[画像]附帯決議案を趣旨説明する、大串博志さん、2015年4月2日(木)、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。
衆議院安全保障委員会は、同委では珍しい長時間の徹底審議で、昨秋から議題となっていた、特定防衛調達法案(189閣法20号)が附帯決議付きで可決しました。一方、参議院外交防衛委員会では、自民党の片山さつき委員長が理事懇談会の遅刻を涙ながらに謝罪して、日切れ法案がようやく審議入り。第189回安保法制国会の前哨戦は、民主党のリードで始まりました。夏にかけて、命がけの国会が始まりました。
きのう4月1日の国会運びをエントリーにしていなかったので、1日・2日分をまとめます。
【平成27年2015年4月2日(木)衆議院安全保障委員会】
31日(火)と4月2日(木)の2回で、民主党からは、大串博志筆頭理事、昨秋の筆頭理事だった津村啓介さん、小川淳也さんの3人が質疑に立ちました。
31日の津村さんの質問で、純国産哨戒機「P1」(ピーワン)の調達コストが、今回の7年間で20件よりも、安く取得した単年度があり、この理由を防衛副大臣が通信機器の積み増しによるものだと答弁していました。
きょうの質疑で小川さんは、「財政民主主義として例外であるし、財政規律からして長期的に縛られる」としました。そのうえで、「防衛調達は鬼門だ」として、1998年の額賀防衛庁長官就任直後の水増し請求事件、防衛施設庁(当時)の官製談合事件、守屋事務次官の収賄事件などの経緯から、「組織改革が文化や習慣を変えていない」と指摘しました。
この後、防衛省調達の、内訳を質問。これに対する答弁で、
一般競争入札が年間で1万6700件、件数ベースで39・7%、金額ベースで19・5%
指名競争入札が900件、2・1%、0・1%、
随意契約が2万4400件、58・2%、78・4%
と明らかになりました。この金額ベースが大きい発注ほど随契が多くなるという傾向は防衛省だけに顕著な現象だと考えられます。
小川さんは「市場が限られた特殊な世界だ」として、「三菱重工業など契約上位20社にOB40人が再就職している」としました。そして、内閣府が監督している「公益財団法人防衛基盤整備協会」の売り文句に、「わずらわしい防衛調達の手続きから解放します!(ビックリマーク)」としているとし、「わずらわしくしているのは、防衛省ではないか」と迫りました。
さらに、予算書に、「調整額」という防衛省独自の費目があるとして、予算が足りないときは調整額を減らし、ある時は増やしており、防衛省が防衛装備品メーカーに頼るかたちになっていると示しました。これに対して、中谷防衛相は「今後は調整額で計算価格を(予算が足りないという理由で)減額することはないようにする」と答弁しました。
この後の討論で、日本共産党の赤嶺政賢さん(沖縄1区)は、「財政法は当初国会議員の任期内ということで、国庫債務負担行為を3年までとしていたが、その後、5年となり、(繰越明許無しに翌年度に繰り越せる)継続費も認められて、今の装備ができた」とし、特定防衛調達法案は「損害賠償をしなければ契約後の減額修正もできず、国会の予算編成権もしばるものになる」として反対しました。
法案は採決され、共社の反対、自公民維の賛成多数で可決しました。この後、民主党の大串さんが附帯決議案の趣旨説明をし、「できるだけ国民に情報開示する」と釘を刺した決議を、自公民維社の賛成多数で決議しました。次の本会議で可決し、参議院に送られる見通し。この後は、防衛装備庁設置法案も審議されることになります。その後、5月からは安保法制に関して、特別委員会が設置される見通しで、設置後は、安保委員の多くが特別委員に移り、歴史的問答を展開することになります。
【同日 参議院外交防衛委員会】
日切れ法案合計4本のうち、まだ1本しか参議院に送られていませんが、あろうことか、片山さつき委員長(自民党)が先週の理事懇談会に遅刻したので、1つも審議入りしていない状態で、新年度を迎えました。
片山さつき委員長は冒頭、消え入りそうな声で謝罪しながらも、「今後もご指導ご協力をたまわりたい」とぬけぬけと委員長続投を宣言する厚顔ぶり。一般質疑に立った民主党の小西洋之さんが、「紙を読んでいるだけだった」として、再度謝罪を求めると、ぬけぬけと涙を流す役者ぶりを見せました。
[画像]謝罪する片山さつき・参議院外交防衛委員長、2015年4月2日(木)、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。
この後、小西さんが昨年7月1日の「国の存立をまっとうする切れ目の無い安保法制のための憲法解釈の再整理」について、横畠裕介・内閣法制局長官と論戦。この中で、昭和47年(1972年)政府統一見解の「急迫不正の事態」と「急迫不正の侵害」は同じ意味で、他国から我が国への武力攻撃をさす、と40年間に合計7名(のちに就任した者も含む)の歴代内閣法制局長官が答弁しており、昨年7月1日の閣議決定で、死活的経済利益にもとづき、他国への武力攻撃をできるという憲法解釈はできないと指摘。横畠さんは、1972年の文書は政府統一見解の文言しか残っておらず、その当時の作成者の意図を記した文書は残っていないとしました。昨年7月1日の閣議決定が羊頭狗肉でしかないことが明白になりました。
続いて、白真勲さんは、憲法前文の「われらは、全世界の国民が、(略)平和のうちに生存する権利を有することを確認する」の「全世界の国民」が日本国民以外も指すのではないかと質問。横畠さんは「文字通りだ」と答弁し、全世界の国民の生存権を規定した憲法と、日本国民の経済的利益のためにホルムズ海峡で他国に対して武力攻撃する憲法解釈の再整理は矛盾していると強調しました。
一般質疑後に、「在外公館位置および給与法案」(189閣法11号)が趣旨説明されました。
この委員会も、仮に今国会で安保法制の再整備特別委員会が参議院でも設置され議題となった場合は、大野元裕・筆頭理事や小西洋之さんらの特別委員就任は確実で、まさに命がけの歴史的国会にのぞむことになります。
【きのう4月1日の衆議院外務委員会】
一般質疑の後、日切れ法案の「緑の機構基金への拠出法案」(189閣法12号)の趣旨説明がされました。
このほか、きのう1日の衆院は、経済産業委員会で日切れ法案「株式会社商工中金および中小企業信用共済法改正案」(189閣法17号)が質疑終局、8日に採決へ。財務金融委員会で「株式会社日本政策投資銀行法改正・延長案」(189閣法13号)が趣旨説明されました。厚生労働委では「厚労省の一部の独立行政法人の改革法案」(189閣法23号)で与党質疑がされました。衆・法務委では条約発効に向けた国内実施のため、事実上の日切れ法案である「船舶所有者の責任の上限を引き上げる法案」(189閣法7号)が審査されました。農林水産委員会は、農業・農村基本計画の決定について農相から説明を受けて散会しました。
【きのう4月1日ときょう2日の参議院予算委員会】
きのうは集中審議3日目「社会保障と地方創生」、きょうは一般質疑5日目が開かれました。
次回は来週水曜日(8日)の午後1時に設定されました。来週月曜日、火曜日は委嘱審査(各常任委員会、特別委員会が所管府省庁の予算を審議)が開かれます。
【4月2日(木)衆議院東日本大震災復興特別委員会】
日切れ法案「福島復興再生特別措置法改正案」(189閣法2号)が全会一致で可決しました。次の本会議で可決し、参議院に送られます。自治体に対する交付金を模様替えする法案なので、成立・公布・施行遅れによる実害はないと思われます。
【同日 衆議院憲法審査会】
保岡興治会長が、改めて、武正公一さんを会長代理に指名。その後、昨年解散前の経緯について、説明して、散会しました。
以上
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