【平成27年2015年4月20日(月) 参議院決算委員会】
憲法ヤクザ=自民党。
小西洋之さんがきょうも立ち上がりました。
平成25年度決算審査は、省庁別審査4日目。外務省と防衛省が議題に。
ふだんから決算委員である、小西洋之さん(来夏改選、現行制度ならば千葉選挙区改選定数3) が質問。
来週火曜日に迫った、戦争立法のために解釈改憲(憲法解釈の再整理)を日米で既成事実化する、「再改定日米防衛協力のための指針(地球の裏側で人を殺して金儲けする悪のガイドライン)」の署名を前に、憲法論争に挑みました。
小西さんは、旧郵政省官僚として、自民党と公明党が錦の御旗にする、「昭和47年1972年政府統一見解」の「憲法13条の幸福追求権にもとづき、日本国は集団的自衛権という権利を有するが、行使しない」について。
小西さんは冒頭、この政府統一見解は、この委員会に出されたものだとして、
「自分が言うのもなんだが、きょうの質疑は歴史的な質疑になる」
と予告。
まず、政府統一見解の位置づけについて、行政府出身者として、「私も書いたことがあるが、さらっとしていた。この1972政府統一見解も普通の見解だ」として、官僚が片手間に書いた文書に過ぎないという意識をすきとおらせました。
そして、国の存立を全うするための切れ目のない戦争立法のため安保法制の再整備法案(未提出)について、「強行採決するんだろうが、いや、審議のうえ採決するんだろうが、ここにいらっしゃる(自民党などの)保守の先生方にはよく考えていただきたい」と衆参過半数の自公議員の良心があるのではないか、との一縷の望みをしめしました。
横畠裕介・内閣法制局長官や、内閣法制局第一部長(憲法担当)とのやり取りの後、「横畠長官が私の論理的な質問に論理的に答弁できないのは、(昨年7月1日の閣議決定が)論理破綻しているからだ」として
「将来の最高裁判事にもよく分かっていただきたい」。
「もうこういうことをしてももたない」と語り、解釈改憲(憲法解釈の再整理)が限界を迎えているとしました。
そして、「私は最高裁での違憲判決を阻止するために、今、国会でやっている」と述べ、現在属する立法府の国会議員として、国権の最高機関、国会の権威のために、体を張っていると、さらっと語りました。
「安倍総理が来週訪米するでしょうが、将来確実に違憲判決がでます。岸田外務大臣は総理の訪米を止める気はないか」と質問。
岸田文雄外相は「たしかに1972見解については、委員のおっしゃる通りだ。ただし今は安全保障の環境が変化しており、それをこの見解に当てはめると、3要件を付けたうえで、集団的自衛権の一部が含まれる、と整理しないといつまでたっても平行線になる。総理の訪米は同盟でより重い責任を持つことを宣言する大事な訪米になる」と語りました。
憲法クイズと、小西さんをバカにするもんじゃないですよ。
「国会の芦部信喜」こと小西参議院議員。
「平成の斎藤隆夫」といえるかもしれませんが、できればそうならないよう、歴史の流れをなんとか正常化しなければなりません。それが今週なんです。
私も身命を賭します。
安倍晋三首相(自民党総裁)は、次の日曜日、平成27年2015年4月26日(日)訪米し、翌27日(月)、日米防衛協力のための指針いわゆるガイドラインの再改定を決めることになってしまいました。
SNSを見ていると、ガイドライン反対の官邸前抗議活動が予定されているようで、頼もしい限り。
ただ、羽田空港閉鎖で首相訪米を阻止し、ガイドライン署名を粉砕することは極めて難しい情勢になってきました。
先週金曜日の衆議院本会議で、中谷元防衛相は、ぬけぬけと、「現在2プラス2で見直し作業をしており、具体的なことを言える段階にない。密室で議論されているとの指摘はあたらない」と答弁しました。でも、この1時間後の民主党代表定例記者会見で岡田克也さんは「10日前にしてまだ決まっていないというのは説明としてまったくおかしい」と語りながらも、中谷答弁について「(後々に)虚偽答弁だとするのは難しい」と率直に話しました。
もはやガイドライン阻止はきわめて難しい。私はあきらめてはいませんが、正直、難しい。
そこで、現実的、具体的な提言をしたい。
きょう平成27年2015年4月20日(月)付の読売新聞には、「ガイドラインの概要が判明した」という記事が載っています。大スクープのようで、なぜか2面に掲載。
この中で、先週から突然出てきた言葉を使いながら、次のように日米防衛協力の具体例を整理しています。
グレーゾーン事態を含む平素では、自衛隊と米軍が平時から守り合う装備品防護(アセット防護)。
重要影響事態では、紛争に対処する米軍への後方支援の拡充。
存立危機事態では、集団的自衛権にもとづく連携=機雷掃海、弾道ミサイル防衛(BMD)、艦船護衛、海上規制(臨検)など。
武力攻撃事態(日本有事)では、「島嶼防衛」での連携。
グローバル(国際的な)日米協力では、国際的な紛争における後方支援、国際的な人道復興支援活動、不審船を取り締まる国際的な船舶検査活動
宇宙・サイバーでは、宇宙を共同で監視する宇宙状況認識。
以上のような、ケーススタディー(事例ごとの具体的なオペレーション)が盛り込まれる、と報じられています。
すべて現行ガイドラインにはないものです。
「なんとか事態」に目が行きがちですが、私は、「グローバル日米協力としての国際的な紛争における後方支援」を問題視。日本平時において、地球の裏側である紛争地(例えばシリア・イラクなど)に自衛官の命、弾薬を際限なく送り込むことになります。
1997年ガイドラインが1999年周辺事態法への落とし込みの国会審議の中で、「非戦闘員退避行動」が落ちています。このように、ガイドラインの国内実施法制化のプロセス(過程)で項目を落とせます。
その一方、島嶼防衛は武力攻撃事態(日本有事)のみ。もともと野田佳彦民主党・国民新党内閣が2プラス2を呼びかけた時は、平時の島嶼防衛で、在日米軍が自衛隊、海上保安庁に協力してほしいという目論見でしたが、有事限定になりそうです。
後方支援の弾薬は日本の国費負担になるでしょう。それでいて、島嶼防衛は有事のみ。アメリカの財政負担を減らすねらいは明らか。とはいえ、米国民で日米安保で日本の負担を増やしてアメリカの負担を減らせ、と考えている人はほとんどいないのではないでしょうか。
さて、首相訪米の1週前となった今週、軌を一にして、アメリカ通商代表が来日。TPP(環太平洋経済連携条約)の日米2か国による平行バイラテラル交渉が続いています。
米通商代表は、ミニマムアクセス輸入米の17・5万トン(350万俵)積み増しを迫っています。とても飲める話ではありません。ただ、ここでアメリカが譲歩すれば、妥結に近づく落としどころかもしれません。きのうは、養豚業界のみなさんが「養豚業が壊滅する」と抗議行動をしました。当然の行動です。しかし、正直言って、TPPが発効すれば日本の養豚業は壊滅するのは間違いないでしょう。養豚農家には申し訳ないが、国費で生活再建してもらうべきでは。とんかつ「和幸」(わこう)は、私が新進党結党大会の直前に、横浜ランドマークタワーの低層フロアで昼食をとった想い出のお店で、他のチェーン店に時々行きます。同社は念のため、TPP発効後も国内養豚家と長期契約してほしいと考えますが、それも一部の養豚家に過ぎません。国費投入の国内法制化は必須だと考えます。
オバマ政権の任期はたったの1年7か月しか残っていないのですから、ガイドライン・TPP交渉は、最後まで、安倍晋三自民党・公明党内閣にプレッシャーをかけつづけることが大事です。
衆議院の旧徳島全県区(定数5)で、第31回総選挙(昭和42年1967年1月29日)から39回総選挙まで連続9期当選した元社会党代議士、井上普方(いのうえ・ひろのり)さんが、さる平成27年2015年4月10日(金)にお亡くなりになったことが報じられました。享年90。ご冥福をお祈りいたします。
この井上さんは、後藤田正晴さんの甥(お姉さんの息子)です。井上さんは42歳で初当選。後藤田さんは衆議院議員としては3期後輩になります。
後藤田さんはオーラルヒストリー、「カミソリ後藤田回顧録 情と理」(後藤田正晴、御厨貴監修)で振り返っています。
「このとき田中(角栄)さんから言われたことで忘れられないことがある。『後藤田君、姉さんが生きている間は井上君を落としてはならんよ』ということだ」
「心配だったのは、私の甥に影響しやせんかなということです。私の親戚の票が割れますからね。彼はいつもすれすれ当選なんですよ。しかも社会党の票と保守の票と半々なんです。彼も田舎の古い地主の家で、付き合いも全部保守ですからね。私の親戚は全員保守ですから。そういうことで、彼に一番迷惑がかかるのではないかと気にかかりましたよ。私の姉、井上普方君の母親は生きているんですから」
後藤田先生は連続7期つとめ、小選挙区制に正常化した第41回衆院選に出馬せず引退しました。
それまでの7回、後藤田先生と井上さんの親戚対決がありました。そのうち、3期連続で後藤田先生がトップ(1位)井上さんが最下位(5位)で当選しています。また、2期連続で、三木元首相が1位、後藤田先生が2位、井上さんが5位となりました。ベルリンの壁崩壊、宮澤解散による政治改革の風が吹き荒れた、あの夏、1993年の総選挙で時代の流れの中、井上さんは68歳で落選。後藤田先生は新時代、第41回衆院選、自民党vs新進党の小選挙区に立候補せず引退しました。
この中選挙区での後藤田・井上ランデブーが意図的だったのか、偶然だったのか、今となっては分からないし選挙のことは藪の中。
衆議院中選挙区による政権交代なき政治は、国民にとっては百害あって一利なし。
元社会党衆院議員の井上普方氏が死去…90歳(読売新聞) - goo ニュース