日本の政治はこれでいいのでしょうか?
離島遊説で、2013年7月9日(火)、二大政党が明暗を分けました。
滋賀選挙区(定数1)の沖島を自民党の小泉青年局長が高速艇で訪問。このもようは、武藤貴也・自民党衆院議員のフェイスブックで公表されました。
香川選挙区(定数1)では、林農相が、自民党の平井卓志・マルチメディア局長と高速艇で訪問。
さらに、この訪問はネット生中継されたと、平井さんがフェイスブックで明かしています。
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対する、民主党。
長崎選挙区(定数1)では現職の大久保潔重(おおくぼ・ゆきしげ)候補が、平島に向けてインターネットで演説。このもようは民主党ホームページで公開されました。
このように、ノートパソコンに向けて必死に訴えかける大久保候補の応援演説を細野豪志党本部幹事長が、もちろんおなじくネットでしました。
ノートパソコンに向けて身振り手振りで熱弁をふるう細野幹事長をアシストするように、上で蛍光灯をもって、映りやすくしているスタッフの姿が見えます。
平島では、このようにスクリーンに投影されるインターネット中継で、大久保候補と細野幹事長の演説会を聞いたとして、民主党ホームページは「フェリーが1日1便しかない平島」とのエクスキューズを強調しました。
これではNHKとテレビ東京並みの陣容の違いです。
民主党が手間を惜しんでいるわけではありません。お金がないのです。民主党の2013年予算は318億円で、前年の387億円から大きく減りました。さらに318億円から51億円の総選挙支出をことになってからしており、民主党財政は火の車です。
その結果、人気の進次郎さんの高速艇でのさわやかな表情、大臣自ら小豆島に乗り込みその姿をネット中継する自民党に対して、たすき・はちまき姿でパソコンに語る候補者・党幹事長の民主党という対照的な表情ができてしまいました。
しかし、これでいいんでしょうか。自民党政権がつくった離島便の費用や、漁業用燃料などは、租税特別措置により安く抑えられています。これは法律が切れたとたんに一気に値段が上がります。つまり、自民党を支持し続けないと、一気に生活が破綻しかねないのが離島での生活なのです。
太平洋の向こう側、ベネズエラは世界第4位の石油産出国ですが、9割の貧困層は自分たちと同じ出身の大統領を選んでいます。1割の富裕層は、経済的利益を得られるから我慢しているのでしょう。
同じアジアのマレーシアは、7割がマレー系、3割が中国系ですが、マレー系を優先するUMNOが選挙に勝つことが多いです。これも中国系は経済的に豊かなので、納得できる面もあるのでしょう。
しかし、日本において、物量面で優れる自民党を、出身階層として比較的貧しい人が支持し、民主党をけなす姿勢が多々見られます。
が、小泉さんも林さんも平井さんも世襲議員であり、林さんはガス・タクシー、平井さんはテレビ・新聞と地元経済界のドンです。そういう自民党政治家たちを貧しい人が支持するのは自分のクビを真綿でしめることにほかなりません。
都議選は関係ありませんが、参院選で民主党が議席や得票率を減らすと、さらに政党交付金が減ってしまいます。まさに、民主党は太平洋戦争末期の帝国陸軍の白兵戦のような様相を呈してきました。しかし、玉砕してはなりません。かならず組織を守り抜かねば、日本が潰れます。エセ貴族のマスコミによる誘導報道に負けないで、民主党の財政基盤を、私たちが底支えしなければなりません。1人区自民党全勝は、日本の底抜けを意味します。統一地方選、衆院選に向けて、民主党の金庫を空っぽにしてはいけません。国が潰れます。
ぜひ勇気を持って、離島住民は自民党を拒絶していただきたい。自民党弁士を島に入れないくらいの気概が必要です。
三島由紀夫の「潮騒」で、東京生まれの初江が言ったこの言葉を、すべての離島住民に投げかけたい。
その火を飛び越して来い!
自民党の麻生太郎副総理・財務大臣が2013年7月8日(月)、岩手県岩手郡岩手町(1万5000人)で、住民約300人を集めた集会で、「1人区でどれだけ勝てるかが、今回の選挙の勝敗を決める」「自民党が連敗している選挙区で岩手はダントツ」「自民党が30勝1敗で、その1敗が岩手というみっともないことにならないよう、期待しています」と暴言を吐いたことが分かりました。読売新聞、朝日新聞が伝えています。
日本の国をしなやかで強くするためには、自民党と民主党がともに政権を担える状態をつくることが必要で、「1人区の岩手県だけで自民党が負けたらみっともない」との発言は、アメリカでは通用しない暴言です。天皇陛下をお守りするためには、政権担当能力がある政党が2つ必要であることを、麻生さんは勉強すべし。
これまで自民党は「国土の均衡ある発展」という全国総合開発計画をすすめてきましたが、実際には、安倍首相の山口など中国地方、麻生副総理の福岡など九州地方に、空港や高速道路、中山間地農業などのインフラが集中的に投資されてきました。下の空港分布図をみても、明らかです。
このように同質性を求めるのは、日本人の心の弱さの裏返し。「ほかと一緒でないとみっともない」という心理があるから、世界唯一の顕然たる犯罪組織「やくざ(暴力団)」が「警察庁指定」のお墨付きをもらう非常識国家日本ができたのです。だから、1人区である地方は魅力を失い、ストロー現象で若者がいなくなり、大分・岐阜を除けば外国人観光客がこなくなってしまったのです。
さて、話は変わります。アシアナ航空機がアメリカ・カリフォルニア州、サンフランシスコ国際空港で墜落。16歳の女子高生2人が亡くなりました。中国浙江省といって、ここは、沖縄や東京都・八丈島と同緯度の海のシルクロードとして栄えてきたところです。今は、中韓EPAがありますし、サンフランシスコには「中国国民党アメリカ支部」の看板も見たことがありますから、中国人乗客が大半だったのは当然です。外遊目的は、英語などを学ぶサマーキャンプに参加する予定だったと知って、残念に思いました。朝日によると、1人辺り4万元ということで、およそ64万円ほどかかりますが、すぐに定員が埋まるそうです。アメリカでは、学校は9ヶ月のみ。サマーキャンプに参加できる生徒が全員とは限りませんが、教員の給料も9ヶ月しかでないことから、免許を持つ教員も運営に参加しており、さまざまな経験ができます。
私は、夏、実際の学校の先生の家にとまり、午前中は英会話学習するコースを平成元年、高校1年生のときに、受け、金額もおよそ64万円でした。 家は、グリルあり、BBQセットあり、セントラル空調と、本当に「奥さまは魔女」の世界とまったく同じでした。サンディエゴから電車でいける街に「ティファナ(英語発音だとティウアナ)」があります。これはもう国境を越えて、他国であるメキシコです。休日に行った際、国境の検問所で並びました。アメリカ→メキシコの入国は簡単です(逆はとても厳しい)。アメリカ人は半ズボン姿でティファナに入るだけならパスポートも要らないのですが、私たち日本人はパスポートが必要です。しかし、アメリカ人と一緒なのでスムーズに入れました。国境では、貧しい女の子がコップを持って歌を歌っていました。
そして国境を越えたとたんにまったく別の貧しい世界が広がりました。まず、アメリカでコカコーラを買えば必ず氷が入っていますが、メキシコでコカコーラを買っても氷はありません。そこからして違います。そして、体を引っ張りながら、「中曽根さんいい人」と日本語で物を売りつけてくる人がいます。ちなみに当時の日本の首相は海部さんでした。アメリカ人のみなさんが事前に予約していたレストランは、アメリカ人客しかおらず、タコスを食べて、そこそこおいしかったです。
メキシコを支配する一大政党「PRI(プリ、制度的革命党)」は1929年の結党以来、日本を支配していた一大政党「自民党」は1955年の結党以来、大統領・首相を持ち続けていましたから、平成元年の時点で、PRIが60年間、自民党が34年間。これが世界での長期政権のベスト2位でした(当時既にベルリンの壁は崩壊)。
二大政党の国から国境を越えて一大政党の国になったとたんに、ここまで経済格差が開くことに私は衝撃を受けました。そのころから、二大政党論者でありつづけています。
1993年6月、自民党長期政権を倒すことに成功しました。私も新生党学生部員として歴史に参画しました。
メキシコでは一大政党が続きました。PRIの大統領候補が大統領になるわけですが、サリナス大統領(PRI党首)の後継者には、コロシオPRI幹事長が選ばれました。
[写真]コロシオPRI幹事長、(後ろの肖像画はサリナス大統領(PRI党首))、wikipediaから。
細川内閣が7月に発足した翌春、その「ティファナ」の名前をニュースで聞くことになりました。コロシオが暗殺されたのです。
[写真]コロシオ暗殺の瞬間、wikipediaから。
1994年、3月23日の現地時間午後7時12分、ティファナ近郊の貧しい町の夜の雑踏。ここは首都から一番遠い町なので、頻繁に遊説できるところではありません。庶民派をアピールしようとしたのか、当選確実のコロシオ大統領候補は群衆の中に分け入り撃たれました。
実際には、コロシオは4時間ほど生きていて、側近たちは、ヘリコプターで国境を越えてサンディエゴの病院に運ぼうとしましたが、祖国で息絶えることができました。享年44。
このように一大政党制の国は、経済的に困窮する。これは私は平成元年に感じました。それ以来の二大政党論者ですが、細川・羽田内閣はさきがけらの裏切りで倒され、2009年まで政権交代は遅れてしました。その間に経済力は落ち、中国で64万円のサマーキャンプはすぐに売り切れなのに、日本の高校生は夏休みはバイト。団塊の世代は、外国行きのチャンスを高校生に譲ればいいのに、そういう意識はありません。畢竟、日本はとても貧しい国になってしまいました。
コロシオを暗殺したのは、暗然たる犯罪集団であるマフィアです。日本のヤクザは顕然たる犯罪集団なので、このようなことはできないでしょう。 これには、PRIのサリナス大統領兄弟が関与していたと言われています。サリナスは大統領退任後、アメリカの企業(たしかフォード)の取締役になるなど、メキシコには戻れない状況が続きました。急遽大統領候補になったセディージョ文科相はそのまま大統領に当選しました。つまり、コロシオを大統領にしないためには、選挙で落とせる可能性はなく、殺すしかなかったわけです。
その後、まったく偶然に、私は1996年にメキシコ東海岸のメキシコシティーで、(車窓から)PRIの本部を見たことがあります。縦長の建物で、日本の自民党本部よりも小さかったので驚きました。その後、2000年にPRIは政権を失いましたが、昨年政権復帰しています。もちろん、大統領は青い目をした白人です。
総理大臣を選ぶ選択肢(自民党総裁か、民主党代表か)は、私たち国民が衆議院議員総選挙のたびに持つべきです。
ぜひ、麻生財務相は「30勝1敗はみっともない」などと言わずに、アメリカのように、大統領選に出馬した上院議員の後釜が反対党から選ばれてしまうような政治体制をしっかりととって、天皇陛下をお守りする政治体制を一から学ぶべきです。
さもなくば、2015年9月の自民党総裁選に前後して、「安倍暗殺」「石破暗殺」「麻生暗殺」などという見出しが飛び、世界からバカにされる日本になりかねません。心して、自民党員はその危険性をおしはかるべし。大切なのは、皇統の存続であり、日本国の存続です。