ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

「自民党総裁選挙等の都合があるかもしれないが平成最大の豪雨災害で第197回臨時国会の早期開催が必要だ」玉木雄一郎・国民民主党代表

2018年07月12日 22時52分32秒 | 第197回臨時国会2018年12月までの「定例日無視延長なしのひどい国会」」

[写真]玉木雄一郎国民民主党代表、2018年7月12日、国会内、筆者・宮崎信行撮影。

 玉木雄一郎国民民主党代表(衆議院議員)は、来週、野党各党が連携して、第196回国会に安倍内閣不信任決議案を提出することを明らかにしました。

 これは、きょう平成30年2018年7月12日(木)の記者会見で明言したものです。今国会は、後半から延長国会にかけて、衆参とも国民民主党と、立憲、共産などとの足並みの乱れがみられましたが、内閣不信任決議案では連携して提出することを明言しました。

 平成30年7月豪雨については「現時点で、平成最大の豪雨災害だ」とし、本会議の無い来週月曜日や水曜日に、被災地へ視察と党青年局とともにボランティアをする予定を述べました。

 豪雨被害について激甚災害の指定を求めたうえで、

「補正予算(案)の編成も急ぐべきだ。もちろん自民党総裁選挙等の都合があるのかもしれませんが、まず、3500億円の(今年度当初予算一般会計の)予備費で対応できる範囲なのかどうか。場合によっては数兆円単位の対策が必要であれば、秋の臨時国会を早期に開催するなど速やかに補正予算の編成と成立をすべきだし、我が党としては全面的に協力したい」

 と語り、9月下旬とみられる自民党総裁選を前倒してでも、次の第197回秋の臨時国会の開催を早めるべきだとの認識を示しました。

 石井啓一国土交通大臣(兼)内閣府IRカジノ施設担当大臣が、参議院内閣委員会でのカジノ法案の答弁を優先していることについて玉木代表は「平成最大の豪雨災害では、違和感を感じる。石井大臣は本来そういう人ではないと思う。内閣を信任できないもう一つの理由になった」とし、決議案につける理由に加えることも検討するとしました。

[写真]玉木代表の記者会見に陪席する、岸本周平・国民民主党役員室長、2018年5月、筆者・宮崎信行撮影。

 記者会見では次のような場面もありました。和歌山市長選挙で、現職と新人がカジノ(IR統合リゾート)の誘致を争点にしている点。フリージャーナリストの横田一さんが、反対を明示していた新人が市長に当選したら議会にはかるという趣旨の発言をし、自民党が多数をしめる市議会に相談するということだと、実質的に、両候補とも賛成の方向性になったのではないかとの質問をされました。玉木代表の記者会見には、同党の岸本周平役員室長(衆議院議員)も同席しています=写真は5月に撮影したもの=。玉木代表にとっては、大蔵省の先輩ながら同期当選で党では役員室長を任せる立場にありますが、岸本さんの地元の和歌山市長選の話しながら、玉木さん、岸本さんとも、身じろぎせず、何事もないかのようにふるまいました。

 玉木代表は、きょねん、個人の立場で、銀行からの借り入れるなどしており、旧民主党系とはやや違った趣で党の支持基盤の底上げをはかる一方、一部では「言うだけ番長だ」(野党首脳級)との批判も党内外から出ており、今後のかじ取りが注目されます。

 このエントリー記事の本文は以上です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東徹さんら維新「政府案反対、維新・希望の党案採用を」野党色強まり、国民党「政府案に賛成、附帯決議案提出」に批判の野次飛ぶ、受動喫煙防止の健康増進法改正案可決、IRカジノ実施法案審議続く

2018年07月12日 18時49分44秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

(正午過ぎに初投稿で、午後7時前に更新)

 おととい維新が単独で特別委員長不信任決議案を提出したことで法案採決が一日遅れたことについて、きのう自民党の吉田博美幹事長が「維新は自民党に協力してくれるものだと思っていたが反省する」という趣旨の発言をしたと報じられました。

 ある野党指導者(衆議院議員)は先月「国会では維新は与党と考える」と講演しましたが、きめつけはよくないと思います。人間関係を考えて、有権者を裏切らない限り、あらゆる可能性をさぐるべきです。しかし、私は前々から、維新のうち、修正路線で自民党をアシストしているのは、馬場伸幸幹事長や遠藤敬国対委員長、丸山代議士ら、「大阪府内だけど大阪市外の衆議院議員」だと思っていました。浅田均さん、東徹さんの「大阪府内かつ大阪市内の参議院議員」は野党色を強めています。4人区ですし、思う存分暴れてほしいです。

 受動喫煙防止の法案では、衆議院と同様とはいえ、維新が立共とともに反対し、国民が自公とともに賛成。国民が朗読した付帯決議の採決では、「反対!反対!」の大声が、おそらく野党委員から上がりました。

【参議院厚生労働委員会 同日】

 政府提出の「健康増進法改正案」(196閣法47号)と松沢成文・希望の党代表と維新の提出の「健康増進法改正案」(196参法19号)。

 政府案だけ質疑終局が宣言され、討論となりました。

 維新の東徹さんは政府案に反対し、「政府案は骨抜き、大阪府はより厳しい条例をつくろうとしており、国は参考にすべし。維新が希望の党と提出した法案を審議してもらった」とし、維新と松沢さんの共同提出の法案を採用するよう呼びかけました。

 採決の結果、立憲・共産・維新の反対、自民・公明・国民の賛成多数で可決しました。あすにも成立のはこび。附帯決議は、国民の小林正夫さん(3期、電力総連・東京電力労組)が読み上げましたが、採決では、大声で「反対!、反対!」と叫ぶ人がいて、全会一致にはなりませんでした。少なくとも維新の東徹さんは反対しました。これも、国民が自公をアシストしているとする野党分裂が影響しているとみられます。国民党は「新緑風会」から継続している会派なので、事務局長などが自公と気脈を通じているのかもしれません、ちょっとこのところ、参議院内に行けていませんので、取材不足ですが。首脳級に聞くと、重鎮議員の相次ぐ引退で、新緑風会は統制が利いていないそうです。

 附帯決議ですが、働き方改革関連法では厚労省にくぎをさすことが大事ですが、受動喫煙防止は、基本的に都県庁の仕事ですし、あまり意味が無い。それから政府案の質疑では、朝、先輩が後輩に喫煙所に連れ出すことは違法ではないとのことです。討論で共産は学校が規制されていないのを問題視しました。あすにも成立の見通しの改正健康増進法ですが、施行日は2020年であり、2019年東京ラグビーワールドカップ大会には間に合わないことになります。

 来週火曜日からは、「水道法改正案」(196閣法48号)が審議されるのであろうと予想されます。

【参議院内閣委員会 同日】

  「IRカジノ施設実施法案」(196閣法64号)の審議。

 石井啓一・国土交通大臣(兼)内閣府IRカジノ担当相。共産党の大門実紀史さんは「私の質問時間の35分間だけでも、平成30年7月豪雨の国交省との連絡の時間に使ったらどうか」と提案。石井大臣は「委員会のお許しがあれば」と応じましたが、けっきょく出席し続けました。

 豪雨被害が始まりだしたころに、衆議院赤坂議員宿舎で、自民党のベテラン・中堅・若手議員の「赤坂自民亭」に、安倍晋三首相(自民党総裁)が出席。西村康稔・内閣官房副長官(自民党衆議院議員)がツイッターに写真を挙げたことで批判を浴びました。これにつて、西村さんは「誤解を与えた」などとして陳謝。質問した立憲の相原久美子さんは「誤解を与えたという問題ではない」とたしなめました。けさ発売の週刊文春が海外カジノ業者から、岩屋毅さん、細田博之さんらがパーティー券を買ってもらっていると報じ、その中で、西村さんの名前も登場。西村さんは大門さんから事実関係をただされました。

 あすは参考人質疑を開くことを決めて、散会。

 あすは本会議が設定されていませんので、いずれにせよ、成立は来週以降に。

【衆議院 平成30年2018年7月12日(木)】

 ありません。

このエントリーの本文記事は以上です。

(C)2018年、宮崎信行。

[お知らせはじめ]

宮崎信行の今後の政治日程(有料版)を発行しています。

国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読ください。 

このブログは以下のウェブサイトを活用しエントリー(記事)を作成しています。

衆議院インターネット審議中継(衆議院TV)

参議院インターネット審議中継

国会会議録検索システム(国立国会図書館)

衆議院議案(衆議院事務局

今国会情報(参議院事務局)

各省庁の国会提出法案(閣法、各府省庁リンク)

政党インターネット資料収集保存事業 「WARP」(国立国会図書館)

予算書・決算書データベース(財務省ウェブサイト)

インターネット版官報

[お知らせおわり]

Miyazaki Nobuyuki

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする