【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【解散】安倍首相、「金融緩和の継続と生産性革命集中投資期間」衆議院のしあさって解散を発表、第48回衆院選へ

2017年09月25日 18時18分28秒 | 第48回衆院選(2017年10月10日公示)

[写真]安倍首相、2017年6月、宮崎信行撮影。

 安倍晋三首相(自民党総裁)は、平成29年2017年9月25日(月)午後6時から記者会見し、「28日に衆議院を解散します」と発表しました。「国難突破解散」としました。

 首相は冒頭から、「5年前、大胆な金融政策を始めた時は、大変な批判があった」と切り出し、「内需主導の経済成長と就職率過去最高を達成した」とし、第一の矢を正当化しました。ちょうど5年前「輪転機をぐるぐる回す」を公約に、自民党総裁に意外感のある返り咲きをしながら、きょうの日経平均は2万0397円とダウの22349ドルとそん色ないところまで来ています。

 首相は「この5年間のアベノミクスで、今こそ最大のチャレンジするとき」とし、「急速に少子高齢化するこの国が、これから成長していくのかどうか」のため、「生産性革命と人づくり革命で勝負する」「年内に経済政策の新しい政策パッケージをまとめる」とし、

 税制、予算、規制改革で、

 「2020年までの3年間を、生産性革命集中投資期間にする」との日程感を打ち出しました。

 そして、「消費税の使い道を思い切って変えたい。子育て世代への投資と、社会保障にバランスよく充当し、財政健全化を確実に実現する」とし、「少子化対策の歳出により多く回す」と発言しました。また「2020年のプライマリーバランス(PB)黒字化は困難となるが目標は堅持する」という新しい表現をしました。

 冒頭発言では言及していませんが、来年4月以降の日本銀行総裁の黒田東彦さんを含む金融緩和派の続投、率は明言しませんでしたが、子育て予算の拡大を、第48回衆院選の公約にするようです。後者は、前触れ報道がありましたが、金融緩和継続から言及したのは驚きました。

 私も5年経っていい加減隠し切れないから正直に言いますが、金融緩和の長期化は大いに歓迎したいところです。この5年間のうち、2015年から2016年にかけて、岡田克也さんがネクスト首相として、政権交代を望んできましたが、記者会見の場で、岡田さんと私だけ、着ている服が良くなっていくことから、いつか、陰湿で田舎者の民進党内でルサンチマン(嫉妬、嫉み)にあって失脚するのではないかとの恐怖を持っていましたが、やはりそうなりました。とはいえ、もう、正直に自分の思いを出していきたいと考えます。また、私は前半生で長時間労働に苦しみましたから、生産性革命(労働生産性=残業をゼロにする意味ではなく、一人当たりの生産額=)をすること、補助金ではなく、税制・歳出・規制改革で対応することは大いに賛同したいところです。とはいえ、私は民進党の党員ですから、民進党・共産党の小選挙区候補者の当選や、民進党の比例代表での得票上増しに頑張っていこうと思います。


 金融を争点に出したのは、前原誠司ネクスト首相(民進党代表)が金融に詳しくないことを念頭にしているかもしれません。

 また、安倍さんは、これに先立つ、自民党本部内の役員会(臨時役員会)で、少し元気がなく、早めの解散報道の中、自民党の情勢が失速気味であることもあるかもしれません。

【ライブ中継】安倍晋三首相 記者会見@首相官邸 午後6時〜(予定)

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(C)2017年、宮崎信行。

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Miyazaki Nobuyuki 


希望の党結党を宣言、小池百合子代表、新進党結党メンバーも参画、連合切りに期待

2017年09月25日 15時12分52秒 | 第48回衆院選(2017年10月10日公示)

 小池百合子さんが、平成29年2017年9月25日(月)、

 「希望の党」の結党を高らかに宣言しました。10月22日の第48回衆院選にのぞみます。

 小池百合子さんは、新進党結党メンバーで、解党まで一貫して在籍しました。

 希望の党には、小池さんと同じ新進党結党メンバー(当時は地方議員)の松原仁・元国家公安委員長も参画します。このほか、同じく新進党結党から解党まで苦楽を共にした政令指定都市首長も衆議院選出馬を検討しています。

 希望の党は、細野豪志、若狭勝衆議院議員が主導権争いをしていましたが、このブログには書いていませんでしたが、筆者の取材で、政党交付金も含めて軍資金のあてがつかず、来年4月20日よりも前に、ショートする懸念がありました。そこで、小池さんが単独で結党と代表就任を宣言して、主導権を確立するねらいがあったとみられます。改革保守として、法人税率引き下げの公約を打ち上げたのも、資金面のことがあるのかもしれません。

 小池さんは都知事ですが、英国庶民院第3党(野党第2党)の党首で女性のニコラ・スタージョンさんも、スコットランド議会議員で自身は庶民院に議席がありませんので、「日本のスタージョン」方式ということになります。

 日本新党は、衆議院は全員が新人で35議席取りましたが、希望の党は、小選挙区で勝った現職が3名以上いる段階からのスタートなので、同程度かそれ以上の議席をとるでしょう。改憲をめぐっても、第48期衆議院のキャスティングボートを握ることになりそうです。

 小沢一郎さんが党首をつとめる自由党と社民党の参議院での会派名が「希望の会」なので、混同しそうです。

 小池さんは、新進党結党大会のさい、英語名「New Progressive Party」を、「急進的だ」として、「New Frontier Party」に変えさせました。今回は日本語名から名付け親となりました。バブルの残り香が漂った、新進党結党大会というと、連合の芦田甚之助会長が淡白なビデオメッセージ。続いて、登壇した、笹森清会長代行が、小沢一郎幹事長をたしなめる長広舌がありました。連合の専横ぶりが目立ちます。公明党とは良い関係を保ちながらも、連合の発言力をそぐためにも、希望の党に新進党魂を見せてほしいところです。

 新進党の主要メンバーだった、岡田克也さんは、連合会長・神津里季生の余計な横やりで代表を自ら辞しましたが、民進党常任顧問として、民進党の次の次での政権交代に全力をそそぐかまえ。

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【第48回衆院選予測】【週刊現代】自民党単独では過半数割れ、民進党は121議席と予想

2017年09月25日 14時00分20秒 | 第48回衆院選(2017年10月10日公示)

 週刊現代の、2017年10月7日号に、一番早く、第48回衆院選(10月22日)の全289選挙区の予測がでました。こちら東京では、9月25日(月)朝に発売されました。日本最大手の「講談社」の発行ですので、今週前半には、全都道府県のターミナル周辺で買い求めることができると思います。特別定価450円(税込)。後ろに、合計5ページだけとはいえ、女性のヌードグラビアがあるので、図書館にはないかもしれません。

 全289選挙区の予測ということで初めて見ました。小池新党が41(うち小選挙区16)とる前提で、自民党が222議席と単独過半数(233)を下回るという衝撃の予想となっています。もちろん、自公連立は過半数なので、第4次安倍内閣ができますが、「安倍おろし」が起きそうだ、というのが週刊現代の見立て。

 民進党は、民共調整がつけば、121(小選挙区79、比例代表42)となります。この数字は実は、私が唯一絶対に師事する「ミスター政権交代」岡田克也常任顧問が兼ねて主張してきた「第49回で政権交代」のために必要な数字とほとんど一致します。え?「私は150と聞いたよ?」と言われそうですが(苦笑)、だいたいそういうところです。

 民進党の数字は、議席占有率26%になります。投票率が60%と仮定すると、マスコミの数字では、「自民党に投票する人28%、民進党に投票する人15%」に相当する数字なので、前原誠司代表は、残り4週間で、8割増しにしないといけません。

 民進党の伸長ですが、比例復活の前職(今日現在は現職)で、福島1区で金子恵美さん、茨城1区で福島伸享さん、神奈川6区で青柳陽一郎さん、静岡3区で小山展弘さんが小選挙区で勝ち抜ける前提。ここに出てくる数字は、単純に、民共両党の数字を載せているわけですが、今回の最大の作戦は、民共調整で、比例復活の前職を確実に小選挙区で勝ち上がらせる。そうすると、天井が突き抜ける。これ、当たり前ですが、私は週刊現代を読んで初めて気づきました。全くの新人では、横路さん、大畠さんの後継者が当選。ただきょう発売なので、川端さん、高木さん本人が当選する前提になっており、後継者の擁立は急務。あとは、自民党(無所属)が不祥事があった、広島4区の民進党新人恵飛須圭二さんが小選挙区勝ち上がりで初当選する前提になっています。今後は、新人はまずは比例からということになりそうですが、個別の総支部で、全力を尽くすのは当然です。

 共産党は沖縄1区に加えて、長野4区でも、民共調整の女性新人が、当選することになります。伝統的に共産党が戦後一貫して強い地域で、以前は、中選挙区時代に8回当選した共産党議員がいるところと、現在も地盤は近いと思います。度々言及される京都1区では、及びませんが、共産党さん、小選挙区2ならば、民共調整で恩の字ではないでしょうか。比例も増えて、総議席は2増え、23と予想されています。

 公明党は、北海道、神奈川の小選挙区を落として、4議席減の31議席になるとの予測。前々回と同じ議席(議席占有率は上)となります。

 小池新党は、現有9議席から41議席に上昇。ただし、小選挙区はそのうち16議席にとどまります。

 東京24区は小池新党(立候補者は名無し)が、萩生田光一自民党幹事長代行を凌ぎます。新・東京7区は、小池新党が票をとったあおりで、自民党の松本文明さんが当選し、民進党の長妻昭さんが惜敗(書いてないが常識的に比例復活)という予想になっていて、よく分からない面もありますが、いずれにせよ、東京は区割り変更と小池新党で、何があるか分からないというところでしょうか。

 こういうのも、雑誌を買って読んでほしいということもあり、いつも少し分かりづらく書いてしまうのですが、とにもかくにも、比例復活の前職(現職)を、小選挙区で勝ち上がらせる、というのが全国的には最優先すべき事項のようです。正直、比例復活の前職と、まったくの新人ならば、前者の方が同僚のうらみ、にくしみも多いわけですが(笑)、しっかりやっていかないといけません。

 新党が結成前で、投票日まで4週間ありますから、情勢が大きく変化する可能性もあります。

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