勇人首相、佐藤栄作首相も頭が上がらなかった重宗議長をやぶったとはいえ、河野議長の誕生は結果的に、参議院の政党化に加えて、自民党派閥化もすすむことになり、現在にいたります。

 英国議会の議長は50歳と若い人ですが、シャドウ大臣の経験もありますが、途中から「大臣・政務三役コース」ではなく、「議長・委員長コース」に特化した人で、与党・保守党だけでなく野党・労働党の一部からも支持され、政権交代前から現在まで議長をやっている人です。このように、政権交代ある政治で、時間的に「大臣ポストが半分」になった自民党では、閣僚にならない人が、議長や委員長になるコースが確立されていく動きとして注目したいところです。

 山崎さんは県会議長まで務めてから国会に来ており、大蔵政務次官の後、内閣官房副長官も務めましたが、これは「参院対策の官邸スタッフ」ということだっと思います。委員長は議院運営委員長をつとめました。

 今回も山崎議長候補は清和会(町村・安倍・福田派)、参院議員会長の溝手顕正さんは宏池会(岸田・宮澤・大平派)、参院幹事長は平成研(額賀・竹下・田中派)の主流3派が分け合う格好になるそうです。

 一方、うれしいニュースで、参議院公明党会長に、1995年新進党東京トップ当選の4期目・魚住裕一郎さんが就任するようです。8月1日の議員総会で決まります。東京選挙区を引き継いだ山口那津男代表と東大法学部同期の弁護士ということで、参議院公明党の「白浜・山口二重権力構造」が解消されることになりそうです。まさに「安定は希望です」を人事でも体現する公明党。その姿、他党にも見習って欲しいところです。「魚住会長」については、また後日、エントリーを改めて、お伝えします。

 このほか、第23期参議院の構成や、各会派の陣立てについても、今回はなるべく速報で書いていき、確定後にまとめる方針でやっていきたいと思います。もっと参議院に興味を持ってください。私は参議院が大好きです。

[お知らせ1 はじめ]

 「国会傍聴取材支援基金」を設けております。日本唯一の国会傍聴記にご協力ください。

 「国会傍聴取材支援基金」の創設とご協力のお願い

 ご協力ください。よろしくお願いします。

[お知らせ1 おわり]

[お知らせ2 はじめ]

 会員制ブログで今後の政治日程とポイントを解説しています。

 今後の政治日程 by 下町の太陽

 最初の1ヶ月は無料で試し読みできます。お気軽にご登録ください。

[お知らせ2 おわり]

[お知らせ3 はじめ]
 このブログは次の各ホームページを参照して、記事を作成しています。

最近の法律・条約(内閣法制局ホームページ)
衆議院議案(衆議院ホームページ) 
今国会情報(参議院ホームページ)
予算書・決算書データベース(財務省ホームページ)
衆議院インターネット審議中継
参議院インターネット審議中継
国会会議録検索システム(国立国会図書館ホームページ)
民主党ニュース(民主党ホームページ)goo 政治ニュース

[お知らせ3 おわり]

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

[院の構成]参院自民党、委員長ポスト与党11、野党6を提示 民主党に厚生労働委員長ポストを!

2013年07月25日 06時09分28秒 | 第184臨時国会(2013年8月)黄金の3年間

 第23回参議院議員通常選挙を受けた参・議運理事会が2013年7月24日(水)に開かれ、自民党の岡田直樹筆頭理事は、常任委員長ポストを「与党11、野党6」で割り振ることを提案しました。

 自民党と公明党は過半数を持っていますが、欠席戦術のないスムーズな本議会運営のために、一定の委員長ポストを野党に割り振るのが慣例となっています。

 参議院は、衆院と違い、常任委員会を第1種委員会と第2種委員会に分けています。

 内閣委員会
 総務委員会
 法務委員会
 外交防衛委員会
 財政金融委員会
 文教科学委員会
 厚生労働委員会
 農林水産委員会
 経済産業委員会
 国土交通委員会
 環境委員会

 の11委員会が第1種委員会。

 国家基本政策委員会
 予算委員会
 決算委員会
 行政監視委員会
 議院運営委員会
 懲罰委員会

 の6委員会が第2種委員会。 

 第1種委員会は全府省庁に対応しており、法案審査にくわえて、その府省庁に関する事項でも国政調査ができるという、日本の国会が世界に誇れる「委員会による国政調査」のしくみです。

 常任委員会は国会法41条3項で決まっていて、第1種と第2種に区分は参議院先例録に載っています。先例録は非公開ですが、参議院における委員会の再編の歴史は参議院ホームページ(参議院改革の歴史) を読むと、第1種常任委員会と第2種常任委員会という参議院独自のシステムが理解できるでしょう。

 私見では、これからの3年間、雇用規制などディーセント・ワーク(まともな働き方)の法案審査と国政調査にあたる厚生労働委員長ポストだけは、引き続き、民主党・新緑風会に割り当てて欲しいと願います。

 このほか、「災害対策特別」などの特別委員会も設置される見通しです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

[院の構成]平野達男・元復興相が「新党改革・無所属クラブ」へ 

2013年07月25日 05時45分40秒 | 第184臨時国会(2013年8月)黄金の3年間

[写真]参院予算委で答弁する平野達男復興大臣、2012年2月7日(火)、参議院インターネット審議中継から。

 第184臨時国会召集を来週に控え、院の構成が着々と進んでいます。

 会派に属しない議員(無所属議員)だった、参院岩手選挙区の平野達男・元復興相が「新党改革・無所属クラブ」に所属することになりました。平野さんは当選3回。

 同じく「新党改革・無所属クラブ」に入ることになった浜田和幸・元復興・総務・外務政務官は、自民党で当選し、菅首相の一本釣りで政務三役になり、その後国民新党に入党、解党で無所属になりました。鳥取選挙区。第22回参院選初当選組では最初の政務三役ですが、3年後の第24回参院選で鳥取選挙区から出馬するのは不可能な情勢。

 これで28日の前の任期の議員終了後は、「新党改革・無所属クラブ」は荒井広幸さん(全国比例、2016年改選)、平野さん(岩手、2019年改選)、浜田さん(鳥取、2016年改選)の3人となり、予算委員会集中審議などで質問時間を確保する見通し。

 荒井さんは自民党清和会出身で、安倍首相と同期当選で懇意。参院では自民党は単独過半数に7議席足らないので、参議院先例録に詳しい、荒井さんがキャスティング・ボートを握ることが増えそうです。 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする