[写真]筆者・宮崎信行が執筆した、2000年4月20日付日経新聞首都圏経済・神奈川の記事、2017年9月11日に、宮崎が撮影。
森林法改正案の国会提出も視野に入りそうです。
政府の規制改革推進会議は、その第20回会合を、平成29年2017年9月11日(月)、首相官邸内で開きました。
この中で、「当面の重要事項」とする1枚ペーパーが配られました。
この中で、年内をめどに解決の道筋を示す事項として、
「3.林業の成長産業化と森林資源の適切な管理の実現のための改革
小規模・零細で管理経営困難な森林所有者が多い中、意欲のある持続的な林業経営者に集積・集約化する仕組みづくり」
が盛り込まれました。
森林法はその第3条で、「森林所有者、権原に基き森林の流木竹の使用若しくは収益をする者の承継人に対しても効力を有する」と定めています。この辺の管理能力が無い所有者から、林業法人のような法人が購入して、集約して、管理できる仕組みをつくっていくことになるだろうと推測します。
上につけた、17年前に、私が神奈川県庁を取材して書いた記事。同県の森林はほとんどが私有林ですが、その管理が行き届いていないとして、間伐材の共同集荷などの取り組みを報じています。記事の写真のエトキ(キャプション)。この、「管理が行き届いていない私有林も多い」という元も子もない批判口調は、いかにも私が書いたものだと、17年経っても感じます。ただ、このエトキには撮影者のクレジットがありません。この写真は、神奈川県庁撮影の提供写真です。私が県庁課長に「私有地の写真だけど大丈夫ですかね」と問うと、「いえ、ジャンジャン載せちゃってください」とのことでした。管理が行き届かない私有林を県庁が撮影して、新聞社にジャンジャン載せちゃってくださいと情報が流通するのですから、県庁というものは甘く見ない方が良い組織ですよ。首都圏の花粉病の排出源の神奈川・丹沢山地ですが、お手上げといったところでしょう。いうまでもなく、林野行政は戦後の最大の失敗作。国産材を、住宅用として海外に輸出しやすい針葉樹に植え替えてしまい、実際は、1本2万円程度でしか売れず、地主らが間伐を断念。荒れ放題で、花粉症が大量発生。ただ、私は政治家の病気は書きませんが、前神奈川県知事の参議院議員は2月は、一目見ただけで誰もがそれとわかる花粉症で、知事として責任をとったのだな、丹沢から一番遠い川崎出身だけどしかたないかなといったところです。そして、平成29年福岡北部豪雨で発生した流木は、民間の力を借りて処理しても1年半かかるようです。さくねんは、3・11後、NHK「あまちゃん」で復興が加速した、岩手県久慈市で、流木の被害で久慈川の久慈橋の欄干が壊れ、氾濫。この久慈駅近くの複数のクリーニング店は父、兄、弟が各々経営しているそうですが、3・11以上の被害が出る皮肉なことになりました。このような流木の被害はすべて林野庁になすりつけたいところですが、その顔は見えず、残念です。
農業と違い、林業はどんどん法人が進出して、集約・間伐をすすめてほしいところです。
このエントリーの本文記事は以上です。
(C)2017年、宮崎信行。
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Miyazaki Nobuyuki