宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

政府、農協法・農地法・農業委員会法改正案を提出、野党内で民主党、維新の党で異なる路線

2015年04月03日 23時59分59秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

(このエントリーの初投稿日時は2015年4月6日午後10時でそれからバックデートする予定)

 政府は、このエントリーの初投稿日時からすると、先週になる平成27年2015年4月3日(金)の閣議で、

 「農協法・農地法・農業委員会法を改正する法律案」(189閣法71号)を決定し、衆議院に提出しました。

 自民党国対委員長は、召集前から、この法案の審議は連休明けの5月から始める意向を表明しており、終盤国会で「集団的自衛権を行使する切れ目のない安保法制整備関連法案」(未提出)とは別に、衆参農水委員会で白熱した議論になると考えられます。今国会で参議院での採決、可決までいく日程感が予想され、修正議論も起きそうです。

 法案は、単位農協(地域農業、JA)が自由な経済活動を行い、農業所得の向上に「全力投球できる」のがねらい。農水省PDFでは実に226ページという極めてボリュームの大きい法案で、通例もっとも多い年次税制改正法案の半分程度という旧法改正法案としては大変な量になります。

 全農(JA全中)が一般社団法人になり、県中央会が単位農協連合会の位置づけになります。

 農地法は6次産業化(農商工連携)を促すため、農業生産法人の要件を見直します。これとは別に衆参内閣委に付託されるとみられる、「第5次地方分権一括法案」(189閣法51号)には、4万ヘクタールを超える農地の転用の許可が、農水省から県庁に移管されることになっており、今国会での成立は確実な情勢。農業生産法人の要件緩和については、商社がこれまでのように農地を取得する方向性から、付加価値の高い農産品に限り農業者からJAを通さず集荷する方向性への転換を図っている、との観測があります。

 農業委員会法は、選挙から、市町村長の専任制に変更します。

 昨年末の総選挙によって誕生した、第47期衆議院において、民主党は、JAや、その組合長、JAの政治団体的な性格をもつ「農政連」の支持を得て当選した議員が極めて多くなりました。その一方で、維新の党では江田憲司代表の地元は全国的にJA准組合員が極めて多く、住宅ローン販売では、地元地銀・信金や都銀とのみつどもえの戦いが続く地域です。このような背景から、民主党と維新の党が意見対立することは確実で、今国会で野党の足並みが最も乱れる法案と思われます。

 JA全中の機能縮小は、農林中央金庫(Nochu)の資金量を減らすことを、安倍官邸の取り巻き民間人がねらっているとの観測もあり、農中のあり方も問われます。

 農水省は今国会に4本の法案を出していますが、この法案が圧倒的に重要であり、本会議での代表質問も行われますが、委員会での審議は早い段階に入るとみられ、関連団体の働きかけも活発になると考えられます。准組合員制度の拡充に関しては、農業者のみなさんも、たとえ融資の残債があっても、「我こそは日本列島の守り手なり」と、勇気をもって発言してください。このままでは終わりです。

 この法案に限っては、民主党よりも江田維新の党を応援したい気もしますが、もう少し各党の意見を見極めたいです。
以上
(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 2007-2015

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スマホの契約は8日間以内なら解除できる電気通信事業法・電波法・放送法改正案提出

2015年04月03日 23時59分41秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

(このエントリーの初投稿日時は2015年4月11日午前8時で、それからバックデートしました)

 政府は「電気通信事業法・電波法・放送法などの改正法案」(189閣法66号)を閣議決定し、平成27年2015年4月3日(金)、衆議院に提出しました。

 この法案は、衆参の総務委員会で審議される見通し。今国会の法案はすいており、衆参とも同じ政党(公明党)の委員長でもあることから、成立する可能性が高いと考えられます。仮に成立した場合は、公布の日から1年以内の政令で定める日。おおむね、2016年の1月~7月ごろになると予測されます。

 スマホなど携帯電話の初期の契約を8日間以内なら解除できるようになります。料金・利用者の範囲・利用状況などの書面の交付も義務付けられますが、「代理店への指導」までが法律事項。 ケーブルテレビ放送事業者に対しても適用されます。

 その他の細かい技術的な改正も一本にまとまっています。

 首相官邸の「日本再興戦略」(平成25年6月閣議決定)と総務省の「情報通信審議会答申」(平成26年12月)を基に作成された法案です。 


残業代ゼロ法案は博士受難の時代、労働基準法第14条第1項などの改正法案を政府が提出

2015年04月03日 23時59分37秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

(このエントリーの初投稿日時は2015年4月4日午前8時でそれから4月3日付にバックデートしました)

 政府は平成27年2015年4月3日(金)の閣議で、「労働基準法改正案」(189閣法69号)を決定し、衆議院に提出しました。

 この残業代ゼロ法案を見るときは「現行労働基準法第14条第1項」をおさえるべし。

 労基法第14条は「労働契約」の「契約期間」を定めています。ちなみに、労働契約とは、民法でいう「雇用」とまったく同じ意味です。「労働契約法(平成19年2007年法律128号)」の施行後は、労働法制では「労働契約」という言葉に書き換わっています。

 まず14条第1項は、「専門的な知識、技術または経験であって高度のものとして厚生労働大臣が定める基準に該当する専門的知識等を有する労働者との間に締結する労働契約」という分類、定義を決めています。

 この分類はどのような労働者か。その細目は、省令が定めています。省令は法律ではないので国会の審議が不要。与党の厚労大臣が署名で突然変えることができます。

 省令、

 「労働基準法第14条第1項第1号の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準(平成15年2003年10月22日厚生労働省告示第356号)」

 は、次の人が労働基準法第14条第1項の「労働者」だとしています。

 1、博士の学位を有する者・・・ですから、博士は全員対象になります。
 2、12の国家資格・・・このうち、公認会計士、一級建築士、薬剤師、技術士が会社員には多いと思われます。
 そして、(略)
 5、次のいずれかに該当する者であって、労働契約の期間中に支払われることが確実に見込まれる賃金の額を1年あたりに換算した金額が、
 「1075万円」を下回らない者としています。

 この「1075万円」は、国会の審議無しに、厚労省の一存で「省令」で変えることができます。これを野党・民主党は警戒しています。

 ここで、いったんまとめると、博士、会社員や団体職員でである公認会計士・一級建築士・薬剤師・技術士と、年給1075万円以上の労働者(システムエンジニアや、その業種につながる学科を卒業した大学・短大・高専・高校卒業者で就業後5年ないし7年経った者)が、労基法第14条第1項の対象になります。

 今次改正法案は、この第14条第1項にもとづく労働者を、すべて「特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)」と名付けて、労働時間・休日・割り増し賃金の法律による保護から除外する、とした法律案で、抜本的な改正といえます。

 実はこの、労基法第14条第1号を改正しようという動きは、以前からありました。

  昨年11月21日の衆議院解散の数分前に「専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法」 が民共の反対、自公維の賛成多数で可決・成立し、今週の4月1日(水)から施行されました。これは、14条1号の労働者の労働契約の期間を5年間から10年間に延長する法律。このため、例えば大学教授で今週から同じ大学で6年目に入った人は、この法律にもとづく有期雇用かもしれませんし、無期雇用かもしれません。この特措法案は昨年の通常国会で、国会技術的には極めて異例な「衆議院で可決して参議院で審議未了ながら閉会中審査になった法案」です。

 これが、テレビ放送されていた衆議院解散のニュースの数分前に委員長が報告し、起立し、可決・成立した法律3本のうちの1本です。ニュースを見ていた人も多いでしょう。これとは別に、労働者派遣法改悪法案は解散と同時に廃案になりました。

 なので、今週6年目に入った博士は「首がつながった」のだからまだいいとして、それ以外の博士は、物理学だろうがなんだろうが博士なんだから、もっと抵抗して良かったように感じます。筆者(宮崎信行)が最近始めたツイキャスラジオの2015年4月1日の放送で、リスナーの方から、「国公立大学の人は声をあげづらいようだ」との世論を教えていただき、それもそうかなと感じました。ただ、昨年11月の法律を当時どれだけ把握している人がいたのかなとの疑問はつきません。

 民主党は野党なので限界があります。法律案を審議未了廃案に追い込むテクニックしかありません。ただ、衆議院厚生労働委員会は、まだ審議入りしていない法案が8本ある状態で、来週から残り11週間の後半国会(ただし延長は確実な見通し)を迎えます。

 野党・民主党の岡田克也代表は、労働者派遣法改悪法案(189閣法43号)通さないためにどうすればいいかという視点で、いろいろなものを組み立てていきたい」と先月の記者会見で述べており、労働者派遣法改悪法案の審議未了廃案の方を優先する作戦です。

 派遣労働者の声と、博士の声のどちらが通るか、両方通るか。ーー昨年の国会では「ハケン」の声が通りました。博士受難の時代ですが、我こそはオピニオン・リーダーたりという気概を持っていただきたい。

以上
(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 2007-2015

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電力システム改革プログラム第3弾、電気事業法・ガス事業法・経産省設置法改正法案

2015年04月03日 23時59分23秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

(このエントリーの初投稿日時は2015年4月11日午前8時で、それからバックデートしました)

 政府は平成27年2015年4月3日(金)、「電力システム改革プログラム第3弾の電気事業法・ガス事業法改正案」(189閣法66号)を国会に提出しました。

 第1弾は前回参院選前の通常国会会期末にトラブル的に参議院で審議未了廃案となり、与野党の言い合い、衆議院議員は支持者から聞かれても経緯がさっぱり分からないという、泥沼になりました。

  第1弾は工程表、第2弾は電気の小売業への参入の全面自由化、第3弾は送配電部門の法的分離、電気の小売り料金の全面自由化が盛り込まれました。仮に成立すると、平成30年2018年から平成32年2010年までに実施される見通し。

 私正直言って、経産省とくに電力ガスの分野は得意ではないのですが、概要をみると、持ち株会社の下に、発電会社、小売会社をぶら下げて、その下に、送配電会社をぶら下げることができるようです。おそらく送配電部門で働く人の給料を下げていく方向性で、コストカットをする、という考えなのではないかと感じます。

 ガス事業法改正条文では、家庭へのガス小売りを全面自由化。

 熱供給事業法の改正条文では、許可(法律で禁止されていることを役所が一時的に許すこと)制をやめて登録制にするので、これは参入しやすくなります。

 経済産業省設置法の改正条文では、大臣の下に、「電力・ガス取引監視等委員会」をつくるという内容。

 ただ、まあ私は正直言って、東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故のときまで、「経済産業省原子力安全・保安院」が、執行機関とチェック機関を兼ねていたとは知りませんでした。同省は、庁、院、委員会があり、建物が大きいからといって、組織も肥大化していくことには一貫して懐疑的な立場を持っています。

 いずれにせよ、東電役員を逮捕できない法務省も情けないし、原発再稼働は止めて、核燃サイクルも終了を宣言し、電力会社のバランスシートの核燃料を「資産」から「負債」に移すべきだと考えます。どう帳尻を合わすかは、自分で考えろ、といったところです。


特区法改正案、今国会に再提出「公証人特区」「地域限定保育士」「公園内の保育所」

2015年04月03日 23時59分13秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

(このエントリーの初投稿日時は2015年4月11日午前8時で、それからバックデートしました)

 政府は、平成27年2015年4月3日(金)、特区法改正案(189閣法65号、国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案)を決定し、衆議院に提出しました。

 まず、この中で、私がもっとも警戒していた「合わせ技」がありました。

 昨年秋の臨時国会に提出された法律案(衆委員会審議入り後に解散で廃案)にも入っていましたが、「公証人の公証役場外における定款認証特区」が入りました。

「公証人は公証役場において職務を行う必要があるが、役場外のワンストップセンターにおける定款認証が可能であることを明確化する」という法案で、日本再興戦略を法律化するのがねらい。 

 これはすでに提出済みの「民法債権編抜本改悪法案」(189閣法63号)の中に、「金融債務の連帯保証での公証人による公正証書義務付け」と合わせ技で、特区を拡大し、銀行に公証人が「箱男」のように駐在し、連帯保証の公正証書をとる、ということになるでしょう。この連帯保証という制度は日本だけであり、手形の裏書から派生したもので、江戸経済の発展ぶりを示す誇らしい歴史ですが、平成の世ではレガシーシステム(時代遅れのどうしょうもない慣行)です。

 この辺は、なんでもエントリーにしておりますので、末尾に「関連エントリー」のリンクを張りますので、ご笑覧ください。

 今国会の改正法案から入ったのは、都市公園内における保育所設置の「管理者による占用の許可」 が入りました。これは賛同したいですね。

 臨床修練制度というものの特区で、外国医師を単独の診療所で、指導医による指導監督体制を確保し、国際交流の推進に主体的に取り組むものであれば可能となります。

 地域限定保育士は、県庁、政令指定都市の試験に合格すると、3年間の「地域限定保育士」になれるというものです。システムをよく理解し、ある程度の人生設計を立てたうえで、この制度を活用して職を得てほしいところです。

 民間(おもに塾)が公立学校を設立できる特区も盛り込まれました。民間教育利権は、下村文科相ら自民党総裁派閥清和会および麻生副総理が強いので、こういうのが入るのだと考えます。ただ、こういう学校法人優遇の政治は、今すぐ展開すべし。というよりも、もう遅いのですが。

 この法案は、おそらく衆議院地方創生特別委員会と、参議院地方創生・消費者特別委員会に付託される見通し。参議院の「消費者」について、消費者庁は今国会では珍しく法案を出していないので、衆参ともスムーズに進むと考えられます。今国会での成立はかなり有力だと考えますが、国会議員1人1人の考えにもとづき、議院修正もかけてほしいと考えています。

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社会福祉法人ガバナンス法案、医療法改正法案をそれぞれ提出

2015年04月03日 23時59分12秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

(このエントリーの初投稿日時は2015年4月6日付午後10時、アクセス数が安定した段階で、それから閣議決定日の3日にバックデートする予定)

 政府は平成27年2015年4月3日(金)の閣議で、

 「社会福祉法などの一部を改正する法律案」(189閣法67号)

 「医療法などの一部を改正する法律案(189閣法68号)

 をそれぞれ決定し、衆議院に提出しました。

 別々の法案ですが、議案番号は連続しており、衆参厚労委では2本同時に審議されると考えられます。本会議は省略され、委員会に直接付託される見通し。

 社会福祉法人の改正法案では、「評議員会」の設置を義務付け、大きい法人には会計監査人の導入を義務付けます。

 財務諸表・現況報告書・役員報酬基準などの公表を法律化します。そして、純資産の額から事業の継続に必要な財産額を差し引いた「社会福祉充実残額(再投下財産額)を明確にし、溜まり金を、新しい施設のオープンなどに誘導するのが狙いです。

 介護福祉士の退職金共済や再就職のハローワークのあっせんなどの待遇改善を盛り込みました。

 医療法の改正法案。これまでの病院の設置許可は県庁でしたが、地域包括ケアを助ける医療連携推進業務をやる一般社団法人(地域医療連携推進法人)が県庁の「認定」を受ける権利をつくります。地域包括ケアで、区域を定めて、地域社会が「評議会」をつくることも「認定」を受けたら、できるようになります。

 医療法人のガバナンス強化も乗り込まれ、貸借対照表(BS)と損益計算書(PL)の作成と公認会計士による監査・公告を義務付け。役員の兼業について報告書を知事に提出させ、理事会、社員総会の権限が高まります。

 施行日は、おおまかにいって、2年後です。

 衆参厚労委は、野党が、「労働者派遣法改悪法案(189閣法43号)」の審議未了廃案をねらっていることから、逆に、社福法改正案と医療法改正案は審議入りが早くなる可能性があります。 


岡田克也さん、日米ガイドライン、安倍内閣だけで憲法解釈を変えアメリカとまで合意したら「事は重大だ」

2015年04月03日 21時07分54秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

[写真]岡田克也さん、民主党本部内、筆者(宮崎信行撮影)。

 民主党代表の岡田克也さんは、平成27年2015年4月3日(金)の定例記者会見で、地球の裏側まで自衛官と弾薬を際限なく送りこむ戦争立法のための再改定・日米防衛協力のための指針(いわゆるガイドライン)が今月27日に署名される見通しになったことについて次のように語りました。

 ちなみに、先週はご機嫌だった岡田さんが今週は不機嫌でした。私としてはことし1月以降、蓮舫代表代行が党本部役員室フロアにいるかどうかで多少変化するのではないか、との仮説を立てており、今後、暇があれば検証していこうかと思います。

 もちろん、ガイドラインで戦争立法を日米合意の既成事実化、という仮説は笑いごとではないのに、現実味を帯びつつあります。運命の2015年4月となりつつあります。

 私は来週水曜日(8日)にカーター国防長官来日、26日安倍晋三首相(自民党総裁)訪米、27日ガイドライン署名、28日オバマ大統領と会談、29日議会演説ではないかとの日程の仮説にもとづいて、手続き論を聞いてみました。

岡田さんは、

 「ものごとには順序があります。

 ガイドラインを決めて、それから法案が出てくるというのは適切ではない。前回もそうではなかったかという議論があるが、前回は憲法の枠内でやっていた話。
今回は憲法解釈を変えてまでやる話
国民に対しても十分な説明がなされていない。安倍さんも閣議決定したときには、 『これは法案のときに説明するからいいんです』という答弁をしていたはずなのに、その法案が出てくる前にアメリカに行って合意してしまうというのは順序が違うと私は思います。

憲法解釈の変更を含むガイドラインを、仮につくるとすれば、一内閣が勝手に憲法解釈を変えてアメリカとまで約束してしまったということになるから
ことは重大です

 と語りました。

 「1960年日米安全保障条約」の実戦面での覚え書きである「1978年ガイドライン」は、ソ連の脅威を反映して、「極東有事」での日米の個別的自衛権発動による戦争での協力を定めたものです。

 その後、1997年ガイドラインではソ連崩壊を受けて、「周辺事態」での協力を定め、地理的制約が削除されました。これが1999年の通常国会で国内法に落とし込み、1999年周辺事態法・改正自衛隊法・武力攻撃事態法などが成立しました。

 このため、前回もガイドラインを策定してから、法案を出していたという論があります。

 岡田さんは1997年ガイドラインは憲法の範囲内での改定だったが、今回は安倍内閣の一存で決めた「国の存立を全うする切れ目のない安全保障法制の再整理」で、国家の権利である集団的自衛権を「幸福追求の権利」(憲法13条)だとしてホルムズ海峡の石油利権などの「経済的利益(死活的利益)」でも、集団的自衛権の名の下に、地球の裏側のシリア・イラクまで交戦中に自衛隊を送り込み、武器、弾薬を際限なく提供して三菱重工・コマツ(登記社名=小松製作所)を設けさせようという亡国の閣議決定、亡国のガイドライン(悪のガイドライン)になります。

 ここはホントウに、大人が声を上げないと、1000兆円の借金と、ゾーニングなしに乱開発された国土と、そして大義なき戦争に送り込まれる蟻地獄の3つの負債を子々孫々に残すということは、常識的には許されないことです。

なかなか、憲法の基本的人権と、安保条約、日米間のパワーゲームに同時に長けてないと分からないようですが、この4月26日の訪米、27日とみられるガイドライン署名は、日本にとって、The point of no return となるのは必定。強く声を上げなければなりません。


岡田克也「超異次元の金融緩和」「円安になったのに輸出・設備伸びず」「国債大量購入は続かずリスク」

2015年04月03日 21時07分42秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

 平成27年2015年4月3日(金)の岡田克也さんの民主党代表定例記者会見について、「ガイドライン」のエントリー(記事)のほかに、「異次元の金融緩和」もエントリーにします。

 民主党で最も、マクロ経済、金融政策に詳しい岡田さん。

 黒田東彦日本銀行総裁が就任してから、あすで2年になります。就任直後の金融政策決定会合後に、記者会見で「2年でマネタリーベースを2倍にして、物価上昇率を2%にする」という、「2年で2倍で2%」という明確なメッセージを出した黒田さん。しかし物価上昇率は0%台で上がる兆しがありません。ただ、異次元の金融緩和で円安となり、対ドルの円レートは120円台となり、輸出企業は空前の収益を上げています。

 岡田さんは

異次元の金融緩和が円安の一因となっているのは事実だと思うんです。その結果、一部輸出関連企業の収益が増えているのは事実だが、輸出は多少は量的に増える兆しはあるものの、本格的に増えたとは言えない状況。 設備投資が増えているかというと、増えてきたという見方はあるが、増えたお金が貸し出しに回っているかというとそうでもない」「円安が進んでも、輸出や設備投資はあまり伸びていない

と語り、超異次元の金融緩和による円安の割には輸出や設備投資はさほど増えていない、と分析しました。

 そこで、私が日銀の国債大量購入による「財政ファイナンス」(財政赤字のマネーファイナンス)について聞いてみました。

 岡田さんは「財政ファイナンスは定義の問題があるから簡単には言えない」としたうえで、「ただ金利は国債を日銀が大量に買うことによって人為的に低く押さえられていることは事実で、問題はそれがいつまで可能なのかということです。永遠に続けられるものではないし、リスクを抱えこんでいるのは間違いない」と語りました。


2015年4月12日(日)が投票日の第18回統一自治体選挙は戦争立法を止める最後の機会だ

2015年04月03日 06時54分29秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

 第18回統一自治体選挙(第18回統一地方選挙)は、まもなく告示されます。

 道県知事選挙、道府県議会議員選挙と政令指定都市議会議員選挙は、再来週、平成27年2015年4月12日(日)が投票日になります。

 その後、後半戦として、市区長選挙、市区議会議員選挙、町村長選挙、町村議会議員選挙が告示され、26日(日)が投票日になります。ただ、26日(日)は安倍晋三首相(自民党総裁)と谷垣禎一前総裁(自民党幹事長)がともに外遊に立つため、自民党としては総裁・幹事長不在の開票になります。

 安倍首相は26日(日)に離日後、27日に、アメリカ軍とともに地球の裏側まで際限なく自衛官と武器弾薬を送り込む戦争立法、国の存立を全うする切れ目のない安保法制の整備を反映した日米防衛協力のための指針いわゆるガイドラインに、岸田文雄外務大臣と中谷防衛大臣に命令して署名させる見通しです。その後、28日にオバマ大統領と会い、29日に集団的自衛権行使について、米連邦議会で演説する見通しです。

 今回の統一自治体選挙は、号泣県議による政務活動費の改革も争点になりますが、党派に関係ない。国政与党は地方創生を争点にかかげますが、これはバラマキの分捕りのコンサルタントを選べという話であり、バラマキを止めさせることがイチバン大事。今回の最大の争点は戦争立法にアクセルを踏むか、ブレーキをかけるか。

 公明党は定数2の選挙区で13人の候補者を公認しています。うち3つ、自民党推薦を受けています。そのうち1選挙区は、私の大学以来の「保守だけど非自民」の同じ空を見続けてきた県議が再選をめざしますが、以前は夜に尾行されたこともあるそうです。もちろん、組織内でもフレンド(友達)がいない人が手柄を立てようと暴走しているのでしょうから目くじらを立てることはありませんが、戦争立法への暴走は止めねばなりません。新進党の友情にもとづき、公明党には頑張ってほしいのですが、この定数2の13選挙区で、複数の落選があれば、戦争立法に歯止めがかかります。