【衆議院厚生労働委員会 平成29年2017年9月20日(水)】
「解散」報道前から、与野党が合意していた、閉会中審査「年金振替加算に関する事務処理について」の一般質疑がありました。
田村憲久さんが委員長をつとめました。
まず、政府が説明。加藤厚労相は「8月3日付で厚生労働大臣を拝命した加藤勝信です。よろしくお願いします」と語りましたが、政府の説明は簡単な物でした。日本年金機構の水島藤一郎理事長(民間・三井住友銀行出身)は「振替加算の支給漏れの総点検をしたら、10・5万人、298億円に上った」としました。
私の手元で計算すると、1人総額28万円の支給漏れですから、けっこうな金額です。この問題あまり分からないのですが、厚生年金で、3号(専業主婦)の期間などがあって20年程度の加入期間の人に、基礎年金部分を加算しようということのようです。
質疑には、民進党の大串博志・前政調会長(比例九州)らが立ちました。
それによると、水島理事長は「2016年10月、11月には、現場からの問い合わせで問題があることは把握していた」とのこと。一方、厚労省年金局では、官房審議官が「私が7月11日に就いたときには、前任者がどのくらいか分からないが、振替加算の問題があると知らせれていた」としました。厚労相は、8月3日の引継ぎ時には知らなかったとし、4月頃から把握していたにしても、「どういう段階で発表するのか、どういう段階で対処するのか。見通しを含めて、このタイミングで発表した」としました。
ただ、4月ならば、厚労は、「労働基準法14条改正案(審議入りせず継続審議)」「精神保健福祉法改正案(成立せず衆議院で継続審議)」「水道法改正案(継続審議)」「次官級ポスト医務技監創設の厚労省設置法改正案(成立)」などがてんこ盛りでした。なので、発表しなかったのではないかとの疑念を、私は持ちました。民進党の柚木道義さんからも「早く発表していた方が、対処できた人が多かったのではないか」との指摘がありました。
大西健介さんの指摘では、支給漏れ分には時効が適用されず、中には、500万円がさかのぼって支給される人もいるようです。もちろん、第1次安倍内閣の消えた年金とはやや違い、「命に係わるお金」とまでは言えません。しかし、構造的な問題は、第1次安倍内閣がつくったともいえます。
厚労省は「システム加算の最終責任は機構にある」とし、日本年金機構が最終的な責任があるとしました。質疑によると、私学共済でも3件(以上)の支給漏れがあるようです。先の通常国会でよくお見受けした、文部科学省高等教育局の村田私学部長が答弁していて、私学部にまつわるお金の流れは莫大だな、と感じました。
●安倍首相、消費増税分は教育費へ、解散報道で、加藤大臣「私も3党合意の一員」。
解散報道にまつわり、安倍晋三首相・自民党総裁が3党合意の消費税10%部分の一部を教育に回すとしている件について、大串前政調会長がただすと、加藤厚労相は「私も3党合意のメンバーの一員だ」とし、言及をさけながらも、やや消極的に見える表情がありました。加藤さんは財務省出身。
●豊田真由子さんについて、加藤厚労相は「報道以上知らない」。
自民党2期生で豊田真由子さんが厚生労働委員として出席しました。豊田さんはこの間、週刊新潮に、地元選挙区で秘書に対して車内で「この禿~~、違うだろ!」といいながら「ゴン」という音が張ったICレコーダーが公開され、自民党を離党しました。告訴を受けた県警が話を聞いた、と報じられています。前厚生労働政務官でもある、豊田委員について、民進党の岡本充功さんが問うたところ、加藤大臣は「今の質問に厚労大臣として答えられることはないし、まして、私自身も報道以上の詳細は知らない」と答弁しました。午後12時39分頃に散会しました。
【参議院厚生労働委員会 同日】
「社会保障及び労働問題に関する調査の件」として、2時間半審議がありました。ただ、正直言って非常に低調でした。政局の院、衆議院が閉会中でも高いテンションを保っているのに、なかなか、参議院ではそうもいかないようです。良し悪しの問題ではありません。
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