【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

鬼の居ぬ間に岡田民主党の団結強まる 民主党2015年定期党大会

2015年03月01日 22時03分34秒 | 岡田克也、旅の途中

[写真]鬼になった岡田克也前副総理、2015年1月31日、岩手県内、民主党ニュースから引用。

 鬼の居ぬ間に岡田民主党へのフォロワーシップが高まりました。

 民主党は代表落選に伴う第18回臨時代表選のために通常国会前から延期していた、2015年定期党大会を、平成27年2015年3月1日(日)、東京プリンスホテルで開きました。

 今回おそらく初めて、他党の来賓を招待しませんでした。これについて、枝野幸男幹事長は「内部的にしっかりとまとまることが大事で、代表と私もそういう考えだ」と語り、あえて招待しなかったことを明言しました。

 民主党は1998年4月27日(月)に赤坂プリンスホテル=解体=で開いた結党大会で、来賓の無所属の渡部恒三・衆議院副議長が「私の帰る家をつくってくれてありがとう」と語り、そのうえで、前年秋の山一證券自主廃業に始まる金融混乱を例示して、「新進党が残っていたら次の選挙で政権が取れた」として、来賓としてやってきた自由党の小沢一郎党首=登壇せず=を揶揄し、場の空気を整えたところから政権政党への11年の歴史が始まりました。

 昨年、福島県のホテルハマツでひらかれた2014年定期大会では、日本維新の会国会議員団幹事長、生活の党国会対策委員長(ともに当時の政党名)が選挙区と関係ない福島県に出張しましたが、紹介された後で登壇せず退場しました。2010年に日比谷公会堂で開かれた民主党定期党大会は直前の所属議員が逮捕されたこともあり、来賓の連立与党党首の国務大臣が緊張感からあいさつ中に内容を忘れ無言になるハプニングが発生しています。

 もう代表選など過去のことなのでどうでもいいのですが、岡田克也代表・枝野幸男幹事長らが「自主再建路線」を明確にしたとみられます。

 ところで、突然卑近な例で恐縮ですが、きょうは私の41歳の誕生日でした。

 私の選挙デビューである、第16回参院選で応援した候補者(現民主党閣僚経験者)の対抗馬の名前が大会で出て驚きました。その閣僚経験者がながく県連代表を務める県連の幹事長である県議が統一選に立候補せず引退するとしてうえで、その対抗馬=故人=と一緒に旧民主党をつくったと話しました。その選挙は定数2で、有効得票総数93・7万票。閣僚経験者が37・9万票でトップ当選、対抗馬が30・9万票で2位当選。この2人の当選者だけで7割以上の得票率になります。さらに次点も民社党公認候補で14・0万票獲得していましたから、今の民主党県連に結集した勢力は82・8万票とっており、得票率は88%になります。自民党系と社会党系が県連の代表と幹事長でタッグを組んでいると、ものすごく強いということです。旧党派の名前を言うことがタブー視されていますが、旧党派がしっかりと手を組めば、とても強くなると感じました。それが民主党の強さであることはもうしばらく続くでしょう。

 大会実行委員長は前田武志先生、議長団は、金子徳之助先生の令嬢である金子恵美衆議院議員、そして、細川・羽田内閣の影の立役者である山岸連合会長の産別出身の石橋参議院議議員が岡田代表の留守をしっかりと守りました。

 
[写真]民主党2015年定期党大会、2015年3月1日、東京プリンスホテル、筆者(宮崎信行)撮影。

 来月選挙の地方議員団の登壇では、場内から、国会議員である執行部に後ろに下がって地方議員団を前にするよう、野次が飛びました。

 連合の古賀会長は「岡田新体制のもと、党一丸となって、結束し、党運営の風土の改革をし、繰り返し、粘り強く愚直な対話をすることが大事だ」と語りました。

 枝野幹事長は、大会後の記者会見で、第24回参院選(来夏)からの18歳、19歳の新有権者について、「我々の応援団である、連合による組合からのアプローチが重要だ」としました。まったく同感です。

 そして、党大会は、ヨーロッパの「ファイナル・カウントダウン」が流れフィナーレ。

 まさに、岡田民主党がファイナルカウントダウンを迎えているとの演出。岡田代表が倒れれば、民主党は潰れます。旧党派のもとにしっかりと結束しなければなりません。

 まさに鬼の居ぬ間に、岡田新体制の結束と、岡田代表への忠誠心、フォロワーシップを誇示した民主党大会となりました。

 なお、政党基金は総選挙未払金を考慮すると、100億円強が年越ししており、ことしも同程度を繰り越す予定。枝野幹事長は「予定される大型選挙を考えると厳しい」と強調、まったく同感です。今年の予算では支出で経費削減を盛り込みました。昨年の決算で、党費2・3億円のほか、党への献金がわずか300万円だったと報告。ことしは党費3億円、献金1000万円を目指すことが予算に盛り込まれ、承認を得ました。民主党献金大作戦で、働く者、若者、既得権益を持たない改革を求める者の発言力を確保してまいろうではありませんか。