宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

衆参とも民主党委員長がスピード審査、制定法律第2号へ 風間直樹・沖北特別委員長、可決を宣言

2015年03月27日 18時24分53秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

[画像]法案の可決を宣言する、風間直樹参議院沖縄及び北方問題に関する特別委員長、平成27年2015年3月27日(金)、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

【平成27年2015年3月27日(金)参議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会】

 民主党が衆参とも委員長をつとめているのは、「沖縄及び北方問題に関する特別委員会」(両院とも同じ名称)だけです。衆議院側は元国家戦略相の古川元久さん、参議院側は元外務政務官の風間直樹さんが委員長を務めています。

 平成27年2015年は、第1次補正予算関連法の改正地方交付税法が、議案番号189閣法1号として可決・成立し、、法律番号は平成27年2月12日法律第1号となって、公布、施行されています。 ただ、これは補正にともない地方交付税の総額を書き換えるだけの法律です。

 きょう風間委員長が採決し、可決した「沖縄県における駐留軍用地跡地を県庁が先行取得できる特別措置法改正法案」(189閣法9号)は、内閣・与党国対は「※指定(日切れ指定)」をしていないにもかかわらず、来週月曜日3月30日の参議院本会議で成立する運びとなりました。法律番号は税法と前後するかもしれませんが「平成27年法律2号」になる可能性が高まっています。沖縄でも那覇市の牧港補給地区の段階的返還や、将来的な普天間基地返還などで、高齢者である軍用地主が年間200万~300万円の使用料を得られなくなるのではないかとの不安が高まっており、国が指定した土地を県庁が先行取得することで、ますます沖縄経済が発展していくことになりそうです。人類史上最も悲惨な地上戦で失った土地を取り戻そうとする沖縄県民の政治意識の高さが、将来像を見据えて政治をする、民主党の委員長を突き動かしたのかも知れません。公布日に施行。

【同日 参議院地方創生および消費者問題に関する特別委員会】

 

 上の画像のように、石破地方創生担当大臣と、山口消費者担当大臣がならんで出席。衆議院では別々の委員会ですが、参議院では合併したので、会期末の波乱要因となりそうです。ただし、消費者庁は今国会では提出予定法案はありません。参議院自民党も波乱を未然に防止するためか、国会対策に強い西田昌司さんを委員長に据えました。西田さんは昨年の通常国会で、会期末に、急きょ、厚生労働委員会筆頭理事としてリリーフするなど、国会運営をリードしてきています。

 きょうは所信表明だけで終わりました。

【同日 参議院東日本大震災復興および原子力問題調査特別委員会】

 こちらも、衆院と違って、参議院は2つの委員会を1つに合併しました。

 ただ大臣は竹下亘復興大臣が主で、質疑者も「原子力については以上です。次に復興について質問します」という風に質疑していました。

【同日 参議院予算委員会】

 集中審議の2日目が行われました。

【同日 衆議院文部科学委員会】

 ちょっとこれはどうかと思うのですが、「toto独立行政法人日本スポーツ振興センター法改正案」(189衆法 号)が突然起草され、全会一致で可決しました。


[画像]法案を趣旨説明する、公明党の浮島智子さん。

 公明党の浮島智子さんの趣旨説明によると、子ども子育て支援法の施行にあわせて、totoの売り上げを、地域型保育事業(家庭など)における災害補償などに臨時的に充てることができる法律案のようです。来年4月1日施行。地域型保育事業がなぜ文科省所管法人が補償するのか理解できません。最近の公明党らしい羊頭狗肉の邪道に感じます。ていねいな根回しのすえ、全会一致で可決した法律案になんか言うと、国会議員に「むかつく」と言われるでしょう。しかし、見過ごせません。

 この後、この委員会では遅れていた、大臣所信に対する質疑が行われ、全会派一巡しました。

【同日 衆議院厚生労働委員会】

 中退共などの厚労省関連独立行政法人改革法案(189閣法23号)が趣旨説明され、散会しました。同委員会には、国保を都道府県にする法案が「※日切れ指定」されていますが、日切れ指定でない法案が先に審議入りしました。理由は分かりませんが、労働法制改悪法案の審議未了廃案をめざす民主党理事との攻防があったと推測されます。

 この法案に限らず、一般論として、民主党の岡田克也代表は同日の定例記者会見で次のように語りました。「以前から日切れの本来の意味でないものが紛れ込んでいると言われてきましたので、理事会と国対で議論して判断しなければならないと思う」とし、日切れを含む法案の審査順について、現場に任せながらも、複数の委員会で理事同士の攻防があることを把握していることを、示唆しました。

【同日 衆議院外務委員会】

 「在外公館の位置と給与法案」(189閣法11号)が全会一致で可決しました。ただし、午前9時半ごろの採決直前に定足数割れとなっており、一時中断しました。

【同日 衆議院法務委員会】

 「船舶の所有者の責任の上限に関する法律の改正案」(189閣法7号)が審議入りしました。これは条約の国内実施法で、条約の発効までに国内法制を整備する必要があるため、施行日は「6月8日」となっており、事実上その日までの日切れ指定法案ということになります。法務省はこれとは別の2つの法案を日切れ指定にしていましたが、まだ審議入りしておらず、局ごとに性質が違うと指摘される法務省では、今国会は、ひじょうに訳が分からない国会対策となっているといえそうです。

【同日 衆議院経済産業委員会】

 「株式会社商工中金法と中小企業信用保証法改正案」(189閣法17号)が審議入りしました。

【同日 衆議院環境委員会】
【同日 衆議院地方創生に関する特別委員会】

 ともに、所信に対する質疑が終了しました。

以上
(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 2007-2015

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岡田克也「ゼンセンのように非正規増え労働組合の質を変えて」気がつけば、最大産別の最大単組はイオン

2015年03月27日 17時47分03秒 | 岡田克也、旅の途中

[写真]岡田克也さん、平成27年2015年3月27日(金)、民主党本部、筆者(宮崎信行)撮影。

 岡田克也さんというのは本当に運命の人だと思います。

 ふと気づいたら、連合の最大の産別、UAゼンセンの最大の単組は、イオングループ労連です。

 私はこのことに昨年末気づいたのですが、きょうの岡田さんはどういうわけかご機嫌でしたので、聞いてみました。

 私は「連合最大の産別の単組が知らぬ間に、イオングループ労連になっていたが、使用者側は岡田さんのお兄さん(岡田元也イオンCEO)だ。労働法制が国会で審議されるが、非正規雇用で働く仲間は、民主党代表である岡田克也さんを頼ってもいいのか」と質問してみました。

 岡田さんは

 「私は労働組合が非正規の人を組合に加入してもらう方向性は重要なことだと思います。UAゼンセンは増えていると聞きますが、これは産別によってだいぶばらつきがあります。非正規の方が増えると、労働組合の性質も変わってきます。なかなかつらいこともあると思うんですね、正規の方と非正規の方、だいぶ状況が違いますから。ただ、そういうことを乗り越えて、各産別が努力していただいた方が長期的には良いのかなと。もちろん、それは最終的にはそれぞれの労働組合が決めることですが、そういう風に思っています」 

 と語りました。

 1990年2月、自民党竹下派衆議院議員だった岡田さんは現在の状況を想像すらしなかったと思います。

 100年以上前に、日本の労働運動が始まってから、ゼンセン(全繊)はずっと最大の産別(産業別労働組合)です。民主党結党メンバーの勝木健司参議院議員はダイエー労組出身でしたが、イオングループ労連からはまだ参議院議員は出ていません。

 UAゼンセンは伝統的に、パート、アルバイトの人にも加入の働きかけ(オルグ)をしており、最も多くの非正規労働者を組織している労働組合であり、同時に正社員が同じ職場の非正規労働者をチェックする「職場から始めよう運動」の先達であり、「正社員クラブ」と揶揄される連合の中で、異彩を放つ存在で、ほとんど唯一組合員総数を増やしている産別。

 連合の2015年春闘回答の一覧表を見ると、月例賃金は1000円~2500円ぐらいのベースアップが多いようで、自動車、電機に比べると全然少ない。そもそも、回答自体が他の産別より遅く、川下の第3次産業までアベノミクスが浸透していないのは明らか。そもそも、今の「200万人が65歳になり100万人しか18歳にならない日本」では、労働力人口は毎年2%ずつ減るのだから、有効求人倍率が改善し、人手不足解消のため極端な昇給をマスコミに発表する第3次産業のワンマン社長はこれからも増えるでしょう。

 だからこそ、UAゼンセンが、「労働の質」を守らねばらならない。真価が問われています。

 ちなみに、第3次産業の経営者が経団連の会長になったことはないし、使用者代表の旧日経連でも三菱財閥の日本郵船の経営者ぐらいしか、第3次産業の経営者が会長になったことはないと思います。だから、「岡田元也経団連会長」なんてことはありえないし、だいいち、経団連は早く潰れてくれた方が、労使ともメリットが多いです。

 
[写真]UAゼンセン組織内の職場で働く仲間、都内某所、2015年3月27日、筆者撮影。

 食品スーパーあるところに、UAゼンセン組合員あり。すなわち、日本列島、生活者のそばに、どこにでもUAゼンセン組合員がいる。

 ゼンセン組合員が笑顔で働ける国は、きっと良い国だと思う。 

 団結よーい。

 岡田民主党と古賀連合の足並みをそろえて、すべての働く者の安心社会の実現に向けて、

 労働者団結、国民団結、ガンバロウ!ガンバロウ!ガンバロウ!