【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

ダンスホール規制を除外する風俗営業法(風営法)改正法案を再提出 成立・施行は連休以降か

2015年03月03日 23時59分28秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

(このエントリーの初投稿日時は2015年3月4日正午で、それから3日付にバックデート)

 ダンスホールを風営法の規制から除外する、風俗営業法改正法案が、平成27年2015年3月3日(火)、内閣から衆議院に提出されました。

 昨年秋の臨時国会(第187回国会)に提出された法律案(議案番号187閣法24号) と同じ文面。臨時国会では、付託すらされないまま、衆議院解散により審議未了廃案になりました。警察庁提出法案は、衆参の内閣委員会で審議されますが、今国会でも「個人情報保護を定めたマイナンバー法改正法案」(未提出)や、アベノミクス第3の矢「特区法改正法案」(未提出)が優先されて審議されると観測され、審議入りは、連休前後にずれ込む可能性があります。ただ、もともとは業界団体やダンス愛好者がつくる団体が、超党派議員連盟に働きかけていた改正のため、仮に審議入りし、採決すれば、可決・成立は確実と思われます。

 法律案の情報は、警察庁ウェブサイト(http://www.npa.go.jp/syokanhourei/kokkai/index.htm)から取り出せます。

 このブログを自分で検索してみれば、意外や意外、この法律案だけの見出し立てのエントリーを書いていないことが分かり、少し内容をまとめてみます。

 現行の風営法は、「客にダンスをさせる営業」について、1号営業から4号営業にわけています。

 1号営業は「キャバレーなど」で、ダンスと接待と飲食を提供する2602軒(おととし末)。

 2号営業は「待合など」で、接待と遊興または飲食を提供するもので、6万4349軒(以下、同)。

 3号営業は「ナイトクラブなど」で、ダンスと飲食を提供する391軒。

 4号営業は「ダンスホールなど」で、ダンスだけを提供する140軒。

 このうち、4号営業「ダンスホールなど」は、風営法の規制対象から外します。法律案が参議院本会議で可決し成立した場合は、その数日後に天皇陛下が公布し、その日から施行さされ、規制から外れます。

 そのほかの改正は、公布から1年以内の日から施行し、その日は、内閣が政令で決めて、官報で公示されます。

 現行1号営業はそのまま、新1号営業に。現在の2号営業もそのまま新2号営業になります。

 3号営業は新2号営業、特定遊興飲食店営業、飲食店営業の3つのうちのいずれかに分類され、規制されます。ただ、現行3号営業の「ナイトクラブ」は全国で391軒ということですから、利害関係者は個別に調べていただきたいと存じます。2号営業6・4万軒は、すべて新1号営業に移行することになりますから、社長も県警も、理解は簡単ということになります。議員立法の予定が、警察庁提出にかわったので、規制が複雑になるのかと思いましたが、良心的な改正法案だと考えます。

 警察庁は「道路交通法(道交法)改正法案」(未提出)も今国会に提出予定。これに関しては、当ブログが、参議院通常選挙の年の通常国会に参議院で先議で提出される現象が、2004年から2012年まで4回連続となっていて、国会対策は上手いものの、「いかがなものか」と疑念を提示していました。(

警察庁の国会対策は不自然なのか?見習うべきか? 道路交通法改正法案が4たび参議院先議の怪

)やはり道交法改正案となると、丁寧な法案審査を国会にしてもらうことで、国民への周知を図ることの大事さを、国対のうまい、警察庁自ら他省庁に示してほしいところです。


衆議院財務金融委員会と総務委員会が店開き 予算関連日切れ法案が年度内ギリギリの攻防

2015年03月03日 22時12分23秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

【平成27年2015年3月3日(火)衆議院財務金融委員会】
【同日 衆議院総務委員会】

 「店開き」と通称される、所管大臣の所信表明演説と、副大臣・政務官らのあいさつや、省予算の補足説明などが開かれました。

 財金委は定例日のあす4日(水)に大臣所信に対する一般質疑、総務委は定例日のあさって5日(木)の午前8時半から行うとみられます。

 一般質疑で各会派一巡後に、税制改正法案のそれぞれ国税分、地方税分がそれぞれの委員会で趣旨説明され、審議入りするもよう。

 財金委には、民主党が提出した対案「格差是正及び経済成長のために講ずべき税制上の措置等に関する法律案」(189衆法おそらく4号)も審議される見通し。始めから閣法とセットか、途中から閣法とセットで審議されると考えられます。おそらく、野党第一党が包括的な対案を議員立法として提出したのは国会史上初めてかもしれません。個人的にはまだ現物を見ていないので、あす以降よく読んでから、またその評価というのはしていこうと考えます。

  例年よりも2週間近く遅れており、年度内成立はきわめて微妙な情勢。

 予算委はあす地方公聴会になります。

【同日 衆議院予算委員会】

 集中審議2日目「外交と安全保障など」が開かれました。

 民主党の長島昭久さんは、安全保障法制の再整備法案の提出よりも前に、たとえば4月下旬の大型連休で予定される訪米で、首相がガイドライン(日米防衛協力のための指針)の再改定に応じないよう求めました。

 維新の党の松野頼久さんは、東京電力福島第一原子力発電所の雨水が、直接外洋に出ていたことから、セシウムとストロンチウムがWHOの基準を越えていたことを明らかにしました。

 長島質疑と松野質疑はエントリーに起こしたいところですが、ちょっとあわただしい3月となってきましたので、起こすかもしれないし、起こさないかもしれません。長島質問は歴史的な表情になりそうな気がしました。