[写真]第23回参院選東京選挙区候補者で、公明党代表を兼ねる山口那津男(山口なつお)さん、公明党ホームページから。
公明党代表の山口那津男さんが、東京選挙区(定数5)の立候補者だということを知らない人が多いようです。私は民主党の鈴木寛候補を応援していますが、報道によると、山口さんは最終盤での浸透に、やや気負いがあったのか、きょうの演説で次のように発言したそうです。
[朝日新聞から引用はじめ、緑着色は筆者]
「失敗に学ばない野党は許せない」公明・山口代表
■山口那津男・公明党代表
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山形で記録的豪雨の災害が起きた。こういう時に現場に行って調査する。どういう対策が必要か、国会を開いて審議をする。ところが、野党の皆さんは(首相)問責決議案を通して(国会を)閉じてしまったので、閉会中に国会を開く手続きが取れていない。国会を開きたくても開けない。3年前も同じ失敗をやった。あの時も民主党の議長の下で西日本で集中豪雨の災害が起きた。しかし、国会を開けと言っても手続きを取っていないので開けなかった。失敗に学ばない。国民生活を考えない。そういう民主党であり、野党の姿だ。そんな野党は許せない。(東京都江戸川区の街頭演説で)
[引用おわり]
「閉会中に国会を開く手続きが取れていない」と言っていますが、衆議院では取れています。議事録です。
[国会議事録から引用はじめ、青着色は筆者]
第183回国会 災害対策特別委員会 第11号
平成二十五年六月二十六日(水曜日)
午前九時四十分開議
出席委員
委員長 坂本 剛二君
理事 うえの賢一郎君 理事 小里 泰弘君
理事 林田 彪君 理事 原田 憲治君
理事 平口 洋君 理事 吉田 泉君
理事 山之内 毅君 理事 石田 祝稔君
井上 貴博君 伊藤 忠彦君
泉原 保二君 大見 正君
神山 佐市君 北村 誠吾君
工藤 彰三君 笹川 博義君
高鳥 修一君 竹下 亘君
二階 俊博君 林 幹雄君
藤丸 敏君 古川 禎久君
松本 文明君 務台 俊介君
湯川 一行君 吉川 赳君
黄川田 徹君 三日月大造君
上野ひろし君 高橋 みほ君
宮沢 隆仁君 濱村 進君
樋口 尚也君 佐藤 正夫君
椎名 毅君 高橋千鶴子君
小宮山泰子君
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衆議院調査局第三特別調査室長 石川 晴雄君
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本日の会議に付した案件
閉会中審査に関する件
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○坂本委員長 これより会議を開きます。
この際、御報告いたします。
今会期中、本委員会に参考のため送付されました陳情書及び意見書は、お手元に配付いたしておりますとおり、災害弔慰金の支給対象の拡大を求めることに関する陳情書外三件、災害復旧事業費等の一括交付金化等を求める意見書外三十四件であります。
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○坂本委員長 次に、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。
まず、二階俊博君外十一名提出、防災・減災等に資する国土強靱化基本法案につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をするに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○坂本委員長 起立多数。よって、そのように決しました。
次に
二階俊博君外十六名提出、東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案
及び
二階俊博君外十五名提出、首都直下地震対策特別措置法案
並びに
災害対策に関する件
以上の各案件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
次に、閉会中審査案件が付託になりました場合の諸件についてお諮りいたします。
まず、閉会中、委員派遣を行う必要が生じました場合には、議長に対し、委員派遣承認申請を行うこととし、派遣の目的、派遣委員、派遣期間、派遣地等所要の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
次に、閉会中審査におきまして、委員会に参考人の出席を求め、意見を聴取する必要が生じました場合には、その出席を求めることとし、人選及び日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
本日は、これにて散会いたします。
午前九時四十二分散会
[引用おわり]
このように、衆議院では会期末処理ができていますから、閉会中審査としての国政調査権の発動はできます。なお、山口発言とは関係なく、筆者が自主的にけさ9時確認したところ、理事会などを開こうという話は衆院各会派から出ていないようです。
与党(自民党)が安定多数を持っているときでも、災害対策特別委員長は、野党(社会党)に割り振っていた伝統がありました。これは、国会空転などの政局になっていても、災害対策特別委員会を開こうというところから、野党審議復帰の糸口になるという、与野党双方にとって有益な議会の知恵だったそうです。
ところが、きょうの山口発言は、逆に政局に使っており、国政選挙中(国会閉会中)の伝統的な与党による野党攻撃なので、このようにエントリーをおこして反論しました。山口さんも朱に交われば赤くなる、自民党のまねはなるべくしないでください。
さて、こういったエントリーで話が変わって恐縮ですが、「ゼッタイに公明党に投票する人」の中で、「比例区で誰に入れようか」思案している人。部外者が立ち入る話ではありませんが、魚住裕一郎候補もしくは若松謙維(わかまつ・かねしげ)候補に入れて欲しいと思います。おそらく党内では、魚住さんが東海、若松さんが北海道・東北ということになっているんだろうと思いますが、魚住さんと若松さんは元新進党です。ぜひ入れて欲しいと考えます。選挙後の参議院公明党の会長には、非改選の荒木さんや、魚住さん、若松さんといった人が会派をリードして欲しい。そうすると、民主党と公明党の間で、「糸口」ができると考えます。それもまた、「安定は希望」への糸口なのかもしれません。