[写真]岡田克也・民進党代表(当時、現・民進党常任顧問)、2016年5月、東京都新宿区で、筆者・宮崎信行撮影。
岡田克也元外相は、平成29年2017年9月6日(水)、アメリカなどが国連安保理に提案する見通しの北朝鮮への石油禁輸について、
「原油を直ちにすべてストップするということに、様々なリスクがある」とし「段階的に北朝鮮への原油の輸出を減らしていく。まずは、50%減らすとか、1か月止める」として、即時の全部禁輸ではなく、段階的または一時的な禁輸をするよう促しました。
これは、同日の、メルマガ、ホームページ、ファイスブックページなどのSNSで発信しました。
岡田さんは北朝鮮がICBM(大陸間弾道ミサイル)という運搬手段に乗せる核弾頭について、水爆(水素爆弾)の実験に成功したとの内外の受け止めについて、「非常に深刻な事態になったと思います」と吐露。
岡田さんは「核実験については、北朝鮮の映像を見ると、小型化を含めて、かなり核技術の進展が見られ、2~3年は大陸間弾道ミサイルに小型化した核を積むことはできないだろうと言われていたのが、1年程度の猶予期間しかないのではないかと言われています」としました。
そのうえで、岡田さんは「大陸間弾道ミサイルに核を載せて、アメリカ大陸まで届くようになる。これがアメリカにとってレッドラインだとすれば、それまでの間に、北朝鮮を核兵器の凍結、断念の話し合いテーブルに着かせなければなりません」とし、1年以内の外交努力が必要だとしました。」外交努力については、「日韓が協力して、アメリカ政府に働きかけ」るべきだとし、軍事的な攻撃に躊躇している、共和党トランプ政権への働きかけを強め、中露に働きかける枠組みを求めました。
岡田さんは「これだけの事態の切迫を見れば、やはり原油を止めるという次のステップまで行かないと、到底、北朝鮮が話し合いに応じることはない」としました。ただ、即時全面禁輸ではなく、部分的だったり、一時的な禁輸を提案しました。岡田さんの発言にはありませんが、アメリカが日本に対する航空機燃油の割り当てをゼロにするなどの石油禁輸をしたことで、大日本帝国軍が真珠湾攻撃・太平洋戦争の暴挙へと転落していった歴史を念頭に置いたものとみられます。
なお、筆者・宮崎信行は、週刊金曜日2014年6月3日号に「野党一の安全保障の論客」と書いたことについて、天木直人・元レバノン大使にYahooニュースで「笑わせるではないか。大変な持ち上げようである」と反論されました、私としては、レバノン大使がなんぼのもんじゃい、といったところですが、週刊金曜日の伊田浩之副編集長が、同誌ウェブサイトで「『週刊金曜日』を批判する天木直人氏への反論」を掲載してくれています。
それはさておき、ことは深刻です。
[岡田克也さんのSNSから全文引用はじめ]
◇◆かつやNEWS◆◇2017年9月6日号
編集・発行/衆議院議員岡田克也事務所
北朝鮮の核─強力な制裁で北朝鮮を話し合いのテーブルに着かせる努力を
北朝鮮が6回目の核実験を行いました。先般の我が国上空を通過した弾道ミサイルの発射とあいまって、非常に深刻な事態になったと思います。
特に核実験については、北朝鮮の映像を見ると、小型化を含めて、かなり核技術の進展が見られ、2~3年は大陸間弾道ミサイルに小型化した核を積むことはできないだろうと言われていたのが、1年程度の猶予期間しかないのではないかと言われています。
大陸間弾道ミサイルに核を載せて、アメリカ大陸まで届くようになる。これがアメリカにとってレッドラインだとすれば、それまでの間に、北朝鮮を核兵器の凍結、断念の話し合いテーブルに着かせなければなりません。時間はなく、事態は極めて深刻だと思います。
先の国連安保理の制裁は、従来と比べると一歩前進と評価できると思いますが、しかし、これだけの事態の切迫を見れば、やはり原油を止めるという次のステップまで行かないと、到底、北朝鮮が話し合いに応じることはないと思います。
もちろん、制裁は、制裁のための制裁ではなく、意味のある話し合いを行うための制裁です。原油を直ちにすべてストップするということに、様々なリスクがあるとすれば、段階的に北朝鮮への原油の輸出を減らしていく。まずは、50%減らすとか、1か月止めるとか、いろいろやり方はあると思います。
中国やロシアも含めて、歩調を合わせられるように、ここは、日本外交が問われている、そういう事態だと思います。
武力行使ということになれば、韓国や日本に大きな影響が及ぶことが極めて高くなります。「あらゆる選択肢がある」と言うトランプ大統領に対して、それを「高く評価する」と言った日本政府、安倍総理の発言は不用意なものです。今重要なことは、強力な制裁を行うことによって、北朝鮮を話し合いのテーブルに着かせることです。
日韓が協力して、アメリカ政府に働きかけ、日米韓で、中国とロシアに歩調を合わせるよう求めていく、日本政府にしっかりとした外交努力を求めたいと思います。
[岡田克也さんのSNSからの全文引用おわり]
(C)2017年、宮崎信行。