ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

岡田克也さん「民主主義の危機」と度々強調、「安倍政権でメディアは委縮している」私も同感だ、危機感を!

2015年04月17日 22時24分30秒 | 岡田克也、旅の途中

[写真]岡田克也さん、2015年4月17日(金)、筆者撮影。

 前副総理の岡田克也さんが平成27年2015年になってから、安倍政権のしめつけによって報道が委縮していると、たびたび言及して「民主主義の危機だ」「言論の自由の危機だ」と警鐘を鳴らしています。

 きょう4月17日(金)の定例記者会見では、3月の報道ステーションのMプロデューサー更迭と古賀元経産官僚の発言行動について、自民党部門会議に呼ばれたことについて言及。週明け月曜日に、外国人特派員協会でスピーチするとして、「外国の記者から見ると政府の介入で報道の自由がかなり窮屈になっていると見られている。これは日本という国がどういう判断をされているかという問題につながるので政府もよほど注意してほしい」「日本は言論の自由が保障された、いい国とわれわれは思っているが、欧米から見るとそうした国ではないと見られつつあることは気をつけた方がいい」と語りました。

 これに対して、各社記者から民主党総務部門会議がNHKを呼び出し、クローズアップ現代のやらせ疑惑についてたずねたことと矛盾しているとの指摘が殺到しました。これに対して、岡田さんはいつも通り、ドヤ顔で反論しながらも、珍しく少し劣勢。「昨年末の総選挙で昼間の選挙報道が減った。それが私たちの(候補者擁立不足による空白区の存在という)責任もあるが、低投票率につながったのではないか」と指摘しました。

 3月13日(金)の記者会見で、永田町一有名なフォトジャーナリスト(カメラマン、写真記者)の堀田喬さんが質問。「例えば岡田さんにインタビューする時も、週刊誌などは初めからプランがあり、悪い写真だけを使う。そういうことがないように、大手はちゃんと、何時から何分で何人にインタビューしてどのように編集したかということをやるべきだ」と語りました。これに対して岡田さんは「私は思うのですが、安倍政権になってやはりメディアは完全に萎縮しています。この前の選挙の時の申し入れもその一因ですが、ここはもっと深刻に受け止めないと。それは野党が一番言わなければいけないことではあるのですが、昼の時間帯の選挙に関する報道だって半分くらいになってしまったでしょう。 」 

 そのうえで、岡田さんは「そうですね。それはよほど気をつけないと、「これが第一歩だった」みたいなことになりかねない問題だ。そういう危機感を持って我々野党もしっかりしなければいけないし、メディアの皆さんにも申し上げておきたいと思います

 と語り、1000兆円(8兆ドル)の国債の財政ファイナンスと、防衛装備移転3原則と戦争立法、特定秘密保護法などによる報道規制で、満州事変・太平洋戦争前夜のような状況になっていると、強く示唆しました。

 4月3日(金)の記者会見で、安保法制の事前協議でスクープを上げた、横田一さんの質問。

 「27日の「報道ステーション」で古賀茂明コメンテーターが、「官邸から圧力、バッシングを受け、それに屈する形で統括プロデューサーや恵村コメンテーターも更迭された」と発言したことに対し、菅官房長官は会見で「事実無根だ。放送法があるので、テレビ局の対応を見守りたい」と発言した。これに対して古賀さんが「これこそが放送法に名を借りた圧力ではないか」と。古賀さんが「アイ・アム・ノット・アベ」発言をした後に、官房長官が「俺だったら放送法違反と言ってやるのにな」という発言をしたのがオフレコメモで流れたというやりとりがあった。一連のこの問題に対して、どうお考えになっているか伺いたい」 との質問に対して、

 岡田さんは「放送法を官房長官が持ち出したということですが、普通そういうことを権力者は言わない。まさしく刀を抜くふりをして牽制しているわけで、それは権力の使い方として正しいとは私は到底思えません」 として、官邸の報道機関締め付けに苦言を呈しました。

 私は岡田さんの考えに賛同します。

 明らかに報道が委縮しています。

 その中で、一部防衛省担当の記者が、ガイドラインに関して気を吐いているように思えます。

 岡田さんは27日と思われる日米防衛協力のための指針いわゆるガイドラインの再改定について、安倍内閣がまったく説明しないことについて、

 「国民に中身の説明もなしに、まったく分からない状態で、日米両国首脳が憲法解釈の変更も含む内容を合意してしまうのは異常な事態。何のために国会があるのか、民主主義国家として許されざることが起きようとしている

 2015年4月。The point of no return を日本は迎えようとしています。

 私がしっかりせねば。 

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参議院先議の競馬法改正案や青少年雇用法案など可決、衆院では防衛装備庁法案が審議入り

2015年04月17日 21時48分34秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

(未定稿、このエントリー記事の初投稿日時は2015年4月17日午前11時で、その後に仕立て直し予定)

[画像]山崎正昭参議院議長、2015年4月17日、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

【平成27年2015年4月17日(金)参議院本会議】

 法案が可決し、衆議院に送付(および回付)されました。

 高度テレビジョン放送施設整備促進臨時措置法を廃止する法案(189閣法10号)は全会一致で可決。ただし、「3月31日廃止」が4月にずれ込んだことによる修正が入ったため、衆議院に回付されます。

 競馬法改正案(189閣法47号)は全会一致で可決し、衆議院に送付されました。

 道路交通法改正案(189閣法38号)は投票総数236、賛成235、反対1で可決し、衆議院に送付されました。事故を起こした人の認知症検査などができます。施行は衆議院での可決・成立による公布の日から2年以内の政令で定める日から。

 勤労青少年福祉法を改正し青少年の雇用の促進などに関する法律案(189閣法50号)は投票総数238、賛成237、反対1で可決し、衆議院へ。衆・厚労委では、連休明け後の「労働法制国会」の一部になります。委員会では、維新と、共社が、それぞれ修正案を提出。その後、政府原案が全会一致で可決しました。附帯決議では「若者の使い捨てが疑われる企業(ブラック企業)のうち、社会的な影響力が強い企業には、労働基準監督署が立ち入るべし」とされ、衆議院、厚生労働省は従うべきです。ただ、この法案、新卒の人ってハローワークをどれだけ使っているのかという疑問点が残りました。ただ、若者の使い捨ては絶対に許されません。衆議院で可決成立すれば、ことし10月1日(木)施行予定。

 国土交通省の独立行政法人の改革法案(189閣法48号)は投票総数238、賛成222、反対16、社反対、自公民などの賛成多数で可決し、衆議院に送付されました。3つの研究所の統合など。来年4月1日(金)施行。

 矯正医官の兼業および勤務時間の特例に関する法律案(189閣法60号)は全会一致で可決し、衆議院へ。

 そして、最後に参議院事務局の定員を5名増員する参議院事務局規定の一部改定が、投票総数233、賛成161、反対72で可決し、成立しました。ただ、この議案で全会一致でなかったのは、初めて経験しました。反対した前川清成・議運委筆頭理事の理由は「国の借金が1000兆円あるから」。私も日ごろ参議院事務局さんにはお手数をかけているので、言いにくいところがありますが、サラ金退治のために国会議員になった民主党の前川さん。少しだけ涙が出そうになるほど、本物の政治家の誕生です。来夏の奈良選挙区、このまま行けば定数1ですが、前川さんに来年も、再来年も、国会に、あるいは官邸や法務省にいてほしい。奈良のみなさん、伏して伏してお願いします。参議院事務局のみなさん、これからもよろしくお願いします、電話口で名乗った時、「ああっ、はい」と言われると正直うれしいです。僕の人生楽しみなんてそのくらいだから。

【同日 衆議院文部科学委員会】

 文部科学省の設置法を改正してスポーツ庁を設置する法案(189閣法14号)が全会一致で可決しました。参議院での審議がありますが、10月1日(木)のスポーツ庁設置は確定的。

【同日 衆議院国土交通委員会】

 水防法改正案(189閣法18号)を審査し、民主党の小宮山泰子さんや、きょう誕生日を迎えて45歳になった本村賢太郎さんらが質疑。採決の結果、全会一致で可決しました。自治体の下水道局を日本下水道事業団に委託できるようになりますから、けっこう大きな改正法です。

【同日 衆議院厚生労働委員会】

 国民健康保険を市単位から県単位に広げる法案(189閣法28号)を審査。民主党から阿部知子さんや西村智奈美さんらが質問しました。

【同日 衆議院法務委員会】

 「裁判所職員定員法改正案」(189閣法21号)の討論・採決。民主党の階猛さんが「判事の定員を32名増やす法案だが、法務省は民事訴訟の複雑化によるものだとしていたが、質疑の中で、大量採用時代の判事補が判事になれるための改正であることが明らかになった。新の立法事由を明らかにしない姿勢は、最高裁事務総局、上川法相とも問題だ」と強い口調で反対討論。共産党の清水忠史さんも反対。この後の、採決で、自公などの賛成多数で可決しました。この後、一般質疑。

【同日 衆議院外務委員会】

 まずは一般質疑。その後、条約の承認案件4本が一括で審議入りました。

 「日本モンゴル経済連携協定」(189条約1号)
 「WTO協定改正議定書」(189条約2号)
 「ASEANプラス3マクロ経済調査事務局設立協定」(189条約3号)
 「国際コーヒー協定」(189条約7号)

 の以上4本が審議入りしました。

【同日 衆議院経済産業委員会】

 前日に本会議で代表質問された「電力システム改革第3弾の電気事業法改正案」(189閣法29号)が宮澤経産相から趣旨説明されました。22日(水)午前9時から審査へ。内容は、「東日本大震災により、戦後60年間続いてきた(原子力発電などの)低廉で安定的なシステムが軌路を迎えた」として、「電力システム改革の総仕上げとして電力の小売り事業者と発電事業者を法的に分離する」としました。

【同日 衆議院本会議】

 川端達夫さんが議長。

 参議院から回付された「高度テレビジョン放送施設整備臨時措置法(高テレ法)を廃止する法案」(189閣法10号)について、議題にし、回付案に全会一致で賛同を得て、成立しました。これ、回付については、議員に机上配布されているんでしょうが、議長から修正部分を説明することはできないんでしょうかね、参議院議長に来てもらわないといけないことになりますか。

 この後、「防衛省設置法を改正して防衛装備庁を新設する法律案(189閣法33号)」が趣旨説明、代表質問されました。

 民主党の岡田克也代表の側近中の側近である、衆・安保委野党筆頭理事の元総理補佐官、大串博志さんが質疑。ストップウォッチをセットしながら、「ことしは戦後70年、戦争を知らない世代が8割になった」と質問演説を始めました。そして、中谷防衛相に、「今月の首相訪米でガイドラインに最終合意するともされているが、国会より先にアメリカに説明するのは順序が逆だ」とただしました。そして、この法案に入っている「文官統制の廃止」について質疑しました。また、防衛調達については「不祥事が後を絶たない」として、ガバナンスを問いました。

【同日 衆議院安全保障委員会】 

 一般質疑(沖縄基地問題)などがありました。その後、防衛装備庁法案(189閣法33号)がおろされ、趣旨説明されました。次回は未定。連休はまたぐことになりますが、これが成立すると、中谷防衛大臣が、国の存立を全うする切れ目のない安全保障法制整備法案(未提出)に専念することになってしまいます。 

 以上 

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